« 2011.2.6日地方選挙考 | トップページ | 鈴木宗男の獄中檄「負けるな小沢先生」 抜粋 »

2011年2月11日 (金)

菅首相の小沢どん離党勧告なる首相権限の軽挙妄動は総辞職に値する

 2011.2.10日、菅首相は、小沢どんを首相官邸に呼びつけ、約50分にわたって二者会談した。菅首相は、小沢どんに対し、「政倫審出席と、裁判が済むまで党を離れてくれないか」と述べ、公判終了までの自発的な離党を求めた。

 小沢どんは、「私が党を離れるとか、何かの形で処分するとかいう声が党の多数なら仕方ないが、健全な政党政治と民主主義の上で妥当でなく、よろしくない」の述べ拒否した。結論として、「現状のまま活動しようという結論に至った」とのことである。

 れんだいこは、菅首相のこたびの離党勧告折衝が、首相権限論から見て脱法の軽挙妄動と看做し、このことだけで総辞職に値すると考える。以下、論証する。

 この経緯全体に菅首相の粗脳ぶりが見える。一体、菅首相は、法治国家における権能論について分別がなさ過ぎるのではなかろうか。首相は、なるほど一国の最高権力者としての地位にあるが、それは何をしても良いと云う全能権力が与えられているのではない。あくまで法治主義上の首相権限であり、その限りでの最高権力者である。

 これを端的に云えば、憲法上は明文規定はないのだけれども、最も包括的に見れば閣僚登用権(閣僚の任用、罷免、指揮監督権)、政策権(政策指針権、広布権、議決誘導権)、財政権(予算起案、運用権)の三種から構成されているものと思われる。かって、ロッキード事件で問われたのは大臣指揮監督権の内実であった。これ対する確定的な法理はまだない。即ち多義的に解釈されており異論、議論の余地が多い。

 それは良いとして、菅首相のこたびの小沢どんに対する離党勧告要請は、上記の首相権限の範疇にない新種のものである。つまり、従来の首相が為さなかった聖域に踏み込み、采配していることになる。考えてみれば、首相が個々の議員の処分に逐一干渉し得るとしたら恐ろしいことではなかろうか。機関民主主義上は、これは首相権限ではなく、党員審査会辺りが任を負うべき事案ではなかろうか。それも、処分される側の抗弁権が保障された上で成り立つ。

 そういう分別があるべきところ、菅は、首相ならば何でもできるのだとカン違いして首相棒を振り回していることになる。これは子供の世界にありがちな、お山の大将式暴力に過ぎない。

 つまり、「2011.2.10日、菅首相の対小沢離党勧告会談」は、菅首相の罷免に値する、即ち内閣総辞職に値する軽挙妄動だったのではなかろうか。これに特段の違和感が唱えられていないが、今からでも遅くない、国会は菅首相の首相権限を廻って質疑すべきである。

 首相権限には明文規定はないのだから理論的には許容論も有り得る。但し、その際には、今までの首相がかような珍奇な棒を振り回さなかったところ、何故に菅は振り回すのか、かような棒の振り回しが何故に新たに認められるのかにつき整合的な理論を創造せねばならぬ。

 ここの分別を曖昧にしたまま、読売社説の如く、産経社説の如く、その他その他の社説の如く、首相権限振り回せ論に乗って棒を振り回すのは首相小児病に犯されているのではなかろうか。これを許す社会全体がお笑いのピエロ政治をしているのではなろうか。

|

« 2011.2.6日地方選挙考 | トップページ | 鈴木宗男の獄中檄「負けるな小沢先生」 抜粋 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

小澤氏の申すように「党の多数なら仕方ないが、健全な政党政治と民主主義の上で妥当でなく、よろしくない」と述べ拒否した。これに尽きるのではないか。
 告訴されたり起訴されたからといって、それで直ちに離党したり、議員辞職しなければならないのなら、むやみと告訴し、検察不起訴の場合検察審査会議決で、代議士の生命を奪うことが出来る。代議士は有権者の付託を果たすのが仕事であり、其の仕事を妨害する勢力の働き掛けで告訴され、起訴訴追された場合など、党員資格剥奪を簡単に認めることは当該議員の議員としての行動を制約するもので好ましくない。小澤氏の場合先の総選挙を控え代表として、其の議員秘書逮捕に始まり、現在の状況を具に見れば、小澤氏の反論に利があるし、其の間、官の対応は、酷いと思う。小澤氏ほどの実力者なら菅内閣総辞職に持っていくことも出来るのではないか。そう思うと菅は、血迷っているというか、棺桶にはまった者としか見えない。

投稿: sizimi | 2011年2月12日 (土) 05時09分

 sizimiさんちわぁ。菅の粗脳が何かと上手く利用されているようですね。第三の開国論をぶっていますが、明治維新以来の西欧化の流れを無条件で是認賛美しており危ないですね。先の西郷用済み論なども含め薄っぺら過ぎます。一刻も早い総辞職こそ喫急の課題になっていると思います。

投稿: れんだいこ | 2011年2月12日 (土) 09時09分

総辞職には内閣不信任決議案の可決が憲法上不可欠ですね。
一刻も早い内閣不信任案の提出が望まれますが、国会議員にそれを出すものが一人もいないという現状もまたお寒い限りです。ピエロ国会でしょうか?

投稿: 通りがけ | 2011年2月12日 (土) 12時55分

 通りがけさんちわぁ。「国会議員にそれを出すものが一人もいないという現状」 についてですが、政策的に見て、菅派は小泉派と通じていますね。この連合がそれぞれの党内を押さえており、これが菅政権延命の秘訣となっているのではないでせうか。これを裏で支えているのが国際金融資本であり最強です。ところがチュニジア、エジプトの例の如く今世界は彼らの支配のタガがほころびつつある。中東の流れは不可逆的です。イスラムは強い賢いのです。この流れが日本にも押し寄せてくるでせう。この時、菅派、小泉派は守旧派の惨めさを晒すことになる。今悪行を積み重ねている分に応じて責任が重くなります。これが明日の政治史だと思います。

投稿: れんだいこ | 2011年2月12日 (土) 13時08分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1453913/38831112

この記事へのトラックバック一覧です: 菅首相の小沢どん離党勧告なる首相権限の軽挙妄動は総辞職に値する:

« 2011.2.6日地方選挙考 | トップページ | 鈴木宗男の獄中檄「負けるな小沢先生」 抜粋 »