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2012年12月

2012年12月26日 (水)

選管の不正選挙防止対策と数値発表責任考

 2012衆院戦ほど不正選挙の疑いが濃厚になったことはない。近年囁かれ始めていたが一挙に公然化した感がある。その容疑について、「第46回2012衆院選考、不正選挙疑惑の巻」と題してカンテラ時評№1087、1088、1090で示した。他の方の追及も為されており追って裁判に持ち込まれる流れにある。ぜひ徹底検証すべきだろう。それにしても立候補者の中からもう少し疑義ありの声が出ないのはどうしたものだろうか解せないことである。

それはそれとして、今後の在るべき姿としての「れんだいこ式選管15ケ条マニュアル」を書き上げた。これ公表し、今後の投開票モデルにするよう提案申し上げることにする。何事も処方箋を示さないと生産的議論にならないからである。

 まず、選管は選挙結果発表の標準的なマニュアルを作らねばならない。現行のように各選管で仕様が違い、なかなか良くできているところもあればわざわざ不正の温床となるような杜撰な発表しかしていないところも見受けられる。各選管の仕様が違う理由が分からない。共通して無効票の内容についての発表がないのも気になるところである。本来は次のような発表にしなければならないのではなかろうか。衆議院選をモデルにして以下提案申し上げる。

 大きな流れで云えば次のように云える。投開票で一番精力的に審査、管理せねばならないのは最も末端の各投票所の数値である。この原点さえ正確に把握すれば本来は何の問題も起らない。なぜなら後は積み上げでしかないからである。

現行は、各投票所の投票箱が選挙区センターに持ち込まれ、そこで一括集計されている。これが不正の温床となている。なぜなら第一に、投票箱の移動中の管理が心もとないからである。道中で投票箱そのものの差し替え、あるいは投票箱の中の票の入れ替え操作の疑念がもたれているからである。長年このような心配は必要なかったが小泉政権の頃から囁かれ始め今に至っている。

 第二に、選挙区センターでは束にした投票用紙を投票マシ―ンにかけて集計しているが、この束の中身の確認の杜撰さとマシーン計数のイカガワシサが問題になっている。束の中身は立会人が確認できるので不正防止可能である。問題はマシーンの方である。

 マシーンの受注先が外資系のリモコン会社に特命発注されており、操作要員も全てその会社が取り仕切るので立会人も寄り付けずいわゆるブッラックボックスになっている。実際にはムサシが利用されているが票改変工作プログラムが装填されているとの噂がある。そういうムサシによるマシーン計算が検証されたと云う話しを聞かない。こういうことを思えば、そもそも各投票所の投票箱を選挙区センターに持ち込み一括集計するシステム自体が間違いであろう。各投票所単位で投開票すべきではなかろうか。

 各投票所単位での投開票は決して無理ではない。そもそも各投票所単位での投開票であれば、その投票数もさほど多くないので数時間もあれば選管の手作業とパソコン入力の組み合わせで確定できるはずである。何も仰々しくムサシなる投票マシ―ンを投入する必要もない。銀行が使用する札束を数え、偽札を識別する金銭機程度の性能を持つ仕分けマシーンで十分だろう。

 これの導入に当たっては各社入札方式で採用し、何回か試行錯誤すればより良いものになるはずである。選管の手作業と仕分けマシーンの連携で事は解決する。これを二度ほど算定すれば確定できるはずである。速報を第一次発表とし、追検証し第二次発表で確定させれば良い。なぜそうしないのかと云うことに疑問が残る。繰り返すが、選挙区センターへの投票箱持ち込みと外資系選挙マシーンの投入こそが不正の温床である。

 投票要領については特に改めるところはない。来場者が持ち込む投票はがきと投票者名簿の照合による㊞確認で良い。帳面方式で確認したものをパソコン上の投票者名簿にチェックすれば自動的に来場投票者数と投票率が分かる。問題は開票要領である。これもパソコンを利用すれば容易くできる。カウントされた票数それぞれを、あらかじめ作成されている仕様書にパソコン入力すれば良いだけのことである。

