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2011年12月10日 (土)

1972.10.31日、衆議院における日本共産党・不破哲三の質問に対する田中首相答弁

 お答えを致します。

 極東条項、台湾条項を廃棄せよ、沖縄―台湾間の米軍海底ケーブルを撤去せよというような御質問でございますが、日中両国間の国交正常化は、海底ケーブルの問題も含め、安保条約に触れることなく達成されたものであり、台湾が極東の範囲に入ることにつきましては、従来とも変わりがないのでございます。我が国は、台湾を中国を代表する政府として認めることはできません。が同時に、米国その他の諸国が台湾と有している関係を否認する立場にはない訳でございます。私は、日中国交正常化を実現し、中国側との相互理解を深めるため訪中したのでありまして、私の訪中がそれ以外の目的を有しないことは明らかでございます。従って、貴党に対する問題などは話題にしておりません。

 ベトナム和平に協力し、米軍の侵略に加担するな、ベトナム民主共和国、朝鮮民主主義人民共和国との正常化等についての御発言でございますが、ベトナム和平については、目下関係者が真剣な努力を重ねており、近くこれが実現するものと期待を致しております。事態が沈静化すれば、ハノイには本年初め、外務省の担当課長が訪問をしておることでもあり、北ベトナムとの往来は一層頻繁になるものと考えております。なお、朝鮮民主主義人民共和国とも、スポーツ、文化、経済と、段々交流を積み重ねておることは御承知の通りでございます。

 安保条約を廃棄せよ、沖縄の毒ガスを点検せよ、四次防を国会に諮れという問題でございますが、安保条約の目的は、間々申し上げております通り、我が国の安全を確保することにありまして、政府としては、これを堅持して参るつもりでございます。同様の理由により、四次防を撤回する考えもございませんし、四次防は重大な国防の問題でありますので、国会に於いてはもとより、広く国民各界各層に於いて議論をして行きたい、こう考えるのであります。しかも、防衛問題に対する国会の審議機関としては、各党にもお願いを申しあげておりますが、安全保障に関する常任委員会の如きものを設けていただいて、十分国会でご審議いただくのが正しいと考えておりますし、政府もそうお願いをしておるのでございます。御指摘の沖縄の毒ガスは、昨年五月に全てが撤去をされておることが確認をせられておりますので、念の為御報告申し上げておきます。

 経済政策につきまして申し上げますが、日本列島改造論の狙いは、福祉が成長を生み、成長が福祉を約束するという成長活用の経済運営のもとで、過密と過疎の同時解消、公害の追放、環境の保全、物価の安定などを勇断をもって行い、国民が安心して暮らせる、住みよい、豊かな日本をつくることにあるのでございます。なお、日本列島改造論は、御指摘にありました通り、46年5月、当時幹事長であった私の名前で発表した「統一地方選挙と我々の反省」に強調している政策の方向を発展させたものであることを御承知いただきたい、こう思います。

 それから、列島改造は、60年国民総生産を304兆円にすることを目的として、とお考えになっておるようでございますが、46年の国民総生産を基準にし、60年まで年率10%の成長を続ければ304兆円になるし、8.5%の成長を続ければ248兆円になるという、一つの目途を示した数字であることを誤解のないようにしていただきたい、こう思います。即ち、日本の持つ潜在成長率を数字で積算をし、それによって農業から転化しなければならない人員を吸収することも可能であるし、なお、我々の15年間に於いて国民総生産を4倍にすることも可能である、そう云う数字を前提にして、理想的な将来図を描く基礎数字として提供したものであることを御理解賜りたい、こう思います。

 公害、物価、社会保障について申し上げますと、汚染の原因者が公害防止費用を負担すべきとの考え方につきましては、我が国の制度は、既にそのような考え方をしておるところでございますが、公害防止には万全を尽くさなければなりません。また、発生源からの汚染物質の排出等の規制については、これを一層強化致しますが、さらに総量規制等、適切且つ合理的な規制方式を検討して参ります。物価安定の為には、日本列島合改造を始め、各種の施策を講じて参ります。また、独占禁止法の厳正な運用によって、不当な価格形成は排除して参りたいと存じます。また、年金の財政方式につきましては、直ちに賦課方式に移行するのではなく、現行の修正積み立て方式を、実情に即した配慮を加えながら維持していくことが適当だと考えます。以上。(拍手)

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