2011.8.29日民主党代表選記
2011.8.29日、民主党は、菅首相の後継代表を決める代表選挙を行った。民主党所属の衆参両院議員は407名。このうち党員資格停止処分を受けている小沢元代表ら9名は投票権がないため有権者数は398名となった。代表選に先立って両院議員総会が行われ、5候補がそれぞれ15分間ずつ演説を行った。
投票の結果、海江田143票、野田102票、前原74票、鹿野52票、馬淵24票、有効投票数395、無効票は0。第1位の海江田票が過半数に達せず決選投票となった。海江田、野田両氏が5分ずつのスピーチを行ったあと決選投票に入り、野田215票、海江田177票で野田氏が逆転した。新代表はただちに党役員人事に着手し、30日の衆院本会議で第95代、62人目の首相に指名される。
以下、簡単に代表選評をしておく。第1回目投票で海江田は143票で1位となったが、小沢派、鳩山派、原口派の連携の割には票が伸びていない。もう一つの注目であった野田と前原の2位決戦は野田が圧倒した。102票は予想を大きく超えた。前原の74票も予想を超えた。中間派が両派に投じたことが分かる。鹿野52票は案外伸びなかったことになる。馬淵24票はむしろ善戦と評価できる。
決戦投票の野田215票、海江田177票は、海江田票が34票しか上積みしておらず、鹿野、馬淵の76票の過半が野田票に流れたことを示している。前原票は確実に野田に流れたことも示している。菅派票も確実に野田に流れたことを示している。
注目すべきは、2010.9.14日の菅VS小沢の一騎打ちとなった民主党代表選挙では国会議員411名(衆院305、参院106)のうち409人が投票(無効票3)、菅首相206票、小沢前幹事長200票であったことを考えると、海江田177票は小沢票を大きく減じていることを示している。
これは、鳩山票がむしろ野田票に向かったことを推定させる。小沢派はまたしても鳩山派に煮え湯を呑まされたことになる。補足推理として小沢票が流れた可能性もあるが考えにくい。
さてこうなると小沢系の数値の限界が見えてきたことになる。野田政権は8.30日に発足するが、論功行賞からして菅派人事で固められる可能性が強い。せいぜい政務ではなく党務的即ち選挙対策的使われ方をすることになると思われる。こうまで2代続けて干されると、小沢系が党内に留まるのは無理ではなかろうか。今こそ身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれを地で行って欲しいと思う。
アイデアとして、小沢系はもはや党員資格停止処分の解除なぞ求めず、そのまま小沢政治塾を立ち上げた方が良い。何ら拘束を受けない自由な政治活動に向かえば良い。小沢氏自身、首相の芽を窺うことを最終的に断念し、代替わりして次の世代の育成に向かう方が賢明ではなかろうか。
こたびの代表選でも、本来は小沢派が然るべき候補を立て争うべきだった。原口でも撫子でも良かった。勝つ負けるは別として、かく闘うべきであった。ところが、小沢系の中から物色できる候補が居ない。何分干され続けていることにもよるが、これでは臨機応変に処せない。そういう限界をも露呈したのではなかろうか。
小沢派は鳩山派に寄り添うたびに裏切られている気がする。鳩山派こそ2009政権交代をダラダラ効果減にしてきた張本人であり、菅派にバトンタッチした直接の責任派閥である。小沢派にすり寄りながら本籍は宦官派であることをもっと厳しく確認すべきではなかろうか。
以上、簡単ながら「2011.8.29日民主党代表選記」を記しておく。
2011.8.29日 れんだいこ拝
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