 各投票所単位での投開票にすれば全てが解決する。その場で投票所受付者数と投票数が確認でき、パソコンの表計算で誤差も忽ちに判明する。これにより票の水増し、抜き取りがチェックできる。投票率も確定する。有効投票、無効投票の確認もたちまちにできる。これにより有効投票率、無効投票率が確定する。次に小選挙区票の候補者の得票数、得票率が確定する。次に比例区票の各政党の得票数、得票率が確定する。無効票の場合、白票と対象外記入と誤字の三系に仕分けしてそれぞれの数値を小選挙区、比例区ごとに算出せねばならない。 期日前投票の結果も同様の方法で処理する。

 各投票所単位での投票数値が確定すれば後は積み上げでしかない。これを算定するのはパソコンで十分である。あらかじめ選管が仕様書を作成しておき、これに入力すれば良いだけのことである。まず各投票所単位での投票値、次に選挙区単位での投票値となる。ここで小選挙区の当選者が決まる。次に都道府県単位での投票値、次にエリアブロック単位での投票値。ここで比例区での各政党の議席数と当選者が決まる。比例重複議員の復活も決まる。最後に全国集計での各政党の議席数、当選者、小選挙区得票数、比例区得票数が決まる。

 この方式によれば、各投票所単位での投開票作業が基礎であり、後は全国会場での集計の二系で事足りる。別に難しくないこの積立て順序が意図的故意に反故にされ、わざわざ不正選挙に成り易い選挙区センター持ち込み仕掛けに誘導されているのではなかろうか。現行の選管の開票の仕方そのものが相当にねじ曲がっていることになる。これを糺さねばなるまい。なお、横並び表の横項目の増え過ぎを防ぐ為、無効票は別枠の表2にして公開した方が見易すかろう。表3で、それぞれの数値の前回対比も記しておけばなお良かろう。表4で期日前投票の結果を同様の方法で開示公開する。

 れんだいこが考えて見て、以上のようにすれば公正な投開票ができる筈である。以下は、そのマニュアルである。選管の投開票発表は次のような仕様にされていなければならない。発表用の簡略表と資料用の詳細表の二種を作成する必要がある。どちらも公開されねばならない。なお前回の数字との比較ができるように記されねばならない。

その1  各投票所の人口数を開示する。総合と男女別数を記さねばならない。
その2  各投票所の有権者数を開示する。詳細表では総合と男女別数を記さねばならない。
その3  名簿に印を押したことで確認できる各投票所の来場有権者数を開示する。総合と男女別数を記さねばならない。これにより仮投票率が分かる。ここまでは記名確認できる。
その4  各投票所の小選挙区と比例区の投票者数を開示する。これにより小選挙区票と比例区票の票差数が確認できるのは自明である。無記名投票になるので男女別数を記すことはできない。これにより来場有権者数と実際の投票者数との差が判明するので真投票率が確定する。その差引数字を記さねばならない。投票用紙を受けとったものの棄権した者の総数が確認できるのは自明である。
 ここまでは簡略表では省くことができる。
その5

 各投票所での各候補者の小選挙区票数、獲得率及び政党の比例区票数、獲得率を開示する。道中、確定前の票推移の刻々情報をリアルタイムで発表せねばならない。

その6

 各投票所での無効票数、無効投票率を開示する。その際、白紙、該当者及び政党の不在、誤字失格等の内訳に応じた票数を明らかにせねばならない。

 期日前投票の結果も同様の方法で処理し公開するべきである。

その7  選挙区(投票所票集計)に於ける各候補者の小選挙区票数、獲得率、政党の比例区票数、獲得率を開示する。ここで小選挙区当選者が確定する。
その8  都道府県毎の政党別の小選挙区票数、獲得率及び比例区票数、獲得率を開示する。ここで都道府県単位の政党別当選者議席数が判明することになるのは自明である。
その9  エリアブロック毎の政党別の小選挙区票数、獲得率及び比例区票数、獲得率を開示する。これにより比例重複候補の当選者が判明し、エリアブロック単位の政党別獲得議席数が判明することになるのは自明である。
その10  全国集計での政党別の小選挙区票数、獲得率及び比例区票数、獲得率を開示する。これにより全国レベルの政党別獲得議席数が判明することになるのは自明である。
 以上を投開票の十全システムとする。後は留意事項である。
その11  無効票数を上記の順で無効票数、無効投票率を開示する。それぞれの段階での白紙、該当者及び政党の不在、誤字失格等の内訳に応じた票数を明らかにせねばならない。期日前投票も同様に開示する。
その12  上記10作業の正確と効率を高める為の票の確認の仕方、束ね方、集計の仕方に選管要員、立会人が動員され、複数の者が票束の上から下まで目を通さねばならない。
その13  投票審査は二度集計することとする。第一次集計を速報として発表する。後刻、第二次集計し確定とする。
その14  投票用紙は投開票疑惑を廻る提訴期限までは無論のこと、最低限一年間保管しておかなければならない。
その15  選管要員、立会人が現今ではどういう基準で選ばれているのか知らないが選出の厳正さも必要であろう。

