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2011年12月 6日 (火)

1972.10.30日、衆議院における公明党・竹入義勝の質問に対する田中首相答弁

 竹入君にお答えいたします。

 まず第一番目に、日中正常化と国民世論の成果について申し上げます。ご指摘の通り、日中国交正常化は、国民世論の強力な支持のもとで政府が努力をしたから実現したものでございまして、先ほども申し述べましたが、多年にわたって日中関係の改善と交流の促進の為に努力をしてこられた方々に対して、重ねて敬意を表するものでございます。日中共同声明はなぜ国会の承認案件としないのかということでございますが、先般の日中共同声明は、政治的には極めて重要な意味をもつものでございますが、法律的合意を意味する文書ではなく、憲法に云う条約ではございません。この共同声明につき国会の承認を求めないということでございます。しかし、この日中共同声明につきましては、事柄の性質上、非常に重要な内容も含んでおりますので、国会に於いて十分ご審議を願いたいと考えております。

 アジアの平和構想を確立する為、日米安保を解消し、非軍事的な日米友好条約を結んではどうかという御発言でございますが、毎々申し上げております通り、日米安全保障条約は、日本の安全と独立を確保する為に必要なものとして、これを廃棄するとか変更するとかという考えは全く持っておりません。しかも、日中の国交回復につきましては、これは日米安全保障条約というものと関係なく日中の国交の正常化が行われたものでございまして、日中の国交正常化が行われたから、安全保障条約を別なものに変えなければ親善友好の関係が保てないというものでは全くない訳でございます。極東の範囲につきましても、台湾条項につきましても、先ほど申し上げた通りでございまして、これを変更する必要はない、こういうことを基本的に致しております。

 日中国交正常化の結果、台湾との問題についてのご質問がございましたが、日中正常化の結果、我が国が台湾との外交関係を維持し得なくなったのはご承知の通りでございますが、政府としましては、台湾と我が国との間の民間レベルでの交流を今後ともできる限り継続をして行くということを希望しておりまして、これが為に必要な措置を講じつつあります。それから、日中国交正常化の結果として、日華平和条約は終了したものと認められるので、同条約第3条に於いて予想されていた特別取り決めによる日台間の財産、請求権問題の処理は行えなくなったのでございます。
 
 それから、アジアの不安定要因はどこにあるのかということでございますが、これは安定をしておって、全てをなくするような状態にないということを申し上げておるのであって、これはよくお分かりになると思います。これは今平和な方向に向かっておりますが、ベトナムにも問題はございます。南北朝鮮も、話し合いの機運の中にはございますが、纏まったという状態でもございません。いろいろな問題があることは、今日中の国交の正常化ということが行われただけでございまして、まだまだ東南アジア諸国だとか、また、中国とアメリカとソ連の利益も完全に一致はしておりません。このようなことは十分ご理解いただけることだと思う分けでございまして、アジアの不安定要因はこれとこれでございますというように言えるものでないことは、ご理解いただけると思います。

 開発途上国に対する援助についてでございますが、これは御承知の通り、GNPの1%を主要工業国は援助することになっております。日本の実績から申し上げますと、もう既に0.96%ぐらいになっておりますので、申し合わせのGNPの1%にはなる訳でございます。しかし、問題は質の問題でございます。政府ベースの問題が問題になっておりますが、去る日のUNCTADの会議に於いて、愛知我が国代表は、70年代末を目標にして、この現に0.23%である政府ベースの援助を0.7%まで引き上げたいということを申し述べたわけでございます。実際、0.7%まで拡大できるのかどうかという南北問題に対しては非常に大きな貢献ができるわけでございます。実際、0.7%まで拡大できるのかどうかという現実問題が議論せられておることはご承知の通りでございまして、アメリカでもGNPの0.7%政府援助を行えるかどうかということでございますから、この問題が如何に大きいかと云うことはご理解いただけると思います。この0.7%ないし8%というのが、くしくも日本の防衛力に必要な金額と大体同じなのでございます。ですから、水田前大蔵大臣は、0.7%とやすく言うけれども、日本の自衛隊と同じような金額を開発途上国に提供しなければならないというのであるから、これは相当腹を決めてかからなければならないことでありますと、こう述べておるのは、その間の事情を申しておるわけでございます。

