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2011年12月

2011年12月31日 (土)

2012.1.1たすけあい党新年声明

 2012年、謹賀新年寿(ことほ)ぎ申し上げます。

本年を如何なる年にすべきかメッセージさせていただきます。このところ恒例となりました「たすけあい党声明」ですが、「2011.1.1たすけあい党新年声明」を読み返してみて基本的に構図が全く変わっておりません。それだけ政治史上の進歩がなかったと云うことになります。

  新たな特徴として菅政権が粗脳の極みの失態を演じたまま終息し、代わりに同系の野田政権が生まれ、相変わらずのシオニスタン政治に邁進し、目下は消費税を始めとした各種公租公課の増税路線を驀進中で自絞殺している局面にあるということでせうか。この自絞殺も、自らの意思ではなく彼らシオニスタンを背後で操る奥の院指令による民主党潰しに過ぎません。つまり、「上からの反革命」が仕掛けられ、マスコミがこれを上手く誘導しているということです。見え透いたペテン政治であり、断固として粉砕せねばなりません。

  以下、2011.1.1たすけあい党新年声明」文を基調にしながら、新たな事象を書き加えたものを「2012.1.1たすけあい党新年声明」として再度訴えたいと思います。

 民主党政権は鳩山、菅、野田と三代経緯していますが、2009政権交代に寄せられた期待を意図的故意に上から裏切り続けるペテン政権であることを晒し続けております。現代世界を牛耳る国金融資本の日本解体溶解指令を請負う政治でしかありません。自公政治となんら変わらないどころか、機関運営民主主義を破壊した自公政治以上の官邸政治により国家の重大政策をいとも容易く立案、調印し続けております。

 この異常政治と一刻も早く決別し、四番手政権として2009政権交代実践派政権、自律自存手法による日本改造政権誕生の年にしたいと思います。我々は2009政権交代の日の目を見るには見ましたが、まだその果実を味わっておりません。民主党三代政権はマニュフェストを裏切る「上からの反革命政権」でしかありませんでした。マニュフェスト改竄派の政権はもう食傷です。今度はマニュフェスト実践派の出番です。とにもかくにも掲げた公約は一度は履行し、不都合は履行後の検証により見直しして行くべきです。かく永続革命させて行くべきです。

 実現すれば日本の戦後政治史上久しぶりのハト派政権の登場になります。戦後日本を有能に舵取りし、世界の奇跡と云われた戦後復興、続く高度経済成長時代の政治を再興せねばなりません。この成功事例を再検証し現代版で焼き直すことこそが待ち望まれております。皆さん、力を合わせて頑張りませう。たすけあい党は未だ微力ですが、目下は理論の力により、ゆくゆくは数の力によっても日本政治史上に枢要な役割を果たそうと決意しております。今年もご声援宜しくお願い申し上げます。

 詐欺政権が相変わらず野党とマスコミを巻き込んで小沢どん攻撃を執拗に続けております。政治詐欺派による小沢どんバッシングをそろそろ終息させねばなりません。2011年は、検察正義の裏舞台を暴く画期的な年になりました。検察は、「政治とカネ」に纏わる容疑で小沢どんに集中攻撃を仕掛け、「天の声献金」まで捜査しましたが容疑を立証することができませんでした。逆に、証拠物のフロッピーディスク改竄容疑で逮捕されると云う前代未聞の不祥事で知られる前田元検事により、小沢どん訴追に於ける検察不正義の過剰捜査が内部告発されました。

 滑稽なことに、小沢どん秘書裁判判決で「赤旗スクープ」が認定され立件に繫がったと自画自賛していた日共がダンマリしたまま今日に至っております。平素政治倫理や道理を異常に説く日共の化けの皮が剥げ、国際金融資本に雇われた「左からの突撃隊、言論大砲」政党に過ぎない正体を顕わしました。そういう意味で、小沢どん攻撃に限界が訪れつつあり、小沢系政権かシオニスタン政権かを賭けた関ヶ原決戦と云う剥き出しの政治闘争へ向かいつつあります。これは喜ばしいことです。

 昨年2011.3.11日、三陸巨大震災が発生し、菅政権が無能極まる対応をしたまま今日に至っております。日本史上初の本格的な原発事故をも伴い、その後遺症副作用とも云える被害がこれからも続きます。日本が原発からの撤退に向かう契機であるのに、現地での対応がままならぬさ中に原発続投を宣言し、東電救済に巨額税金を投入し、それも二次三次が待ち受けております。原子炉廃炉も容易ではありません。瓦礫処理に知恵がなく徒に費用を掛けてたらい回ししております。被災民対策も地方自治体任せで後手後手に回っております。現地復興の槌音が伝えられますがなべて民間主導のものです。政治がそれを抑圧しているというのが実態です。

 これらにより政権交代効果はすっかり色褪せてしまいました。これは武運つたなく生まれた過ちではありません。現代世界を牛耳る国際金融資本帝国主義の指令に基づき、日本経済を意図的故意に活性化させないよう、日本を破産させるよう御用聞きしている故と看做す必要があります。これに応ずる者には見返りに地位保全と大臣ポストを主とする登用機会が与えられ、これに喜々としている政治屋の貧相矮小な生態が見えてまいります。今や人民大衆がこれを見抜き、失望から怒りに転化しつつあります。これは当然であり、もっと厳しく弾劾する必要があります。

 この政治事象を疑惑すべきです。漫然と批判するのではなく、小沢系を除き、その他なべての政党と政治家が国際金融資本帝国主義のシナリオを御用聞きしているのではないかと疑ってみる必要があります。自公、鳩山、菅、野田政権の醜態を偶然的事象と捉えるようでは歴史の真実が見えてまいりません。こういう輩をシオニスタンと命名しています。今や日本の政界はシオニスタンに籠絡されています。共産も社民もその他諸新党も同じ穴のムジナです。してみれば、国際金融資本帝国主義の支配力が与野党、右派左派問わず及んでいることが分かります。そろそろシオニスタンどもを一網打尽に追放する頃ではないでせうか。

 彼らを一網打尽することは難しくはありません。連中は政財官学報司軍の国家権力中枢八者機関を押さえておりますが、秘密結社特有の性としてごく少数に限られます。圧倒的多数は苦々しく事態を見守っており、然るべき政権が生まれれば掣肘することは容易です。案ずるより生むが易しと心得るべきです。

 野田政権は菅政権同様に、増税政策により民主党内を分裂させ、その分裂騒動により党への期待をすっかり褪せた状態に追い込み、その上での衆院解散を画策しつつあります。これは、国際金融資本帝国主義が、2009衆院選の結果としての300議席を越える民主党議席がよほど邪魔になっていると云うことです。菅―野田政権は、この思惑に基づくいわば民主党潰しの請負政権と化していることになります。

 歴史の流れは、民主党正統派による四番手政権の創出を不可避としています。次の政権交代は小沢派連合によって切り開かれるでせう。どうせそうなるのなら早いのに越したことはありません。シオニスタン政権が日延べするほど一日一日国益を失います。思い返すに、世界史的称賛に値する戦後日本の奇跡の復興と発展は、政治上は自民党のハト派政権の能力によってもたらされてきたものです。

 しかしながら、その政治能力はロッキード事件を境に掣肘され、1980年代初頭の中曽根政権誕生と共にタカ派政権が日本政治を牛耳り始め、それと同時に世界史的侮蔑に値する日本凋落が始まり、今日に至っていると考えるべきです。以来、30余年にもわたる悪政により、もはや日本にはかっての国富がありません。国家財政もとみに悪化させられており、待ったなしの局面に至っていると考えるべきです。日本政治史上1980年代初頭に終焉して以来長らく地下に押し込められてきているハト派政治を復権する以外、日本再生の方法はないと考えます。わが党はこのことを強く訴え、ハト派政治の再興に尽力いたします。