 凡そ以上のような手続きを得、正確な数値の選管発表が為されねばならない。「第46回2012総選挙、福島県、東京都の結果考」で確認できるように東京都選管発表方式は逆に不正選挙温床になる類のものでしかない。各選管毎の様々な仕様による発表は、より優れた仕様のものに統一して発表されるべきだろう。今後はこの「れんだいこ式選管15ケ条マニュアル」に従って発表すべきである。

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2012年12月24日 (月)

第46回2012衆院選考その9、不正選挙疑惑の巻その3の巻

 第46回2012衆院選考は一応打ちきったつもりだったが、不正選挙疑惑について非常に関心が強まっている。れんだいこの疑問もますます昂進しつつあり、そこで番外編として「不正選挙疑惑の巻その3の巻」を付け足すことにする。未来の党に限って何故に小選挙区票より比例票の方が少ないと云う怪奇現象が起きているのかを問うことにする。

 比例重複性を考えて見た場合、未来の党候補者に小選挙区票を入れた者は、比例票を未来の党と書くのが自然だろう。中にはへそ曲がりが居るだろうから多少のこぼれはあるかも知れない。しかし、そのこぼれを上回る比例票が出るのが自然である。よしんば減ったとしても候補者が立たない空白選挙区の比例票が加わるはずだから、結論はやはり比例票の方が小選挙区票を上回るとしたものだろう。このことを念頭に置いて以下検証する。

 舞台は広島県である。オカシイところは、比例票で未来の党がみんなの党に負けているところにある。未来の党は選挙区候補2名に対してみんなの党は0候補である。つまり、未来も2名しか候補を立てられないほどに強くない県であるが、みんなの党は候補を立てられないほど弱いエリアである。そこで未来の党の比例票が、みんなの党のそれに負けていると云うのが何とも解せない。票の不正工作のプロもどこかでぼろを出す。広島県での比例区票で、みんなの党の票を未来の党以上に設定したのはミスではなかろうか。

 ちなみに広島6区で未来から出馬した亀井候補は小選挙区で91.078票取っている。広島1区から未来から出馬したすげかわ候補は小選挙区で21.698票取っている。合計91.078+21.698=112.779票になる。全7選挙区の他の選挙区からの未来票が加算されるところ、未来の比例区票は逆に減っており66.752票しかない。つまり112.779―66.752=46.024票も減らしていることになる。率にして約40%減となっている。こういうことって有り得ることだろうか。

 小選挙区票が必ずしも比例票に結びつかないとの考えは、重複立候補制から考えると不自然である。隣の岡山県は、未来の党の候補者0で23.523票取っている。みんなの党は同じく候補者0で54.897票取っている。みんなの党の広島県票は小選挙区票0で比例区票を86.935票取っている。つまり小選挙区票と関係なく比例票が出ていることになる。これを踏まえれば、小選挙区票よりも比例票が上回るのが普通だろう。これが自然であろう。
維新の会候補を見よ、候補の玉が悪くても比例票で稼いで当選している者も多くいるだろうが。

 誰か、広島県に於いて、未来の比例区票が小選挙区票より46.024票も減らしている、未来の党に限って比例票が減っている現象を怪奇なしに説明してみたまえ。

 同じような例として、宮城2区の未来の党小選挙区候補・斎藤やすのり氏に投票した数より比例区における未来の党の票が14.000近く少なく、比率にすると約40%の減少が見られることが指摘されている。新潟一区でも比例の票が内山こう候補の小選挙区票より10.938少なく、比率にすると不思議にも約40%の減少と指摘している。

 全く場所も異なる選挙区で、同じ未来の党から出馬した2人の候補が、小選挙区に比してその約60%しか比例で獲得できていない事実に鑑みるに、これは最早、偶然ではなく作為的に機械処理されたものと考えられる。かく指摘されている。そう考えないと辻褄が合わんだろう。