 そういう意味から申しますと、人の為にもやらなければなりません。日本は国際的の中で当然信頼される日本にならなければなりませんし、貿易中心の日本でありますから、当然開発途上国に援助もしなければなりませんが、同じように、人にも援助をしなければならぬが、自分の生命、財産を守る為にもこの程度の金は使わなければならぬ、こういうことにもなる訳でございます。(拍手) そこらをひとつ、日本の防衛費とこれからの国際的援助という問題とのバランスを考えると、―バランス問題じゃありませんが、やはり真剣に検討すべき民族的課題である、こう思います。(拍手)

 自主・等距離・中立外交のお話がございましたが、アジア諸国との中立、平和、連帯の為の構想、アジア太平洋平和会議と云うようなものの提唱についての御発言がございました。我が国は、政治信条、社会体制のいかんに拘わらず、全ての国との友好的関係を維持して参りますが、そのことが即等距離・中立の外交とはなり得ないのでございます。あくまでも自主外交でありますが、構造的に見ても、量的に見ても、我が国の平和外交は自由主義陣営の一員として、これと密接な関係の上に立って進めることが、より効率的であると考えておるのでございます。その意味で、アジア太平洋地域に於いて平和な国際環境づくりの為の提案が為されるならば、これは十分検討するにやぶさかでないということでご理解をいただきたい、こう思います。

 日ソ平和条約につきましては、先ほどもお答えを致しましたが、既に開始をされており、去る日、大平外務大臣がモスクワを訪問した時に第1回の怪談が行われ、第2回会談以後は来春を期して行われることになっておるのでございます。なお、御指摘ががございました四つの島々、歯舞、色丹、国後、択捉、この四島につきましては、これは日本人の悲願であります。でございますので、御指摘の通り、この四島の祖国復帰を前提として粘り強い交渉を続けて参りたいと存じます。ご声援のほどを切にお願いをいたします。(拍手)

 朝鮮問題についての御発言がございましたが、これは、現在の時点としましては、南北朝鮮の対談と云う事を特に歓迎を致しておりますということでご理解をいただきたい。それから、緊張緩和のもと、四次防というのは撤回しなければならないじゃないかということでございましたが、これは先ほど申し上げた通り0.7%。GNPに対する金額でございます。これと匹敵するものでございますし、この四次防というものは、三次防と比べてみると非常によくわかるのでございます。これは三次防の事実上の延長でございます。四次防の初年度である今年の防衛庁の費用が8千億でありますから、これを五ケ年間そのまま延ばすと5、8の4兆円でございます。それに6300億円というものをまずおおよその目途として付加しておるということでございまして、内容を仔細に見ていただけると、これはもうこの程度のものは最小限必要であるということが御理解いただけると思いますし、この程度のものを持っていることで、アジアの国々が脅威を感ずる、そんなことはありません。そんなことは絶対ありません。

 なお、なぜこれほどの軍備増強をするか、日本に対する脅威の実体とは何かとか、自衛力の限界を示せ、兵器国産化は産軍複合体の危険がある、兵器輸出禁止法をつくったらどうか、こういういろいろな御指摘をいただきましたが、我が国国防の基本方針は専守防衛を旨とするものであり、四次防は、アジアの緊張を高めるような軍拡や軍備増強の計画では全くないと云うことは先ほど申し上げた通りでございます。

 現在、我が国に対する差し迫った侵略の脅威は存在せず、我が国を廻る情勢は好ましい方向に進んでおります。しかし、限定的な武力紛争の生ずる可能性を否定することはできないということは、先ほど申し上げた通りでございます。四次防は、我が国が自衛のために必要とする最小限の防衛力を整備していく過程のものとして策定したものでございまして、防衛の限界を定めなければ計画の立案ができないという性質のものではない訳でございます。しかしながら、我が国の防衛力は、一次防以来の各防衛力整備計画によって逐次充実されており、今後どこまで伸びるかという問題に答える必要はあると思いますので、おおよその整備目標を検討するよう防衛庁に指示をしてある訳でございます。