 以下、「2010.1.1たすけあい党新年声明」を書き直し復唱しておきます。

 日本は、太古の昔から今日に至るまで、世界史上稀なる「なんだかんだ云っても割合と良い社会、国」であった。他国との相対的な比較に於いてですが、まずかく認識する必要があるように考えております。この点で、左翼は早急に半身構えの悪い癖を直さねばなりません。日本は良い国と思うべきです。否定をすれば賢いと思うのは青年期特有のものです。全体として日本は世界的に稀な豊かな助け合い精神で世の中を創って来た「良い国」と認識し直すべきです。ここを間違う故に、闘争対象があらぬ方向へ行ってしまうことになります。これが、れんだいこの学生運動検証の果実です。

 更に云えば、戦後日本は、大東亜戦争の敗戦を通じて、歴史の僥倖か必然かは定かではありませんが結果的に、戦後憲法秩序に体現されたプレ社会主義的体制を獲得していたと窺うべきです。ソ連邦の解体後もマルクス主義の魅力が踏みとどまり得ているのは、「実はソ連邦、中国、東欧等々の社会主義は社会主義ではなかった。戦後日本が具現したものこそ社会主義であった」とする知見によってです。戦後日本はそれほど魅力的な社会だったと考えるべきです。

 その「割合と良い社会、国」が次第に、中曽根-小泉政権以来急速に破壊されつつある、故に闘わねばならないと考えております。この時代に、中曽根-小泉政権的構造改革路線と親和するような動きを見せた日本左翼運動内の党派、自称インテリ左派が居たとすれば論外として放逐、自己批判を迫らねばならないと考えております。

 我々が今闘う基点は、日本が悠久の歴史を通じて培ってきた共生共存の思想、仕組み、共同体の護持だと考えます。故に、この基盤を壊す者たち、制度、手法と対決せねばなりません。このことをしっかりと踏まえなければなりません。日本が悠久の歴史を通じて培ってきた共生共存の思想、仕組み、共同体の擁護と発展を目指すのが是の流れであり、これを壊す徒な自由化の流れを邪と分別すべきです。これを論証するのは別の機会に譲りますが、世界史上に於ける日本の位置づけをかく確認すべきです。この認識に至らない自称インテリばかりを輩出しておりますが、根本のところが分かっていない無知蒙昧な輩でしかありません。

 それもその筈で巷に溢れているのは邪道テキストばかりであり、それ故に下手に学問すると学んで余計にバカになります。そういうバカな自称インテリが大量生産され、その一部がマスコミの寵児となって日ごとに我々を説教し続けております。現代日本を牛耳っている政財官学報司警軍の八者機関の上層部は、こういう連中ばかりで占められております。そういう日本にされている訳です。我々はまず、この構図を打破せねばなりません。

 その為に各戦線に於いて有益な学問テキストを創出しなければなりません。その見分けをどうすべきか。これを簡単に申せば、我々の脳のシワを増すような学問を営為せよ、脳を骨粗鬆するような学問を唾棄せよ、云い伝えされてきているところの年齢に応じた季節感のある寿命の費やし方を工夫せよ、規制強化による生きた屍的生活化への謀りごとと闘え、著作権フェチ糞喰らえ云々と云うことになります。この観点から、各自が営為努力すれば宜しかろうと云うことになります。

 れんだいこは、階級闘争論、搾取理論を拝戴致しません。ああいうものの見方は思想の通過点として反面教師的に学ぶべきです。学ばないより学ぶ方が良いのですが、学んで咀嚼すべきです。マルクス主義の生硬な適用は害にはなっても役に立ちません。どうしても適用するのなら、国際金融資本の息のかかったやり口として認識し、その限りにおいて糾弾すべきです。歴史法則として資本主義が生み出されていると考える必要はないと思います。

 もとへ。もっとも、マルクス主義を学ばずして排撃するばかりの手合いに対しては値打ちを語り反駁したいとも考えております。しかしながら、階級闘争論、搾取理論はそのままでは使えない、もっと練らねばならないと考えております。世の中の生業を事業と考え、生産管理、職場管理の思想を打ち出し磨くべきです。労農商階級は歴史の主人公足る能力を身につけ、その大道へ歩を進めるべきです。

 我々は、「外治より内治優先、軍需費より公共事業優先、軍事産業ではなく平和環境産業の育成、中小零細企業まで活性化する経済成長政策による税収の自然増、国民の生活と諸権利擁護、消費税の利率アップどころか悪税の廃止、公務員の天下りに伴う高給制度、退職金の谷渡りの廃止、公務員給与の適正化、国際友好親善協調政策への取り組み」等々を掲げて、これと真っ向から敵対するシオニスタン政治と闘わねばなりません。

 思い描くべきは、戦後日本の国土復興から高度経済成長時代の在りし日の日本の姿です。軍事予算はGNPの1%枠に閉じ込められ、消費税などなく、雇用、年金、医療制度が確立していました。必要な公共事業が次々と着手され社会資本基盤が整備され続けました。あの頃の日本は、世界史上のお手本的な善政であったように思います。これを論証するのは別の機会に譲りますが、かの時代の日本をかく確認すべきです。その時代のコンピューター付きブルドーザーが角栄であったのは云われる通りです。れんだいこが角栄を信奉する所以です。

 その時代は、ロッキード事件勃発、続く1980年代初頭の中曽根政権の登場とともに壊されました。「あれから40年」、日本はかくも惨めな国に転じてしまいました。国債の累積債務は天文学的です。遂に国庫収入が新規国債発行額を下回ると云う異常事態に陥り常態化してしまいました。2010年、2011年は更に事態を悪化させました。一体、誰がこんな時代を呼び水したのか、憤りなしには認められません。

 とはいえもはやあれこれ云ってもキリがありません。後悔よりもこれからが大事です。2012年は2011年に引き続き、失われた日本の値打ちを認め、再興すべき新時代の年とすべきです。れんだいことたすけあい党は不惜身命、歴史に身を預けたいと思います。本年も熱い支持と御カンパよろしくお願い申し上げます。党員志願者の続々入党頼みます。

 2012.1.1日 たすけあい党首れんだいこ拝

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2011年12月10日 (土)

1972.10.31日、衆議院における日本共産党・不破哲三の質問に対する田中首相答弁

 お答えを致します。

 極東条項、台湾条項を廃棄せよ、沖縄―台湾間の米軍海底ケーブルを撤去せよというような御質問でございますが、日中両国間の国交正常化は、海底ケーブルの問題も含め、安保条約に触れることなく達成されたものであり、台湾が極東の範囲に入ることにつきましては、従来とも変わりがないのでございます。我が国は、台湾を中国を代表する政府として認めることはできません。が同時に、米国その他の諸国が台湾と有している関係を否認する立場にはない訳でございます。私は、日中国交正常化を実現し、中国側との相互理解を深めるため訪中したのでありまして、私の訪中がそれ以外の目的を有しないことは明らかでございます。従って、貴党に対する問題などは話題にしておりません。

 ベトナム和平に協力し、米軍の侵略に加担するな、ベトナム民主共和国、朝鮮民主主義人民共和国との正常化等についての御発言でございますが、ベトナム和平については、目下関係者が真剣な努力を重ねており、近くこれが実現するものと期待を致しております。事態が沈静化すれば、ハノイには本年初め、外務省の担当課長が訪問をしておることでもあり、北ベトナムとの往来は一層頻繁になるものと考えております。なお、朝鮮民主主義人民共和国とも、スポーツ、文化、経済と、段々交流を積み重ねておることは御承知の通りでございます。

