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2011年7月19日 (火)

大国主の命論その3、大国主の命と田中角栄論

 れんだいこは格別に田中角栄を高く評価している。立花史観と日共史観に被れた者からすれば唾棄すべき観点であろうが、それは長年の巧妙な情報操作によって植え付けられたものであると了解しているので歯牙にもかけない。田中角栄のどこが何が凄いのか。それは、田中角栄が意図的か偶然の賜物なのかは別にして、時空2000年を超えて大国主の命政治を再現したところにあると見立てている。角栄の秘書・早坂氏はスサノウの命に例えたが、それは出雲王朝史に対する生半可さによるもので、正確には大国主の命とするべきであろう。

 そういう目で見れば、角栄の出自が越後であり、北一輝もそうであり、その越後が出雲王朝と格別に深い誼の土地柄であるからして因縁を感じる。かの地には出雲王朝頭脳が息づき、その伝統によって両者に出雲王朝頭脳が憑衣したと考えられる。付言しておけば、日本史上時に天才が現れるが、共通して出雲王朝頭脳が底バネになっていると思える節があることが興味深い。世界に称賛される日本とは、その内容を精査すれば漠然とした日本ではなく、出雲王朝頭脳及び精神、その文化伝統に対してであることに気づかねばならない。これが日本の原ふるさとであり、それほどお陰を受けていると思えば良い。

 出雲王朝頭脳とは、東出雲王朝の主たるヤツカミズオミヅの命の「国引き」、西出雲王朝の主たるスサノウの命の国土経営、大国主の命への政権移譲、両王朝統一の大国主の命の国土経営、国譲り等々の経緯に表れた世界最高レベルの政治頭脳及び思想及び文化伝統を云う。日本歴史の半分は、この出雲王朝頭脳により作られていると云っても過言ではない。そういうものとして受け止めてもらいたい。ここでは大国主の命に特化させて、その手腕を確認したい。如何に多方面に於いて日本に有益な役割を果たしているかが納得できよう。

 その大国主の命の政治のあれこれに言及して見ても、時代が違うのでさほどピンとこない。そこで、田中角栄の政治そのものが大国主の命政治の現代版であったと仮託させて、これを検証することで大国主の命政治を髣髴(ほうふつ)とさせてみたい。少しユニークな大国主の命政治論であり、書いているれんだいこが苦笑せざるを得ない。

 角栄は、政治の最初を土木、住宅、道路、水利事業より始めている。これを議員立法で処理している。角栄が直接手掛けた生涯の議員立法が33法、間接的に関与したものまで合わせると数え切れない。優に100法を超える。この記録は未だに破られない。と云うか、今日びの政治家には歴史の検証に堪え得るような議員立法を手掛ける能力そのものがない。

 現首相の菅が角栄批判を政治の原点とするとか、官僚批判で正義ぶるのは勝手だが、角栄の爪の垢でも煎じて飲むべきだろう。凡そ軽薄言辞を得意としているが、この点こそが真に角栄と対極的である。角栄は、陳情政治を肯定し、且つできることできないことを瞬時に仕分けし、できないことはその場で断り、できると約束したことは精力的且つ用意周到に根回しし政治家としての責任を全うした。よほど真っ当な政治であったと回顧すべきだろう。

 もとへ。大国主の命が東西出雲王朝の統合を経て最初に為したのが、土木、道路、水利、住宅事業等の建設省関係の仕事であったと思えば良い。角栄が次に為したのが、郵政省関係の仕事であり、テレビ時代の到来を見据え「民放テレビ36局の一括予備免許の一挙認可」を為し遂げている。大国主の命も又、当時における情報伝達手段の開拓に勤しんだと思えば良い。
角栄は次に厚生省関係の健保問題解決、社会福祉問題に取り組んでいる。大国主の命も又当時の健保問題、社会福祉問題に取り組んだと思えば良い。以下同様であるので繰り返さない。

 角栄は次に大蔵省関係の予算づくりに精出している。これにより高度経済成長の財源的基礎を舵取りした。毎次の国家予算書に企業のバランスシートを読む如くに目を配り、日本を優良企業に育てるべく指導し抜いた。この功績が注目されていないが、角栄政治の偉業である。大蔵大臣の時、「山一證券倒産の危機からの救済」に尽力している。赤字国債発行に対しては憲法に則り厳禁している。税収の原資を法人活動の旺盛化に求め、中小零細企業を育成保護した。現下の政治とは全く逆であることが分かる。