 それから産軍複合の問題でございますが、我が国の工業生産に占める防衛生産の比率はわずかに0.4%でございます。そう云う意味から考えまして、まぁ飛行機等の別な部分は別でございます。防衛庁生産以外にない飛行機のシェア等は別にしまして、防衛生産と純工業生産と云うものとの比率を考えると、0.4%というものであって、世界各国等の例に徴してもこれが産業癒着というようなものでないということはもう申すまでもないのでございます。(拍手)

 それから、兵器輸出禁止法案というものの提出と云うことは、間々問題になっておる問題でございますが、兵器は輸出しないという三原則を十分守っておりますので、その後、法律案として必要があるかないか、これはまた状態を見てまいらなければならない問題だとして御理解をいただきたいと思います。

 政府は、沖縄国会の決議に基づき、基地の整理縮小に取り組むべし、御指摘の通りでございまして、過去長いことかかって、皆さんのご協力も得て、基地は段々整理縮小、合理化の段階になっておる訳でございます。この後も整理統合に努めてまいりたい、こう思います。真剣に整理縮小の為に関係各省で検討し、また米軍とも相談をして参りたい、こう思います。

 それから経済政策についてでございますが、まず、経済政策の根本的な問題を申し上げますと、今までは確かに御指摘の通り生産第一主義と云われてもやむを得なかったんです。それは、30年代の国民所得の状態や国民総生産の状態を見れば数字的に明らかでございます。初任給8千円などという問題が国会で大きく問題になったのでございます。まず生産を上げ、給与を上げなければならない。こういう大きな大前提がありましたので、国民所得増大の為には、やはり生産を前面に押しで出しざるを得なかったわけでございます。しかし、その結果、ようやく国民所得は西欧諸国と比肩するような状態になったことは御承知の通りでございます。そう云う意味で、生産については生産第一主義から生活第一主義に、重化学工業から知識集約的な工業に移らなければならない、こういうことを政府は大きく国民の皆様の前に出しております。ただ、そういう過程における社会福祉の問題は西欧に比べて非常に少ないじゃないか、その通りであります。

 社会福祉というのはどういうことかと云うと、まず国民所得を上げることが第一であります。その次には、生きていかなければならない、生活していかなければならないという前提に立つ社会資本の不足を補い、我々の生活環境を整備するということが第二なのであります。そうして第三は、必然的に社会福祉の拡大へと繫がって行くのであります。我々は、しかし、今第一の国民所得の平準化というものを為し遂げつつございますが。まだ自分の家の問題やいろいろの問題と合せて社会保障を向上せしめておるのであります。その意味で、社会的蓄積の多い西欧諸国に比べて、今社会保障費が低廉であるということは、今まで事実でございますが、今度は先ほどから御指摘にありますように、国際収支も黒字でございますし、ようやく我々もこれから本腰を入れて社会保障と取り組めるような前提ができたというのであります。成長を確保せずして、所得を確保せずして、その前提がなくて社会保障の拡大ができるはずがありません。(拍手)

 そういう意味で、これから社会保障の理想的な姿を描き、強力に進めなければなりません。(拍手) まず、御指摘がございました、西欧より低いが、西欧並みにする為に全力を傾けるかということでございますが、当然のことでございまして、ある時期には西欧を上回るように、地球上の最大の目標に向かって努力を進めなければなりません。(拍手) しかし、ここで申し上げるのは、社会保障の拡大は必ず生産の向上、国民所得や国民総生産のコンスタントな向上と云うものを前提にしていくから、初めて大きな理想的な社会保障体制ができるのだということを一つ十分ご理解いただきたい。

 それから社会保障に対して年次計画を作るか。これはつくらなければなりません。ただ、ここで、与野党を問わず申し上げておきたいのは、やはり西欧諸国の社会保障を見ましても、イギリスの社会保障でも、その国の状態を見まして、必ずしも日本がそのまま真似ができるものでないということは御理解いただけると思います。日本には日本に最も理想的な社会保障が確立されねばなりません。そういう意味で、私は昭和60年展望に立った全国の列島改造論を前面に押し出し、理想的な青写真をかいて、それを前提にして社会保障の年次計画ができあがるということを申し上げておるのでございますから、まじめにご検討賜りたいと思います。(拍手)。

