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2012年11月21日 (水)

野田系党中央進駐軍の「公認踏み絵制」を嗤う

 各党が12.16日投開票2012衆院選に向けて猛烈ダッシュしている時、政権与党の民主党の逆走が止まらない。長野3区で、羽田元首相の引退に伴う地盤引き継ぎとして、長男にして現参院議員、国土交通相の羽田雄一郎に譲ろうとしたところ世襲禁止規定に触れるとして認めず、結局不出馬となった。後任はこれから決めると云う。世襲禁止規定を現議員にまで及ぼすとは異常と云うべき厳格化であろう。羽田元首相が小沢どんと並ぶ角栄の直弟子であることを考えると根の深い嫌がらせと云うことになる

 北海道9区では、民主党生みの親にして2009政権交替による民主党初代首相の鳩山氏が公認を貰えず引退を余儀なくされた。過去に自ら首相辞任と同時に政界引退すると公言していたこともあり却ってすっきりした面はあるが、生みの親にして元首相たる者を公認しないとは釈然としない政界引退劇ではなかろうか。こういう調子であれば今後何が起こるか分からない。野田系党中央が正気でないのは確かであろう。こちらも後任はこれから決めると云う。

 この一連のゴタゴタに何を感じるべきだろうか。れんだいこは、2009政権交代以降、小沢政権を誕生させない任務を帯びて党中央を占拠した進駐軍の「上からの反革命」が引き続き継続していると見なす。野田系党中央進駐軍は、奥の院指令に忠実に2012衆院選に於ける民主党の徹底的敗北を上から企図しており、その為に必要な権謀術数に明け暮れていると見なす。普通ではあり得ないのだが現に起っているとみなす。誰か他の理由を見いだすことができるだろうか。れんだいこ推理に基づけば全てが解け、基づかなければ解けないとしたら、この推理に従うべきではなかろうか。

 以上を前置きにして気になることを発信しておく。野田系党中央進駐軍は今、TPP(環太平洋経済連携協定)その他の諸法案を廻り、党中央方針に賛同しない人は公認しないと明言し踏み絵を迫っている。だがしかし、この「公認踏み絵」こそ一票の格差問題よりもはるかに重大な憲法違反ではなかろうか。

「一票の格差問題」は、一票の格差を有権者数のみを指標とする憲法違反論で取りざたされているが、れんだいこの見るところ、一票の格差を有権者数のみを指標とすることの方こそが憲法違反であると考える。一票の格差は、有権者数と選挙区の面積と都道府県の産業力その他の指標から算出されねばならず、有権者数のみを指標とすれば国会議員が都市部に集中する弊害が生まれ、これこそ正真正銘の憲法違反と考える。日本司法の最高の頭脳とも言うべき最高裁が有権者数のみを指標とする一票の格差論を是認したのは日本司法の頭脳の貧弱さによると考える。

 もとへ。野田系党中央進駐軍の「公認踏み絵制」が何故に憲法違反なのか。元々は最近の事例としては小泉政権時の郵政民営化法案時の公認手法に由来するが、反対派を除名し、刺客まで送って反対派潰しに興じたのは記憶に新しいが、本来はあり得てならない。それはなぜか。要するに政党論の問題になるが、政党は個々の政策によって結集したものではなく、時代の総合的なグランドデザインの下に賛同した者によって成り立つからである。時代の総合的なグランドデザインのことを綱領と云う。この綱領こそが党の憲法であり、個々の政策までタガ嵌めするものではない。場合によっては、綱領でさえ緩めに解釈され、時代に応じて綱領の改編まで視野に入れる者をも吸収するのが政党である。つまり党内反対勢力を常時抱えながら同志的結合をするのが政党の要件である。

 このことを踏まえると、幾ら党中央が企図する重要法案とはいえ、それを公認条件にまで高めるのはヤリ過ぎな党中央権力の横暴、乱用と云うべきだろう。こういう弁えを持つ政党論、党中央論が理論的に獲得されていないことが、こたびのような野田系党中央のような子供じみた権力乱用を生んでいると考えられる。

 日本の政党史の中で、このような事例はさほど多くない。れんだいこの知る限り、日本共産党の1964年時の「部分核停条約」を廻る志賀義雄の造反が挙げられる。かの時、共産党中央は条約反対の立場に立った。党の方針に基づき4議員が反対票を投じたが、志賀が党の決定に背いて賛成し、査問を経て党所属国会議員としての権利を停止する処分に付された。療養を兼ねて中国へ渡航していた最高指導者の宮顕が急きょ帰国し、第8中総が開催され、志賀.鈴木らの反党行為が激しく攻撃され、党規約破壊.裏切り者.陰謀と罵られた挙句に除名された。共産党史では志賀問題と云われるものである。

 この事例を確認したのは次の理由からである。1964年時では、共産党内での志賀問題はいわゆる左翼の革命政党内の出来事であり、一般政党の常識では測れないと云う理由で特殊日本共産党的な党内事情として評論されたからであったと思われる。問題は、自民党の小泉政権以降、現下の民主党の野田政権に至るまでが次第にこの日本共産党的政党論、党内事情論に染まりはじめており、蔓延し始めているのではなかろうかと云うことにある。

 日本共産党は勢力的には弱小政党で取るに足りない。しかしながら、日本共産党の政治の型が及ぼしている影響力は案外と大きい、そう見なすべきではなかろうか。特に、他党の党内権力闘争に於いて、日本共産党が「左」から肩入れして重大な影響を与えている事例が多いように思われる。ロッキード事件然り、鈴木宗男逮捕事件、最近の小沢バッシングまで数えれば相当数になる。興味深いことは、ワシントンに飼いならされていない日本在地土着系の実力政治家の失墜に手を貸し大奮闘する癖がある。

 野田系党中央進駐軍が、この日本共産党的規約論、組織論に倣っているのか、直近の小泉式政治に倣っているのか、日本共産党も小泉政治も更に何か他のテキストを真似しているのかまでは分からないが、はっきりしていることは、こういう偏狭な規約論、組織論に日本政治がどんどん染まりつつあると云うことである。日本政治には、この狂気の子供じみた規約論、組織論の満展開を更に許すのか、決然と掣肘し決別するのか、こういうことが問われているのではなかろうか。これを修正するのはそれほど難しいものではない。単に大人の政治論に戻れが良いだけのことである。伝統的に培ってきた日本の知性と理性は、その程度には形成されているのではあるまいか。

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