 こうなると、亀井、すげかわ候補は開票再審査訴訟を打つべしだろう。同様に全国それぞれの地域で同様の不審が見られるところの候補は同様の挙に打って出るべしだろう。思うに、2012衆院選は未来の党に限って何やら大がかりなパージ操作が行われた形跡が濃厚である。逆に維新の場合には水ぶくれされた可能性が強い。以上申し述べておく。

 2012.12.24日 れんだいこ拝

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2012年12月23日 (日)

第46回2012衆院選考その8、メディア支配の恐ろしさの巻

 本稿の「メディア支配の恐ろしさの巻」をれんだいこの2012衆院選総括の最終とする。

 こたびの選挙ほど良からぬメディア支配の生態を見させられたことはなかった。偏向的な選挙報道の塊のようなものとなった。従来の派手派手しい積極的な偏向報道とは逆に報道すべきところを報道しない消極的な偏向報道もあり得ると云う意味での教訓ともなった。まずは政府公報の異常な抑制に見られる。これまで衆院選公報コマーシャルが適宜に流されていたと記憶するがこたびは聞いたことがない。れんだいこは極力テレビを見ない、見るとすれば7-8時帯のニュースの時間帯であり、これしか確認できないが、他の時間帯でも見ていない聞いていないと云う証言が為されれば裏付けられる。

 いつもならある政府公報がなかったことが投票率の低下に繫がったことは容易く理解できる話しである。一体、国政選挙に関わる政府公報が為されたり為されなかったりさじ加減することが許されることだろうか。コマーシャルにも金がかかることなのでむやみやたらも困るが適宜な公報基準を確認したい。これにつき総務省見解を質したい。

 総じてマスコミメディアの偏向報道がこれほど極まった例を知らない。特にテレビ局系のこうした偏向報道が目に余るものであった。なるほどテレビ局はNHKを除いて民営ではある。しかしながら免許が容易に下りない制度下にある以上、批判的報道の自由は認められるにせよ何がしか公益性を踏まえた公平性が担保されて然るべきではなかろうか。こたびは衆院解散以来、選挙公示前まで、異常とも云える大阪維新の会、東京太陽の党の喧伝が続き、第3極でもないのに既に第3極であるかのようなキャンペーンが連日繰り広げられた。逆に真の第3極である未来の党は考えられる限りスル―された。

 公示後は、逆に選挙報道がピタッと止んだ。朝のテレビニュースではモーニングが一切報道しなかった。これにつき、モーニング報道責任者の見解を表明させねばならない。特ダネが一部報道したものの未来の党に言及する必要のない選挙ネタ報道でしかなかった。朝ズバはまま採り上げていたが自民、民主、維新報道に特化させていた。日曜日のサンデ―モーニングでさえ選挙たけなわであるのに選挙絡みの報道をしなかった。総じて選挙報道が抑制され、申し合わせたように未来の党隠しになっていた。なぜこのようなことが起るのか。奥の院筋からの強い達しがあり各テレビ局がこれに従ったと推測する以外にない。

 これが選挙後になると一斉に転じての大選挙報道となった。各テレビ局のコメンテーターが揃いも揃って「自公、維新の大勝利。民主、未来の壊滅的敗北」をうれしそうに饒舌していた。小泉政権時の総理大臣秘書官であった飯島勲が登場し、周囲を威圧しながら選挙結果にご満悦のコメントをしていたのには驚きと云うか裏の仕掛けを見た思いがする。れんだいこツイッターに「あまりにも露骨な小沢一郎抹殺計画にまんまと騙された国民と、自民党圧勝で鼻の下伸ばしてる後藤謙次、岸井成格、寺島実郎、橋本五郎、星浩の顔見るたびにはらわた煮えくり返るわぁ」、「読売五郎が得意満面で解説して薄笑い…吐き気するわ」のツイートが届けられているが尤もな感想であろう。