 安保条約を廃棄せよ、沖縄の毒ガスを点検せよ、四次防を国会に諮れという問題でございますが、安保条約の目的は、間々申し上げております通り、我が国の安全を確保することにありまして、政府としては、これを堅持して参るつもりでございます。同様の理由により、四次防を撤回する考えもございませんし、四次防は重大な国防の問題でありますので、国会に於いてはもとより、広く国民各界各層に於いて議論をして行きたい、こう考えるのであります。しかも、防衛問題に対する国会の審議機関としては、各党にもお願いを申しあげておりますが、安全保障に関する常任委員会の如きものを設けていただいて、十分国会でご審議いただくのが正しいと考えておりますし、政府もそうお願いをしておるのでございます。御指摘の沖縄の毒ガスは、昨年五月に全てが撤去をされておることが確認をせられておりますので、念の為御報告申し上げておきます。

 経済政策につきまして申し上げますが、日本列島改造論の狙いは、福祉が成長を生み、成長が福祉を約束するという成長活用の経済運営のもとで、過密と過疎の同時解消、公害の追放、環境の保全、物価の安定などを勇断をもって行い、国民が安心して暮らせる、住みよい、豊かな日本をつくることにあるのでございます。なお、日本列島改造論は、御指摘にありました通り、46年5月、当時幹事長であった私の名前で発表した「統一地方選挙と我々の反省」に強調している政策の方向を発展させたものであることを御承知いただきたい、こう思います。

 それから、列島改造は、60年国民総生産を304兆円にすることを目的として、とお考えになっておるようでございますが、46年の国民総生産を基準にし、60年まで年率10%の成長を続ければ304兆円になるし、8.5%の成長を続ければ248兆円になるという、一つの目途を示した数字であることを誤解のないようにしていただきたい、こう思います。即ち、日本の持つ潜在成長率を数字で積算をし、それによって農業から転化しなければならない人員を吸収することも可能であるし、なお、我々の15年間に於いて国民総生産を4倍にすることも可能である、そう云う数字を前提にして、理想的な将来図を描く基礎数字として提供したものであることを御理解賜りたい、こう思います。

 公害、物価、社会保障について申し上げますと、汚染の原因者が公害防止費用を負担すべきとの考え方につきましては、我が国の制度は、既にそのような考え方をしておるところでございますが、公害防止には万全を尽くさなければなりません。また、発生源からの汚染物質の排出等の規制については、これを一層強化致しますが、さらに総量規制等、適切且つ合理的な規制方式を検討して参ります。物価安定の為には、日本列島合改造を始め、各種の施策を講じて参ります。また、独占禁止法の厳正な運用によって、不当な価格形成は排除して参りたいと存じます。また、年金の財政方式につきましては、直ちに賦課方式に移行するのではなく、現行の修正積み立て方式を、実情に即した配慮を加えながら維持していくことが適当だと考えます。以上。(拍手)

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2011年12月 9日 (金)

1972.10.31日、衆議院における日本社会党・堀昌雄の質問に対する田中首相答弁

 堀さんにお答えいたします。

 第一点は、先ほど春日委員長にお答えを申し上げましたが、昨日の成田委員長に対する答弁の中で、憲法に関する問題に対して誤解を招くようなところがございましたが、先ほど述べました通り、世界に類例のない我が国憲法の平和主義を堅持して参りますことは申すまでもないことでございます。こういうことでございますので、御了承を賜りたいと存じます。

 消費者物価について申し上げますと、経済成長の過程で、給与所得者の所得が、消費者物価の上昇を上回る伸びを示し、国民生活の実質的な水準が茶実に向上してきたことは事実でございます。しかし、物価上昇の要因としては、生産性の高い企業の賃金上昇が、中小企業やサービス業など、御指摘の通り生産性の低い部民に波及するということも否定できない事実でございます。こういう状態の中から物価問題が起って参る訳でございます。御指摘の通り、消費者物価の上昇は預貯金を減価させ、あるいは利子、年金生活者等の生活を不安にするというデメリットがございまして、これは物価対策を強力に推進しなければならぬことは、申すまでもないことでございます。

 物価の上昇を抑えるということについては、去年、おととし、5%余の年率でございましたが、今年は4%台の、1%以下低い状態で押さえ得るのではないかということが考えられる訳でございます。しかし、低生産性部門に対する施策を強化致しましたり、流通機構の整備を行ったり、自由化を行ったり、いろいろなものがございますが、やはり前々申し上げております通り、過度に拠点に集中しておるという問題にメスを入れながら、いわゆる日本列島改造を踏まえて消費者問題に十分な施策を行って参りたい、こう考えます。

 第三は、管理価格をやめるべきであるということでございますが、生産性向上の成果が、自由且つ公正な競争を通じて消費者にも還元されることは望ましいことでございます。今後とも管理価格の実態把握に努めるとともに、競争条件の整備等、対策面においても十分配慮して参りたいと存じます。

 公害問題に対して申し上げます。公害対策は、国民の健康生活を守る為、内政上の重要な課題であることは御指摘の通りでございます。関西新空港の問題について御指摘がございましたが、地元及び公共団体の意見等も十分尊重して計画を進めなければならないことは、申すまでもないことでございます。慎重に対処して参ります。瀬戸内海の赤潮対策について申し上げますと、下水道の整備、工業排水の規制等、瀬戸内海に対する十分な調査を行って、赤潮と云うだけでなく、瀬戸内海の汚染に対しては根本的な施策が必要であると考える訳でございます。

 社会保障問題について申し上げます。日本のあ医療の問題はどうかということでございますが、これは、堀さんがお医者さんでございまして専門家でございます。日本のあるべき医療の理想図をかかなければならないことは、人命に関する問題でもございますので、本件に関しては、鋭意努力を続けて参りたいと存じます。第二点の医薬品の問題でございますが、医薬品の特質に鑑み、安全で有効な医薬品を供給し得るよう公的規制を加えており、薬価基準につきましても、市場価格の下落を反映して年々引き下げが行われているところでございます。しかし医薬分業の問題、根本的な問題もございますので、十分検討のうえ、結論を出したいと思います。

 公的年金の併給問題について、堀木訴訟の件について御指摘がございました。御承知の通り、一審で決定しないということで控訴は致しておりますが、問題は別と致しまして、障害福祉年金受給者に対する児童扶養手当の併給問題、これは児童扶養手当についての併給が可能になるよう措置すべきであろうという方向で検討致しております。老人対策につきましては、寝たきり老人に対する援護、就労の場の確保等、十分なる措置を必要とする訳でございますし、医療の無料化等も必要でございますが、堀さんの御指摘は、電話を一台ずつつけたらどうかということでございます。この問題に対しては、まだ十分検討致しておりませんが、せっかくの御指摘でございますので、検討してみたいと思います。

 円対策について、貿管令の発動だけでは実効を上げ難い、輸出税を徴収すべしという御指摘でございますが、これは、政府もこの問題に対して検討致しておったのでございます。ただ、先般の円対策につきましては、輸出課徴金につきましては、引き続いて検討しようと云う立場をとっております。それはなぜかと申し上げますと、西ドイツ等で輸出課徴金制度等を実行したのでございますが、そういう制度をただ実行すると、来年たつと、そのままその部分が平価の切り上げに繫がるというようなこともございましたので、学問的にももう少し検討を必要とするというのでございます。ただ、貿管令の発動というものと輸出課徴金というのは、裏腹の問題でもありますので、これらの問題は、政府、業界におきましても検討を継続しておるということで御理解をいただきたい、こう思います。角をためて牛を殺すということになってはならないのであります。(拍手) これは理論だけを追うことに汲々として、三ヶ月後、半年後に輸出課徴金、輪出税というものが、そのまま円平価の切り上げに繫がるということになってはならないのです。(拍手)