 それから、老齢年金の拡充を来年重点的に行うということは先ほど申し上げましたが、竹入さんは、年金の引き上げは明年から大幅に引き上げるのではなく、昭和60年から実効をあげのだという風に御指摘ございましたが、これは明年からできるだけ年金は引き上げて行くということでありますので、この点は一つ誤解のないように御理解を賜りたい。

 それから、公害問題につきまして申し上げますと、公害は、これはもう公害を除去する為にいろいろな政策を行っておる訳でございます。私は、公害問題はこの二、三年間に大きな問題になってきた訳でありますが、先進工業国と比べて日本は、制度、いろいろな問題に取り組むに対しては非常に積極的であるということだけは言い得ると思います。ただ、先ほども申し上げましたように東京、大阪、名古屋と云うような拠点に過度に集中を致しておりますのと、四日市やいろいろな過密な新しい拠点に複合公害というものが起っておるのでございますので、このような轍を踏んではならない。今過密のものは地方に段々と疎開をしなければならないし、新しいものは新しい立地にによって建設をしなければならない。そして工場が増えることが公害の拡散だなどと考えておることは、もう問題にならない議論であります。(拍手) それは、工場をつくれば全部公害の拡散だという考えで、もうそれは論議以前の論議でございます。(拍手) それは公害基準、立ち入り検査というようなものを強くすることによって、公害は防除できるのです。また、公害は防除しなければならないのであります。だから、排出基準を厳しくすることによって、そして工場法をつくる等によって、環境は整備され、公害のない生産は拡大をするのであります。(拍手)

 また、無過失賠償責任制度につきましては、民法の過失責任の例外を為すものございまして、無過失責任を典型公害の全てに適用するかどうかにつきましては、今後引き続き検討して参りたいと存じます。それから、御指摘ございました自動車の排気ガス規制につきましては、規制の抜本的強化を図る方針であり、昭和50年度以降、世界で最も厳しいアメリカのマスキー法による規制と同程度の規制を行なうことと致しております。従って、自動車メーカーに対しては、その方針に適合する自動車を早急に実現させるよう、今後さらに一層指導、助成を強化して参りたいと存じます。

 土地問題について申し上げますが、最近の金融緩和を背景として法人による投機的な土地買い占めが進行しております。このような投機的土地取引を抑制するため、税制上の処置については現に検討致しております。それから、全国の土地利用に対する基本法を作れということでございますが、これはもう一日も早く作らねばならぬのでございます。これは都道府県知事及び市町村を中心にして全国土地利用計画ができるとすれば、土地の供給量はぐんと増える訳でありまして、そういう根本的、抜本的な制度が土地問題の最も基本にある政策でなければなりません。その意味で、全国的土地利用計画に対する基本法の制定に対しては、皆さんのご意見も十分斟酌致して早急に立案を図って参りたい、こう考えます。

 それから、土地投機を行った法人の利得を制限するようにというような問題、これは税制上の問題について可能な限り措置をすべく今検討を致しておるのでございます。それから、千㎡、即ち300坪以上の土地の売買を禁止するという一つの提案。これは提案としては理解できますが、ただ反面、土地の取引件数や面積から見て、これをやるとすると膨大な機溝と予算、人員を伴うという問題もありますので、かかる問題は慎重に検討して参らなければならない問題だと思います。

 それから、道路、公園、学校等の公共用地につきましては、本年の12月1日から公有地の拡大の推進に関する法律が適用され、先買い制度が施行される訳でございますので、効力を発すると思います。土地の保有税等に対しても、今鋭意検討致しております。

 それから、物価の問題に対して申し上げますと、卸売物価は確かにこの2、3ケ月、対前年比上昇しております。ただ、内容を仔細に検討しますと、先ほども申し述べましたように、鉄鋼、繊維、それから木材等でございます。鉄鋼は、カルテルの問題がございますので、このカルテルをどうするのか、これはもう、当然この問題は処置しなければならない問題である。また処置することによって、今の消費者物価にはね返っておる面は十分是正できるという考えに立っております。それから繊維及び木材は海外市況の影響でございますが、これは処置できるという立場に立っております。しかし、卸売物価が今まで世界に類例のない横ばいを続けておったにも拘わらず、一面ではございますが、このような状態になっておる現況に徴し、推移を十分注視しらから適切なる措置をとって参りたい、こう考えます。