 メディアのこの痴態は偶然のものではない。これを裏で取り仕切る国際金融資本ネオシオニズム勢力による支配が存在する。この連中のメディア支配によって自公、維新の大勝利、未来の党の大敗北が画策され、事実その通りになったと云っても過言ではなかろう。こういう見方を陰謀論と云うらしい。れんだいこは現に存在するから指摘している。陰謀論の必要性を認めている。ところが、こういう陰謀論を説くのは陰謀論故に邪道とされている。主にサヨ系からそういう批判が為されるのであるが連中の頭脳バーコードの方こそイカガワシイ。国際金融資本ネオシオニズム勢力による陰謀を隠蔽する役割を果たしているとしか言いようがない。

 我々は今現実に起ったこととして、毎日毎日洪水の如く一定方向からの情報が流されるとマインドコントロールが為され洗脳に至り、その結果としての2012衆院選結果であり、それほどメディアの影響力が強いと知るべきだろう。この仕掛けを知るべきである。一敗地にまみれた未来の党が、生活第一党に帰って再出発するにせよ、選挙不正管理対策と同時にメディア対策の手を打たねば徒労に終わるであろう。

 我々は転んでもただでは起きない。経験から賢く学ぶべきである。堯幸とすべきは、かくなる現実を知ることによって既成メディアに捉われない和製アルジャジーラ版放送局の創出が政治日程に上げねばならなくなったと確認すべきだろう。何としてでも和製アルジャジーラ版放送局立ち上げに向かわねばならない。既成メディアに公正性を期待するのは百年河清の愚の類でナンセンスであろう。これを申し合わせとしたい。

 もう一つ。公選法によるインターネット規制が続いているが、こたびの選挙を期に終りとしたい。選挙期間中にインターネットを規制する合理的根拠はない。この規制を是として違反を監視する風潮があるがナンセンスと云うべきだろう。これを機会に公選法の悪しき規制を全般的に見直し不合理な規制は撤廃させるべきである。せめて欧米並みの水準で選挙活動の自由性を確立させたい。これも申し合わせとしたい。

 もう一つ。選管が今のような在り方であれば、お笑いでしかないが選管を管理する監理委員会が必要なようである。選管の透明度が高まれば不要であるが現下の仕組みでは到底信頼することはできない。これも申し合わせとしたい。

 選挙不正につき、街カフェTV の主宰者にして未来の党から埼玉4区に出馬した藤島利久氏が告訴予告している。それによると、「投票率の改ざん。得票数の改ざん、マスコミの偏向報道」を争点に挙げている。これが提訴されれば支援したい。現下の選挙実態を様々な角度から明らかにさせたい。政治の信が揺らいで久しいが選挙の信まで揺らいでいるとならば世も末だろう。国政の基礎となる選挙の信が揺らげばそれは近代国家ではない。日本の自律自存の国家主権擁護の為に近代選挙の水準確保に向かいたい。

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2012年12月22日 (土)

第46回2012衆院選考その7、不正選挙疑惑の巻その2

 選挙の不正疑惑を述べるれんだいこの言を負け惜しみの弁と受け取る方に次の事例を問いたい。同日行われた東京都知事選投票数と衆院選投票数の差票が著しいことが指摘されている。これをどう説明できるのだろうか。これを確認するに知事選投票数は6,647,744票、衆院選投票数は5,256,655票、差票は1,391,089票に上っている。何と約140万人もの者が都知事選のみ投票したことになる。国政選挙に投票して都知事選にはしなかったと云うのなら分かるが逆である。選管は「理由はわからない」としているとのことであるが分からないでは済まんだろう。

(訂正)上記の情報は「★阿修羅♪政治・選挙・NHK141」(http://www.asyura2.com/12/senkyo141/index.html)の往ける者氏の12.19日付け投稿「東京都民の皆さん、都知事選に投票して衆院選に投票しない人っているんですか?」(http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/470.html)によるが間違いのようである。東京都選管発表は、都知事選投票数6.647.744票、有効投票数6.442.443票。衆議院小選挙区投票者数6.668.474票、有効投票数6.388.207票。衆議院比例代表票6.668.632票、有効投票数6.537.607票。これによると衆議院小選挙区投票者の方が都知事選投票者より20.888票多い。こちらが真実とすると、これを勘ぐるのには及ばないので訂正しておく。往ける者氏の情報がどこからのものなのかは分からない。