 税の問題に対しての御指摘がございました。法人税は優遇に過ぎるのではないかということでございます。45年度から1.75%の付加税率を徴しておりますので、御指摘の通りでございますが、現在、国税、地方税を合わせて実効税率は45%強になっておる訳でございます。法人税負担のあり方等は、税の全ての問題と合せて検討しなければならぬ問題でございます。直接税、所得税中心から、間接税にどの程度ウェートが変えられるのかというような、税の根本的問題と、時の財政事情等を勘案して検討すべき問題でございます。これはもう堀さん専門家として十分御承知の件でございますので、以上申し述べておきます。

 交際費税につきましては、逐年強化をして参りましたことは、御承知の通りでございますが、来年3月末に現行制度の適用期間が到来を致しますので、大蔵省を中心にして検討を進めております。配当控除につきましては、15%から12.5%に、そして来年から10%に引き下げられることになっておる訳でございますので、これ以上の問題は、税全般の中で勉強すべき問題だと思います。税は検討を必要とするのであります。

 それから政治資金規正法につきましては、せっかくの御指摘がございましたけれども、改正案は、国会に間々提出をされ、廃案になっておる経緯がございますことは御承知の通りでございます。選挙制度、それから政党の問題、政党の在り方、金のかからない選挙等々、今選挙制度審議会で御検討いただいておりますので、その結果を待ちたいと思います。選挙区の是正の問題は、長いこと問題になっておることでございますが、これは、選挙制度をどうするかという問題と定数という問題を切り離してはなかなかできないのでございます。一回、大都市の幾ばくかの選挙区に対して、定数を是正した経緯もございますが、現在選挙制度審議会に於いて審査中でございますし、また、衆参両院を通ずる根本的な選挙制度改善、定数問題、こういうことで検討が続けられておる訳でございますので、この結果を待っていただきたい、こう思います。

 それから、出稼ぎの実態、出稼ぎの投票参加というものに対しては、これは輸送の問題、有給休暇の問題、外国の事例等、さらに勉強する必要があると思いますが、不在者投票制度が積極的に活用が図られねばなりませんし、今の制度は少し面倒な気も致します。これは、お互いがこれらの問題に対しては十分承知しておる問題でございますので、出稼ぎ等が投票に参加できるように最善の道を開くべきだと考えておる訳でございます。以上。(拍手)

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2011年12月 8日 (木)

1972.10.30日、衆議院における自由民主党・桜内義雄の質問に対する田中首相答弁

 桜内君にお答えいたします。

 まず第一は、日米経済関係の真の姿を理解する為、日米関係の改善に一層努力をする必要があるという御指摘でございますが、まさにその通りでございます。戦後四半世紀の状態を見るまでもなく、日本の安全は、日米安全保障条約という重要な協定によって確保されておるのでございますし、日本の戦後の経済復興は、ご指摘の通りのような経緯を経て今日の繁栄を迎えておるのでございます。特に貿易は、輸出入とも30%のシェアを占めるという重要な状態でございますので、日米間については、常に十分なる理解と意思の疎通を図っていかなければならないと思います。そう云う意味で、前回のハワイ会談の際、私は、日米両国の間に間断なき対話の必要性を強調して参った訳でございます。

 なお第二は、日米安保体制は日本だけの問題ではなく、自由諸国家にも深い関係があり、一部反安保の批判的行動があることは遺憾であると云うことでございますが、誠にその通りでございます。安全保障条約というものは、誰を守るのでもなく、お互いを含めた日本の安全保障の為に存在をするのでございます。でございますので、これが必要性と云うものは、常に国民皆さんの中で理解を求められなければならないことは当然でございますが、しかし、日本の安全は、ただ日本だけの状態で確保できない。極東の、アジアの、世界の平和の中に大きな関連があることを十分理解をしなければならない、こう思うのでございます。

 でありますので、先ほど私は成田君に答弁を申し上げたように、質問があったからその部分に対してだけお答えをするというのではなく、そんなに異論があるにも拘わらず、自由民主党も内閣も現安保体制を守っていかなければならぬというには、それなりの理由があるからであります。そういう理由を十分国民各層にご理解を賜るということでなければならない、こう思うのであります。(拍手)
 
 それから第三は、経済大国日本が軍事大国にならないかという問題でございますが、経済大国になりますと政治大国になるということは、これはもう当然でございます。日本が経済大国である。即ち、日本の輸出上の動向によって世界の情勢に影響を与えると云うことでありますから、好むと好まざるとに拘わらず政治的な影響を持つことは避けがたいのでございます。しかし、軍事大国にはならない。これは憲法が明定をしておるのでございす。国際紛争に対して日本は武力をもって解決できない、こういう大前提があるのでございまして、憲法を守ろうということを言う人は、特にこの事実を理解すべきでございます。(拍手) でありますから、日本の防衛力がどのような状態になろうとも、侵略的なものとか軍事的な大国と云うものには絶対に無縁のものである、日本を守るという全く防衛一筋のものであるということを理解すべきでございます。(拍手)

 日台関係が第四点でございますが、日中国交正常化の結果、我が国は台湾との間の外交関係を維持できなくなりましたが、我が国と台湾との間に民間レベルで人の往来、貿易、経済等の実務関係が存続していくことは、いわば自然の流れでございます。政府としては、これら各種の民間交流が今後とも従来通り継続されて行くよう配慮して参りたいと存じます。

 次は、日ソ平和条約交渉についてでございますが、日ソ平和条約交渉については、1月、グロムイコ外務大臣が来日した時に、今年の秋口から交渉を進めたいと云うことでございます。この申し出を踏まえて、過日大平外務大臣が訪ソ致した訳でございます。そうして日ソの間には第1回の交渉が持たれた訳でございます。第2回以後の交渉は来年の春以降ということになっておる訳でございます。でございますので、大平訪ソはこの日ソ平和条約交渉の第1回交渉と云うことになっておる訳でございます。

 なお、その状態における北方領土問題に関するソ連の原則的立場というものでございますが、これは報道されるような少しかたい状態ではございますが、しかし、この問題が平和条約交渉において話し合われることまで否定すると云う態度は示さない。新聞に報道される通り、次には領土問題は問題となり、議題となるのだということを理解していただきたいと思います。しかし、ソ連側の態度は依然としてかたいものがあるということを前提にしてでございますが、政府は、国民的な願望を背景にして、これが返還実現の為に粘り強く、忍耐強く交渉を続けて参るつもりでございます。

 日ソ経済提携、シベリア開発等に対する見解を述べよということでございますが、日ソの間には一年間に約10億ドルの交流がございます。これは年々大きくなりつつございます。なお、シベリア開発、チェメ二の石油開発等を中心にして、六つ、七つの明確なプロジェクトを今検討致しております。これらの問題につきましても、現在は、検討をしておるものもございますし、もうすでに三つばかり片付けたものもございます。内容が固まり次第、国益に沿うものであればその実施に協力して参る、日ソ経済関係は段々と大きくなる、こういう状態でございます。

 それから、日中国交正常化後の国際的な我が国の使命、国際的な地位等でございますが、これはご指摘にある通り、日中の国交の正常化というものは、国際的にも我が国の外交を世界的な広がりというようなものに結び付けたものだと考えるわけでございます。また、先ほども申し上げましたように、経済的に大きな立場を持つ日本でありますので、政治的にも国際的な地位は段々と向上すると共に、国際的に日本の立場や義務も大きくなってまいるということでございます。我々は、平和を主軸として経済的な面から国際協調、拡大均衡というものを押し進めて行く為に、新しいジャパンラウンド、ニューラウンドを提案しておるような状態でございます。