 文部省関係の大学管理立法「大学臨時措置法」の成立に尽力し、学問の府の有るべき姿を保全した。これは、今から思えば折からの学園バリストの流行に対する止むを得ない措置であったであろう。通産省関係の日米繊維交渉に尽力している。前任の宮沢通産相では何ららちがあかなかったが、今後の他の輸出産業の保護を考慮しつつの英断であった。いずれも当時の懸案事項を手際よく纏めているところに値打ちがある。

 次に、首相時代になってからであるが、外務省関係の日中友好条約、国交回復交渉、日ソ平和・北方領土返還交渉、中東政策、諸国友好外遊「自主全方位外交」、新潮流外交に尽力している。高齢化社会時代到来を見据えて社会福祉政策を措置している。今日これを放漫支出と評する学者が多いが、それはその後の政策の放漫であって、かの時点での角栄の政策はむしろ炯眼と評すべきだろう。

 当時のインフレ経済に対応して労働者側の人件費の大幅増で対処している。これが消費、貯蓄に繫がり日本経済を一挙に活性化させることになった。この時代ほど人民大衆が生き生きと働いた時代はない。最後に、ロッキード事件で刑事被告人に追いやられ、その傍らで中曽根政権が推し進めようとしている国鉄民営化に反対する堂々たる論文を放っている。こういう角栄政治の源流であり手本が大国主の命政治であり、当時に於ける英明政策を次から次へと施策したと思えば良い。

 特筆すべきは、角栄が内治の成功ばかりではなく外治に於いても成功し、世界の首脳と五分以上に渡り合っていることであろう。一事万事の原則で云えば何ら不思議ではない。内治を御し得る者が外治をも御し得るのであり、逆は逆である。大国主の命も又出雲王朝外交を堂々と展開し、成功裏に治めたものと推定できる。その政治は、角栄同様ハト派的なものであり戦争よりは経済的交流で絆を深めることに重点を置いていたものと思われる。分かり易く云えば、戦後憲法が詠う国際協調、諸国親善に精出したと思えば良い。軍事的指導者としても有能であったであろうが、和戦両様の構えで出雲王朝の経営に勤しんだのは想像に難くない。その概要は次章で確認することにする。

 こういう政治を善政と云う。確認すべきは、出雲王朝時代、そういう善政が確かに行われていたと云うことである。これが大和王朝建国前の日本史の史実である。最高権力者である命が、その政治責任を十全に果たし、一族郎党、家臣を心服させ、人民大衆を国家の宝として保護育成し「民のかまどの煙の上り」を思いやっていたということである。為政者が「民のかまどの煙の上り」に配慮する政治は、この時代にひな型が作られ、大和王朝の御代になっても受け継がれ、その後の日本政治の原点となったと云う点でも見逃せられない。この話がウソかマコトか、次にこれを確認する。

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コメント

>角栄は、政治の最初を土木、住宅、道路、水利事業より始めている。
政治とは何か、統治能力とはなにかを見事にお示しくださった素晴らしい御論文、まったくもって御意にござります。
とおりがけ奴もまったく同感でありまして、国のリーダーとして田中角栄と大国主命を同等とみております。
今の日本を復興させるリーダーとしては、小沢一郎といえど地の人角栄には遠く及ばぬ労働技術習得経験の無い大学出の青白きうらなりインテリにすぎないのでしょうか。

ここにおじゃまさせてください。とおりがけ拝

「地位協定犯罪」

>放射性物質拡散予測
>台風の影響による7/21の予測では福島原発より西側の日本全体に拡散
>>http://blog.livedoor.jp/jijihoutake/archives/52207751.html

とっとと地下にダム壁作って上から石棺化しないから当然こうなる。台風はあと何回も来る。日本は地震台風列島である。4ヶ月もの政府放置不作為による空費は大きい。

これで菅内閣・霞ヶ関・東電共謀共同正犯の放射能棄民テロ被害が国土の3/4以上へ拡大した。臨界核分裂はもとより天災ではなくすでに過失人災でもなくなった、いまでは100%確信犯の国家テロ犯罪である。三者を直ちに逮捕投獄せよ。

釘の一本もまともに打てないような能無しの口先だけのくずどもに政治をやらせるな。霞が関も国会議員も全員首だね。
すべて公務員は日本国民のために下僕として働け。地位協定がある限り米軍の下僕となって米国民のためにだけ働いている日本の公務員は、日本国民が納めた税金をすべて私腹に入れている憲法違反の税金泥棒でしかない。


日本国の国家統治主権を蹂躙する地位協定を直ちに破棄して、日本国総理官邸から外国籍米軍関係者を全員排除せよ。地位協定は米国による国際外交犯罪そのものである。

投稿: 通りがけ | 2011年7月21日 (木) 07時30分

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