 ところで、未来の党票が抜き取られた可能性はないだろうか。東京ブロック比例区票の出方は自民が1.460.033票(占有率25.38%、当選5名)、維新が1.161.718票(20.19%、当選3名)、民主が900.975票(15.66%、当選2名)。ここまでは仮に良いとして、以下、みんなの党2名、公明党1名、共産党1名と続き、未来の党は377.577票(6.56%)となっている。衆議員現職の61名を持つ真正の第3極であった未来の党の比例票が8議席のみんなの党、21議席の公明党、9議席の共産党の後塵を拝する7位などと云うことが俄かには信じられない。

 未来の党の小選挙区票を見ると、1区(野沢哲夫)14.875票、3区(池田剛久)25.773票、5区(丸子安子)19.462票、7区(岡本幸三)17.437票、10区(多ケ谷亮)24.414票、11区(橋本久美)26.469票、13区(本多正樹)17.906票、14区(木村剛司)35.334票、15区(東祥三)28.518票、16区(初鹿明博)27.179票、18区(杉村康之)15.873票、19区(渡辺浩一郎)22.445票、21区(藤田祐司)11.408票、23区(石井貴士)18.125票、25区(真砂太郎)10.689票。

 以上の未来の党の小選挙区総数は315.907票(平均21.060票)。この選挙区票が全て比例票に流れたとした場合、空白選挙区からは377577―315907=61.670票しか出ていないことになる。空白選挙区は2区、4区、6区、8区、9区、12区、17区、18区、20区、21区、24区の11区ある。これを割ると5.606となり約5.600票しか入っていないことになる。

 しかし、候補を立てたところの選挙区で少なくとも平均21.060票取りながら、候補を立てていないところからは平均5.600票しか出なかったなどと信じられるだろうか。空白区では票が出にくいというも納得できない。維新、みんなの党は空白区であろうがそれなりの票が出ている。維新、みんなの党には期待値が多く、未来の党の期待値が低かったと云うのは眉唾であろう。実際には、維新のメッキが剥げ、みんなの党はそれなりに善戦するにしても未来の党への期待は高まりつつ最終盤へ向かったのではないのか。未来の党の票が抜き取られた可能性、維新の党その他に加算された可能性が強いと疑うべきではなかろうか。選管は、この疑いに根拠がないことを立証する責任があるように思われる。

 その二、東京12区の例であるが、自民も民主もいない公明党の太田昭宏と未来の党の青木愛の一騎打ちとなった東京12区で、結果は太田昭宏が114.052票、青木愛が56.432票と出た。ところが、無効票が1割超の10.83%となっている。選管発表によると白票だったとのことである。この選管発表を精査する術がないのでこれ以上の言及は留める。無効投票率が2番目に高かったのは17区の7・77%。この選挙区では自民の平沢勝栄、民主の早川久美子、維新の小林等の闘いとなっており、平沢勝栄が倍以上の票差で圧勝している。ちなみに小選挙区の無効投票率が東京都内全25選挙区とも2009年の前回衆院選を上回っている(2・75%)。

 こたびの総選挙では従来では考えられないミスも目立っている。長野県南牧村では、村内7カ所の投票所のうち5カ所の投票所で、投票用紙記入台に掲示した比例代表の表に日本未来の党が記載されていなかった。県選挙管理委員会によると、掲示する表の原本は県選管が各市町村に配布していたが、南牧村はこの表を使わず村の選管が作ったものを掲示していた。日本未来の党が記載されていないことに気づき16日午前10時半までにすべての投票所で新しい表に取り替えたと云う。

 鳥取県米子市選管は、衆院選の不在者投票40人分が16日午後8時までの投票時間内に届かなかったと発表した。米子郵便局の配達忘れが原因という。横浜市神奈川区選管は、区外にいる有権者に衆院選の不在者投票用紙を送り忘れ8人が投票できなかったと発表した。職員が執務室に置いたまま失念したと云う。神奈川県海老名市選管は、不在者投票施設に指定された医療施設が、入院患者3人が不在者投票した投票用紙を放置し、投開票後に裁断、廃棄していたと発表した。女性事務員が引き出しに保管したまま失念したという。こういうお粗末事例が目立っている。政治の信が失われて久しいが選挙の信まで失うとなると世も末だろう。