 それから、インドシナ復興に対してはどうするのかということでございますが、これはインドシナ問題が解決することが望ましいことは申し上げるまでもないということでございます。このインドシナ戦争が終われば、日本も民生の安定等に対して可能な限り十分な協力をして参りたい、こう考える訳でございます。これは具体的方策としては、国際的な協力、国際機関を通してというようないろいろな問題がございますが、関係各国との意見も十分調整をしながら、友好的な援助を実施たいと考えております。

 それから、国防についての問題は先ほど申し上げた通りでございます。これは、世界の国々の国防費の状態等先ほども申し上げましたが、やはり、私もこの際申し上げたいのでございますが、ただ、四次防が三次防の数字に於いて倍であるとか、そう云うような意味でもって御質問また非難をされると、それはしかし、三次防の最終段階に於ける46年度から47年度の予算を見ると、今度の四次防の第一年度の金額が8千億でございます。8千億の5年と云うと、今年の予算をそのまま延ばしても、5、8の4兆円になるんだ、そういう答弁になるのであって、私はそういう発言はというものはあまり納得する問題ではないと思うのであります。

 140も国があるのです。その中で、緊張をしておるところの国は別でございますが、全く緊張をしておらないような平和な環境の中にある国でも、一体どのくらい国防費や防衛費を計上しているのか。だから、日本の現行憲法のように全く世界に類例のないものをつくろうという考え方とか、しかも無防備中立がいいんだという前提に立っての考え方とは、我々の考えは合わないのです。どうしても合わないのです。(拍手、発下する者多し) ですから、本当に考えるならば、平和な国であると云うニュージーランドや、それから大洋州のオーストラリアや、スウェーデンやノルウェーや、そういう国々は一体どの程度の国防費を持っているのかと云うことと、まじめに比較をすべきなのであります。これは私が申し上げるのは、自民党と社会党の問題じゃないのです。日本人全体を守らなければならないのが国防であり、防衛であると云うことで、私は、感情とか、過去の行きがかりとか云うものは全然別にして、新しい立場に於いて日本の防衛は論じられるべきである、こう考えております。(拍手)

 それから、青少年の問題でございますが、日本の今日の青少年は、幸いにして戦禍を知らず、日本の目覚ましい復興を目の当たりにしてこられた世代であります。私は、これら青少年諸君が、平和国家として発展を遂げている我が国の防衛に大いなる気概を持ちあわせておると確信をしておるのでございます。

 次に、全国的な土地利用計画の問題と日本列島改造について御発言がございました。日本列島改造というのは、私が常に申し上げておりますように、これはただ一つの政策として述べておるのではないのでございます。明治初年から百年間、90%あった一次産業人口は、今年15.9%になりました。なぜ90%もあった一次産業比率が15%台になったかと云うと、一次産業から二次産業、三次産業へと人口が移動したのであります。その過程に於いて、農村や漁村や山村の人口は減って、都市に人口が集中して参ったのであります。人口が二次産業、三次産業に移動する、即ち、二次産業や三次産業比率が高くなるという過程に於いて、国民総生産と国民所得は増大して参りました。ところが、百年経った今日、都市集中のメリットとデメリットというものは殆ど同じくなった。これからはデメリットの方が大きくなるんじゃないかという風に考えられるようになりました。

 それは公害であります。それはうんと大きな投資をしても、なかなか交通問題は解決しないということであります。幾ら住宅を作っても、都市に集まる人よりも、住宅を作る数のバランスが取れないと云うことでございます。北海道に対する鉄道は、キロ当たり3億5千万円で済むものを、東京や大阪の地下鉄は、キロ当たり75億円かかってもできない。やがてキロ当たり100億になる。しかもその北海道の鉄道は、赤字だと云うのではなく、―初めから建設費の2分の1を補助してもなお大きな都市の地下鉄の運賃だけではペイしないという状態が起っておるのであります。(発言する者あり) だから、まず静かに考えていただかなければならぬのは、誰がやったか、現状をどうしたか、じゃありません。現状をどうしなければならぬのかというのが政治の責任であります。(拍手) そう云う意味で、都市集中の過程に於いては、月給が上がったり、国民所得や国民総生産が上がると云うメリットはあるのです。同時に、今度は公害を除去しなければならないと云うようなデメリットがあるのです。そう云う意味で列島の改造が必要だと述べておるのでございます。

 皆さん、土地の価格を引き下げるとすれば、根本的な問題は供給増やすよりないのであります。供給を増やすにはどうするか。列島改造以外に解決の道はない、こういうことでございます。(拍手) しかも、列島改造が行われることによって、既存の都市は理想的なものに改造せられるのであります。(拍手) その意味で、全国的な土地利用計画が必要であるということは申すまでもないことでございます。これは今列島懇談会でも検討致しております。日本人のあらゆる英知を傾けて、60年展望、65年展望、70年展望という長期的な視野に立って、土地の全国的利用計画を定めて参りたい、こう思います。(拍手) それから、土地利用の問題ばかりではなく、土地の利用規制の問題、また、現に行われておる投機的な問題に対する税制上の問題、抑制等十分に配慮して参ります。

 次に、物価問題でございますが、御指摘の通り、消費者物価は今年度は4%台に推移をする状態でございますが、卸売物価が遺憾ながら上昇過程にあります。ただ、その内容を見ますと、鉄鋼、繊維、木材等が値上がりをしておるのでございますが、鉄鋼に関しては不況カルテルの問題もございます。なお、繊維、木材については海外市況の問題がございます。これらの問題については十分な抑制が可能だと思いますけれども、この問題に対しては、一層注意深く見守り、適切な処置をとって参ります。ただ、消費者物価の問題については、いろいろ云われますけれども、私は、ここで率直に申し上げると、消費者物価の異常の高騰の直接の一番大きな原因は何か。これは、一つは都市に過度に集中をしておるからであります。過度集中というものが解決しない限り、物価の根本的対策にならないということが一つあります。

 第二の問題は労働賃金の問題であります。低生産性部門の産業も一律に、生産性の高い産業と同じように賃金が引き上げられるという問題が物価に大きな影響を持つことは、これは避けがたい事実でございます。(拍手) こういう問題も、流通機構の整備、自由化の促進、また構造改善等々十分な配慮によって対処して参りたいと思います。年金の改善問題に対しては、先ほど申し上げた通りでございます。また、社会保障の問題についても先ほど申し上げましたので、細かくは申し上げませんが、心身障害者の問題、また重度心身障害児や非常に重い病気を持っておる方々、難病、老人の病気等に対しては特に配慮して参りたい、こう思います。年金の問題、一つだけ申し上げると、最も重要なものは、老人年金に対しては、少なくとも積極的な姿勢を示さなければならない、こう考えております。

 それから、大型補正予算につきましては、インフレ予算との批判もございますが、これは、今回の景気回復は財政支出と個人消費を中心にしたものでございますので、在来のような状態でインフレ予算と考える必要はないと思います。また、インフレを招くとは考えておりません。しかし、物価動向につきましては、今後とも十分に配慮し、経済運営に全きを期して参りたいと存じます。

 それから、円の切り上げ問題でございますが、これは昨年の暮れに初めて多国間調整が行われ、円平価の調整が行われました。しかし、これだけの大きな問題でございましたが、必ずしも初期の目的を達成してはおらないということでございます。でございますので、今度のIMF総会に対して我が植木大蔵大臣も演説をした訳でございますが、シュバイツァー専務理事が、日本に対してだけ円平価の再切り上げを求めない、こう云われたのは、求めるようなことによって全てが解決できないと云うことを端的に指摘しておる訳でございます。