 それから公共料金の抑制、これはもう厳に抑制をして参りたいというのが答弁でございますが、ただ問題は、公共料金というようなものは普通から云うと応益負担が原則でございます。応益負担が原則であるものを一般会計で賄う為に、市町村のバスや鉄道の赤字を全部一般会計で賄う為に、本当に市町村や国が為さなければならない業病とか難病とかいうものの患者を全部引き取るようなところに金が回せないというようないろんなものがある。だから、限られた予算の中で効率的に行うには自ずから取捨選択をしなければならないことは言うまでもありません。そういう意味で、公共料金の全面的ストップというのは政治姿勢としては当然貫かなければならないことでございますが、しかし、政府や地方公共団体が当面して国民に果たさなければならない責任と云うものの中で取捨勘案せられるものであるということは、ひとつ十分ご理解をいただきたい、こう思います。

 管理価格の規制に対して法制化を行ってはどうかと云う御指摘でございますが、本件に関しては、独禁法等の適用によって十分配慮して参りたいと存じます。最後に、調整インフレの回避の問題でございますが、調整インフレとは学問的なものでございまして、今調整インフレ政策をとるなどということは全くありませんので、御懸念のないようにいただきたいと思います。

 円対策は不十分ではないか。今度の国会の殆どの使命は国際収支対策でございます。この法律も、このご審議をいただいております予算も、ほとんどが円対策、国際収支対策といっても過言ではありません。しかし、去年の7月の7項目、8項目、今度の対策等、相当努力をして参った訳でございますが、本当にこれが万全であって、全ての国際収支対策になるのかということでございますが、全力を挙げて今の時点に於いて最善のものとしてご審議をお願いしている、こう申し述べる以外ありません。しかし、我々は、48年度予算編成に際しても、この国際収支対策というものが、お互いが望ましい日本、国際社会環境にあって最も信頼される日本とならなければならないと言っておりながら、こく国際収支対策が万全でなければ、全てが水泡に帰すという状態でございますので、困難な問題ではありますが、これは両3年の間にGNPの1%以内に経常収支の黒字幅を押さえられるまでに精力的に政策を進めて参らなければなりません。しかし、自由化や関税引き下げに対しても、大変面倒な問題があります。その意味では、与野党を問わず事実の上に立って御理解を賜りたいと思うのでございます。(拍手)

 それから、国際分業や産業調整という問題にお触れになりましたが、これは本当に重要な問題、日本の産業構造そのものを本当に根本的に考えないと、本当の国際収支対策にならないということは、もう御指摘の通りでございまして、政府も在野の英知を結集して、この問題に対しては勉強して参りたいと思います。

 最後に、政治資金規正法の問題でございますが、成田君にもお答えを申し上げました。政治資金規正法改正の問題については、政党政治の消長、我が国の議会制民主主義の将来に関わる重大問題でありますが、幾たびか改正法案が国会に提案され、廃案になった経緯があることは周知の通りでございます。先ほど申し上げましたが、重大な問題だからもう一ぺん同じことを申し上げておるのです。これを今日の時点に立ってみますと、金のかかる選挙制度、あるいは政党の在り方をそのままにして、これを具体化することにいろいろと無理があることを示しているように思われるのでございますが、お互いが工夫をすることによってはその方法も見出し得るものと考えられるのでございます。特に現在、政党本位の金のかからない選挙制度について、選挙制度審議会が鋭意審議致しておる時でありますので、このような情勢を踏まえ、徹底した検討と論議を積み重ねて参りたいと考えます。以上。(拍手)

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コメント

じつにTPOをわきまえた当代いや歴史上世界最高の政治的知性と仁徳をともに備えた政治家であります。空前絶後と存じます。

投稿: 通りがけ | 2011年12月 6日 (火) 16時40分

 素晴しい評有難う。付け加えることはありません。

投稿: れんだいこ | 2011年12月 6日 (火) 19時40分

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