しかし、円平価調整と云う大きな事態があったにも拘わらず、日本はその後依然として貿易収支は黒字を続けております。今度は、このような状態に於いて、よそからの圧力、よそから求められるというだけではなく、日本だけが貿易収支、経常収支の大幅な黒字を続けておると云う状態で、各国の理解や協力が得られるはずはないのであります。新しい国際社会の中に於ける日本として、日本自身の英知と努力によって、少なくとも三ケ年以内には経常収支をGNPの1%以内に押えなければならない。こう申し上げておるのでございまして、円の再切り上げ問題と云う問題は、もっと新しい角度から見なければならない問題だと思います。

今円平価を切り上げられて、中小企業はこれに耐えられるはずはありませんし、中小企業だけではなく、それは利益もなし、影響するところだけ非常に大きいということであって、平価の再調整を避ける為にも、あらゆる政策を進めなければなりません。その意味で、今度の補正予算もお願いをし、国際収支対策も議会でお願いをしておる訳でございます。(拍手)

 総合農政の問題につきましては、これは総合農政、新しい国際的に競争できるようにと云いますが、それは理想であって、現実的には一歩ずつ総合農政を進め、適地適作等をやって参らなければなりませんが、ここで一言申し上げる問題は、日本の農村というものが純農政だけでやっていけるのかどうかという問題であります。これは、与野党を問わず考えていただきいのは、結局先ほども申し上げた通り、百年間に90%の一次産業人口が15%台に減ったのです。しかし、今なお減反政策を必要とするのでございます。その意味で必要なのは、申すまでもなく、これから15.9%という一次産業比率は10%、なお減るのでありましょう。

 この二次産業や三次産業に転出をしなければならない一次産業人口をそのまま都市に集めるとなると、これは物価問題とか土地問題というものが破局的になると考えなければなりません。そこで考えたのが、与野党一致で通した農村工業導入化なんであります。それだけではありません。新産業都市建設法であり、地方開発を必要とするのはそういうことなんであります。ですから、一次産業人口からはじき出されるであろう、二次産業、三次産業へ移動しなければならないと云う人たちに、農村工業導入法や工業再配置法によって職場を与えよう、そして農工一体と云う新しい時代をつくらなければ―そこが本当に日本の農政のポイントであります。農業自体を専業農家と兼業農家というものに分けながら、どのような理想的な姿をかくかということでなければならない。それは、例を引いて申し上げると、返還された沖縄に、二次産業と三次産業の比率を上げなければ、沖縄の県民の所得は増大しないという事実を見れば、何人も否定できない事実であります。(拍手)

 中小企業の問題は、今も申し上げましたように、円平価の問題に徴しても重大な問題であり、国際競争力に耐え得るような中小企業の育成に努力をして参ります。なお、新産業都市の建設、内閣機構の強化、行政機構の再編成、法制制度、慣例等の見直し、新しい政策を遂行し、責任政治を担う為に果たさなければならない幾多の問題に対して御指摘がございましたが、この問題に対しては、また予算委員会で詳しく申し上げることにします。以上。(拍手)

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2011年12月 6日 (火)

1972.10.30日、衆議院における公明党・竹入義勝の質問に対する田中首相答弁

 竹入君にお答えいたします。

 まず第一番目に、日中正常化と国民世論の成果について申し上げます。ご指摘の通り、日中国交正常化は、国民世論の強力な支持のもとで政府が努力をしたから実現したものでございまして、先ほども申し述べましたが、多年にわたって日中関係の改善と交流の促進の為に努力をしてこられた方々に対して、重ねて敬意を表するものでございます。日中共同声明はなぜ国会の承認案件としないのかということでございますが、先般の日中共同声明は、政治的には極めて重要な意味をもつものでございますが、法律的合意を意味する文書ではなく、憲法に云う条約ではございません。この共同声明につき国会の承認を求めないということでございます。しかし、この日中共同声明につきましては、事柄の性質上、非常に重要な内容も含んでおりますので、国会に於いて十分ご審議を願いたいと考えております。

 アジアの平和構想を確立する為、日米安保を解消し、非軍事的な日米友好条約を結んではどうかという御発言でございますが、毎々申し上げております通り、日米安全保障条約は、日本の安全と独立を確保する為に必要なものとして、これを廃棄するとか変更するとかという考えは全く持っておりません。しかも、日中の国交回復につきましては、これは日米安全保障条約というものと関係なく日中の国交の正常化が行われたものでございまして、日中の国交正常化が行われたから、安全保障条約を別なものに変えなければ親善友好の関係が保てないというものでは全くない訳でございます。極東の範囲につきましても、台湾条項につきましても、先ほど申し上げた通りでございまして、これを変更する必要はない、こういうことを基本的に致しております。

 日中国交正常化の結果、台湾との問題についてのご質問がございましたが、日中正常化の結果、我が国が台湾との外交関係を維持し得なくなったのはご承知の通りでございますが、政府としましては、台湾と我が国との間の民間レベルでの交流を今後ともできる限り継続をして行くということを希望しておりまして、これが為に必要な措置を講じつつあります。それから、日中国交正常化の結果として、日華平和条約は終了したものと認められるので、同条約第3条に於いて予想されていた特別取り決めによる日台間の財産、請求権問題の処理は行えなくなったのでございます。
 
 それから、アジアの不安定要因はどこにあるのかということでございますが、これは安定をしておって、全てをなくするような状態にないということを申し上げておるのであって、これはよくお分かりになると思います。これは今平和な方向に向かっておりますが、ベトナムにも問題はございます。南北朝鮮も、話し合いの機運の中にはございますが、纏まったという状態でもございません。いろいろな問題があることは、今日中の国交の正常化ということが行われただけでございまして、まだまだ東南アジア諸国だとか、また、中国とアメリカとソ連の利益も完全に一致はしておりません。このようなことは十分ご理解いただけることだと思う分けでございまして、アジアの不安定要因はこれとこれでございますというように言えるものでないことは、ご理解いただけると思います。

 開発途上国に対する援助についてでございますが、これは御承知の通り、GNPの1%を主要工業国は援助することになっております。日本の実績から申し上げますと、もう既に0.96%ぐらいになっておりますので、申し合わせのGNPの1%にはなる訳でございます。しかし、問題は質の問題でございます。政府ベースの問題が問題になっておりますが、去る日のUNCTADの会議に於いて、愛知我が国代表は、70年代末を目標にして、この現に0.23%である政府ベースの援助を0.7%まで引き上げたいということを申し述べたわけでございます。実際、0.7%まで拡大できるのかどうかという南北問題に対しては非常に大きな貢献ができるわけでございます。実際、0.7%まで拡大できるのかどうかという現実問題が議論せられておることはご承知の通りでございまして、アメリカでもGNPの0.7%政府援助を行えるかどうかということでございますから、この問題が如何に大きいかと云うことはご理解いただけると思います。この0.7%ないし8%というのが、くしくも日本の防衛力に必要な金額と大体同じなのでございます。ですから、水田前大蔵大臣は、0.7%とやすく言うけれども、日本の自衛隊と同じような金額を開発途上国に提供しなければならないというのであるから、これは相当腹を決めてかからなければならないことでありますと、こう述べておるのは、その間の事情を申しておるわけでございます。

 そういう意味から申しますと、人の為にもやらなければなりません。日本は国際的の中で当然信頼される日本にならなければなりませんし、貿易中心の日本でありますから、当然開発途上国に援助もしなければなりませんが、同じように、人にも援助をしなければならぬが、自分の生命、財産を守る為にもこの程度の金は使わなければならぬ、こういうことにもなる訳でございます。(拍手) そこらをひとつ、日本の防衛費とこれからの国際的援助という問題とのバランスを考えると、―バランス問題じゃありませんが、やはり真剣に検討すべき民族的課題である、こう思います。(拍手)

 自主・等距離・中立外交のお話がございましたが、アジア諸国との中立、平和、連帯の為の構想、アジア太平洋平和会議と云うようなものの提唱についての御発言がございました。我が国は、政治信条、社会体制のいかんに拘わらず、全ての国との友好的関係を維持して参りますが、そのことが即等距離・中立の外交とはなり得ないのでございます。あくまでも自主外交でありますが、構造的に見ても、量的に見ても、我が国の平和外交は自由主義陣営の一員として、これと密接な関係の上に立って進めることが、より効率的であると考えておるのでございます。その意味で、アジア太平洋地域に於いて平和な国際環境づくりの為の提案が為されるならば、これは十分検討するにやぶさかでないということでご理解をいただきたい、こう思います。

 日ソ平和条約につきましては、先ほどもお答えを致しましたが、既に開始をされており、去る日、大平外務大臣がモスクワを訪問した時に第1回の怪談が行われ、第2回会談以後は来春を期して行われることになっておるのでございます。なお、御指摘ががございました四つの島々、歯舞、色丹、国後、択捉、この四島につきましては、これは日本人の悲願であります。でございますので、御指摘の通り、この四島の祖国復帰を前提として粘り強い交渉を続けて参りたいと存じます。ご声援のほどを切にお願いをいたします。(拍手)

 朝鮮問題についての御発言がございましたが、これは、現在の時点としましては、南北朝鮮の対談と云う事を特に歓迎を致しておりますということでご理解をいただきたい。それから、緊張緩和のもと、四次防というのは撤回しなければならないじゃないかということでございましたが、これは先ほど申し上げた通り0.7%。GNPに対する金額でございます。これと匹敵するものでございますし、この四次防というものは、三次防と比べてみると非常によくわかるのでございます。これは三次防の事実上の延長でございます。四次防の初年度である今年の防衛庁の費用が8千億でありますから、これを五ケ年間そのまま延ばすと5、8の4兆円でございます。それに6300億円というものをまずおおよその目途として付加しておるということでございまして、内容を仔細に見ていただけると、これはもうこの程度のものは最小限必要であるということが御理解いただけると思いますし、この程度のものを持っていることで、アジアの国々が脅威を感ずる、そんなことはありません。そんなことは絶対ありません。

 なお、なぜこれほどの軍備増強をするか、日本に対する脅威の実体とは何かとか、自衛力の限界を示せ、兵器国産化は産軍複合体の危険がある、兵器輸出禁止法をつくったらどうか、こういういろいろな御指摘をいただきましたが、我が国国防の基本方針は専守防衛を旨とするものであり、四次防は、アジアの緊張を高めるような軍拡や軍備増強の計画では全くないと云うことは先ほど申し上げた通りでございます。

 現在、我が国に対する差し迫った侵略の脅威は存在せず、我が国を廻る情勢は好ましい方向に進んでおります。しかし、限定的な武力紛争の生ずる可能性を否定することはできないということは、先ほど申し上げた通りでございます。四次防は、我が国が自衛のために必要とする最小限の防衛力を整備していく過程のものとして策定したものでございまして、防衛の限界を定めなければ計画の立案ができないという性質のものではない訳でございます。しかしながら、我が国の防衛力は、一次防以来の各防衛力整備計画によって逐次充実されており、今後どこまで伸びるかという問題に答える必要はあると思いますので、おおよその整備目標を検討するよう防衛庁に指示をしてある訳でございます。

 それから産軍複合の問題でございますが、我が国の工業生産に占める防衛生産の比率はわずかに0.4%でございます。そう云う意味から考えまして、まぁ飛行機等の別な部分は別でございます。防衛庁生産以外にない飛行機のシェア等は別にしまして、防衛生産と純工業生産と云うものとの比率を考えると、0.4%というものであって、世界各国等の例に徴してもこれが産業癒着というようなものでないということはもう申すまでもないのでございます。(拍手)

 それから、兵器輸出禁止法案というものの提出と云うことは、間々問題になっておる問題でございますが、兵器は輸出しないという三原則を十分守っておりますので、その後、法律案として必要があるかないか、これはまた状態を見てまいらなければならない問題だとして御理解をいただきたいと思います。

 政府は、沖縄国会の決議に基づき、基地の整理縮小に取り組むべし、御指摘の通りでございまして、過去長いことかかって、皆さんのご協力も得て、基地は段々整理縮小、合理化の段階になっておる訳でございます。この後も整理統合に努めてまいりたい、こう思います。真剣に整理縮小の為に関係各省で検討し、また米軍とも相談をして参りたい、こう思います。

 それから経済政策についてでございますが、まず、経済政策の根本的な問題を申し上げますと、今までは確かに御指摘の通り生産第一主義と云われてもやむを得なかったんです。それは、30年代の国民所得の状態や国民総生産の状態を見れば数字的に明らかでございます。初任給8千円などという問題が国会で大きく問題になったのでございます。まず生産を上げ、給与を上げなければならない。こういう大きな大前提がありましたので、国民所得増大の為には、やはり生産を前面に押しで出しざるを得なかったわけでございます。しかし、その結果、ようやく国民所得は西欧諸国と比肩するような状態になったことは御承知の通りでございます。そう云う意味で、生産については生産第一主義から生活第一主義に、重化学工業から知識集約的な工業に移らなければならない、こういうことを政府は大きく国民の皆様の前に出しております。ただ、そういう過程における社会福祉の問題は西欧に比べて非常に少ないじゃないか、その通りであります。

 社会福祉というのはどういうことかと云うと、まず国民所得を上げることが第一であります。その次には、生きていかなければならない、生活していかなければならないという前提に立つ社会資本の不足を補い、我々の生活環境を整備するということが第二なのであります。そうして第三は、必然的に社会福祉の拡大へと繫がって行くのであります。我々は、しかし、今第一の国民所得の平準化というものを為し遂げつつございますが。まだ自分の家の問題やいろいろの問題と合せて社会保障を向上せしめておるのであります。その意味で、社会的蓄積の多い西欧諸国に比べて、今社会保障費が低廉であるということは、今まで事実でございますが、今度は先ほどから御指摘にありますように、国際収支も黒字でございますし、ようやく我々もこれから本腰を入れて社会保障と取り組めるような前提ができたというのであります。成長を確保せずして、所得を確保せずして、その前提がなくて社会保障の拡大ができるはずがありません。(拍手)

 そういう意味で、これから社会保障の理想的な姿を描き、強力に進めなければなりません。(拍手) まず、御指摘がございました、西欧より低いが、西欧並みにする為に全力を傾けるかということでございますが、当然のことでございまして、ある時期には西欧を上回るように、地球上の最大の目標に向かって努力を進めなければなりません。(拍手) しかし、ここで申し上げるのは、社会保障の拡大は必ず生産の向上、国民所得や国民総生産のコンスタントな向上と云うものを前提にしていくから、初めて大きな理想的な社会保障体制ができるのだということを一つ十分ご理解いただきたい。

 それから社会保障に対して年次計画を作るか。これはつくらなければなりません。ただ、ここで、与野党を問わず申し上げておきたいのは、やはり西欧諸国の社会保障を見ましても、イギリスの社会保障でも、その国の状態を見まして、必ずしも日本がそのまま真似ができるものでないということは御理解いただけると思います。日本には日本に最も理想的な社会保障が確立されねばなりません。そういう意味で、私は昭和60年展望に立った全国の列島改造論を前面に押し出し、理想的な青写真をかいて、それを前提にして社会保障の年次計画ができあがるということを申し上げておるのでございますから、まじめにご検討賜りたいと思います。(拍手)。

 それから、老齢年金の拡充を来年重点的に行うということは先ほど申し上げましたが、竹入さんは、年金の引き上げは明年から大幅に引き上げるのではなく、昭和60年から実効をあげのだという風に御指摘ございましたが、これは明年からできるだけ年金は引き上げて行くということでありますので、この点は一つ誤解のないように御理解を賜りたい。

 それから、公害問題につきまして申し上げますと、公害は、これはもう公害を除去する為にいろいろな政策を行っておる訳でございます。私は、公害問題はこの二、三年間に大きな問題になってきた訳でありますが、先進工業国と比べて日本は、制度、いろいろな問題に取り組むに対しては非常に積極的であるということだけは言い得ると思います。ただ、先ほども申し上げましたように東京、大阪、名古屋と云うような拠点に過度に集中を致しておりますのと、四日市やいろいろな過密な新しい拠点に複合公害というものが起っておるのでございますので、このような轍を踏んではならない。今過密のものは地方に段々と疎開をしなければならないし、新しいものは新しい立地にによって建設をしなければならない。そして工場が増えることが公害の拡散だなどと考えておることは、もう問題にならない議論であります。(拍手) それは、工場をつくれば全部公害の拡散だという考えで、もうそれは論議以前の論議でございます。(拍手) それは公害基準、立ち入り検査というようなものを強くすることによって、公害は防除できるのです。また、公害は防除しなければならないのであります。だから、排出基準を厳しくすることによって、そして工場法をつくる等によって、環境は整備され、公害のない生産は拡大をするのであります。(拍手)

 また、無過失賠償責任制度につきましては、民法の過失責任の例外を為すものございまして、無過失責任を典型公害の全てに適用するかどうかにつきましては、今後引き続き検討して参りたいと存じます。それから、御指摘ございました自動車の排気ガス規制につきましては、規制の抜本的強化を図る方針であり、昭和50年度以降、世界で最も厳しいアメリカのマスキー法による規制と同程度の規制を行なうことと致しております。従って、自動車メーカーに対しては、その方針に適合する自動車を早急に実現させるよう、今後さらに一層指導、助成を強化して参りたいと存じます。

 土地問題について申し上げますが、最近の金融緩和を背景として法人による投機的な土地買い占めが進行しております。このような投機的土地取引を抑制するため、税制上の処置については現に検討致しております。それから、全国の土地利用に対する基本法を作れということでございますが、これはもう一日も早く作らねばならぬのでございます。これは都道府県知事及び市町村を中心にして全国土地利用計画ができるとすれば、土地の供給量はぐんと増える訳でありまして、そういう根本的、抜本的な制度が土地問題の最も基本にある政策でなければなりません。その意味で、全国的土地利用計画に対する基本法の制定に対しては、皆さんのご意見も十分斟酌致して早急に立案を図って参りたい、こう考えます。

 それから、土地投機を行った法人の利得を制限するようにというような問題、これは税制上の問題について可能な限り措置をすべく今検討を致しておるのでございます。それから、千㎡、即ち300坪以上の土地の売買を禁止するという一つの提案。これは提案としては理解できますが、ただ反面、土地の取引件数や面積から見て、これをやるとすると膨大な機溝と予算、人員を伴うという問題もありますので、かかる問題は慎重に検討して参らなければならない問題だと思います。

 それから、道路、公園、学校等の公共用地につきましては、本年の12月1日から公有地の拡大の推進に関する法律が適用され、先買い制度が施行される訳でございますので、効力を発すると思います。土地の保有税等に対しても、今鋭意検討致しております。

 それから、物価の問題に対して申し上げますと、卸売物価は確かにこの2、3ケ月、対前年比上昇しております。ただ、内容を仔細に検討しますと、先ほども申し述べましたように、鉄鋼、繊維、それから木材等でございます。鉄鋼は、カルテルの問題がございますので、このカルテルをどうするのか、これはもう、当然この問題は処置しなければならない問題である。また処置することによって、今の消費者物価にはね返っておる面は十分是正できるという考えに立っております。それから繊維及び木材は海外市況の影響でございますが、これは処置できるという立場に立っております。しかし、卸売物価が今まで世界に類例のない横ばいを続けておったにも拘わらず、一面ではございますが、このような状態になっておる現況に徴し、推移を十分注視しらから適切なる措置をとって参りたい、こう考えます。

 それから公共料金の抑制、これはもう厳に抑制をして参りたいというのが答弁でございますが、ただ問題は、公共料金というようなものは普通から云うと応益負担が原則でございます。応益負担が原則であるものを一般会計で賄う為に、市町村のバスや鉄道の赤字を全部一般会計で賄う為に、本当に市町村や国が為さなければならない業病とか難病とかいうものの患者を全部引き取るようなところに金が回せないというようないろんなものがある。だから、限られた予算の中で効率的に行うには自ずから取捨選択をしなければならないことは言うまでもありません。そういう意味で、公共料金の全面的ストップというのは政治姿勢としては当然貫かなければならないことでございますが、しかし、政府や地方公共団体が当面して国民に果たさなければならない責任と云うものの中で取捨勘案せられるものであるということは、ひとつ十分ご理解をいただきたい、こう思います。

 管理価格の規制に対して法制化を行ってはどうかと云う御指摘でございますが、本件に関しては、独禁法等の適用によって十分配慮して参りたいと存じます。最後に、調整インフレの回避の問題でございますが、調整インフレとは学問的なものでございまして、今調整インフレ政策をとるなどということは全くありませんので、御懸念のないようにいただきたいと思います。

 円対策は不十分ではないか。今度の国会の殆どの使命は国際収支対策でございます。この法律も、このご審議をいただいております予算も、ほとんどが円対策、国際収支対策といっても過言ではありません。しかし、去年の7月の7項目、8項目、今度の対策等、相当努力をして参った訳でございますが、本当にこれが万全であって、全ての国際収支対策になるのかということでございますが、全力を挙げて今の時点に於いて最善のものとしてご審議をお願いしている、こう申し述べる以外ありません。しかし、我々は、48年度予算編成に際しても、この国際収支対策というものが、お互いが望ましい日本、国際社会環境にあって最も信頼される日本とならなければならないと言っておりながら、こく国際収支対策が万全でなければ、全てが水泡に帰すという状態でございますので、困難な問題ではありますが、これは両3年の間にGNPの1%以内に経常収支の黒字幅を押さえられるまでに精力的に政策を進めて参らなければなりません。しかし、自由化や関税引き下げに対しても、大変面倒な問題があります。その意味では、与野党を問わず事実の上に立って御理解を賜りたいと思うのでございます。(拍手)

 それから、国際分業や産業調整という問題にお触れになりましたが、これは本当に重要な問題、日本の産業構造そのものを本当に根本的に考えないと、本当の国際収支対策にならないということは、もう御指摘の通りでございまして、政府も在野の英知を結集して、この問題に対しては勉強して参りたいと思います。

 最後に、政治資金規正法の問題でございますが、成田君にもお答えを申し上げました。政治資金規正法改正の問題については、政党政治の消長、我が国の議会制民主主義の将来に関わる重大問題でありますが、幾たびか改正法案が国会に提案され、廃案になった経緯があることは周知の通りでございます。先ほど申し上げましたが、重大な問題だからもう一ぺん同じことを申し上げておるのです。これを今日の時点に立ってみますと、金のかかる選挙制度、あるいは政党の在り方をそのままにして、これを具体化することにいろいろと無理があることを示しているように思われるのでございますが、お互いが工夫をすることによってはその方法も見出し得るものと考えられるのでございます。特に現在、政党本位の金のかからない選挙制度について、選挙制度審議会が鋭意審議致しておる時でありますので、このような情勢を踏まえ、徹底した検討と論議を積み重ねて参りたいと考えます。以上。(拍手)

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