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第46回2012衆院選考その6、不正選挙疑惑の巻その1

 「第46回2012衆院選考その6、不正選挙疑惑の巻」とする。普通選挙は戦後日本が統治手法として採用している議会制民主主義の基礎中の基礎であり、昨今その前提が崩れつつあるように思える。投票モラルと投開票の公正さは先進国度を示すバロメーターであり日本は長らく先進国であり得た。その日本で昨今、不正選挙が蔓延し始めていると云うことであれば既に後進国に転落していると云わざるを得ない。銀行強盗の場合、相対的に重罰化されているが、不正選挙加担者には同様の措置が必要ではなかろうか。

 これを確認するのに、選挙公報の偏向性、投開票の不正の二方面からの検証が必要であろう。選挙公報の偏向性とは、政府公報の異常な抑制、マスコミの或る党に対する推奨宣伝、逆に誹謗宣伝、或る党に対する不言及等を云う。これについては最後の稿で述べることにする。本稿では投開票の不正について検証する。

 投開票の不正は、大項目として投票箱管理の不正、投票カウントの不正、無効票識別の不正が考えられる。投票箱管理の不正とは、期日前投票箱も含めて一体どのように管理されているのかと云う問題になる。投票箱が保管所乃至は投票所を出た後、どういう管理下で開票所に届くか殆どの者が知らない。選管の責任で運んでいるのか民間に外部委託的に発注して運ばせているのかも分からない。この間に投票箱がすりかえられるか、票の入れ替えの可能性が考えられる。情報が開示されていないので確かめようもない。そういう意味で投票箱の監視が不可欠となっている。選管は、この疑問につき納得いく説明をして貰いたい。

 投票カウントの不正とは、投票カウントの不正、票の入れ替え、無効票識別の不正等の問題を云う。期日前投票分にも同様の疑いがある。立会人が居るには居るが十分なチェックとはほど遠い情況下にある。いつ頃からかは分からないがコンピューター集計されるようになったようで、これはコンピューター会社から派遣された専門のスタッフが排他的に管掌するようである。こうなると立会人の目が届かない。

 この不正を防止する為には、コンピューター集計を第一次発表として次に原始的な手作業確認による第二次集計で二度確認によるすり合わせをする以外にない。手間暇が大変であろうが不正選挙防止の為とあらば止むを得ないのではなかろうか。現在の集計方法では、立会人がいれどもお飾りに過ぎずブラックボックス化していると云わざるを得ない。なお、後日の証としての票の一定期間管理も必要なように思われる。

 投票カウントの不正問題で特にチェックするところは、当日投票者数と投票数の一致精度の確認であろう。当日投票者数より以下の投票数は票が抜き取られた可能性に繫がり、以上の場合には水増しに繫がる。考えたくもないが、県単位で万単位の誤差が常態化しているとならば放置できまい。

 無効票識別の同様の精査も必要であろう。こたびの選挙では小選挙区で白票や候補者以外の名前が書かれた無効票が約204万票に上っている。無効投票率全国計は前回比1・32ポイント増の3・31%。都道府県別で割合が高かったのは高知県の5.24%、大阪府4.63%、熊本県4.44%、東京都4.20%の順。高知県選管の担当者によると、県全体の無効票約1万7千票のうち半数以上が白票で、候補者以外の名前を記した票も多かったという。比例区で例えば日本未来の党を単に未来と書いた場合に無効票とされているのかいないのか、されていた場合、そういう票が何票あるのか知りたいところである。選管は、こういうところを正確に情報開示する義務があろう。

 以下、不審点を確認する。その一は、投票率の怪である。 期日前投票が全有権者数の11.37%(←13.40%)に止まったことから小選挙区投票率の59.32%(←69.28%)も何となく納得されている。しかしながら、「投票所が混んでいた」、「初めての経験だが行列ができていた」との証言も数多く為されている。これを思えば、各選管が2009衆院選との比較が分かるような形で投票者数の増減を開示せねばなるまい。「初めての経験だが行列ができていた」のにまさか投票者が減っていたと云う訳には行くまい。

 次は、注目されていた福島県の票の怪である。福島原発事故の影響による票の出方が注目されていたが、比例選で最多票を獲得したのは原発再稼働派の自民党で23万8893票(前回を8万4511票減の25.98%)。原発のらりくらり派の民主は18万5503票(同34万6671票減の20.18%)。原発稼働派の維新の会は約16万3861票(得票率17・8%)、みんなは7万2392票(同2302票増の7.87%)、公明は8万5705票(同2万6434票減の9.32%)、未来の党は6万6563票(得票率は7・2%)、共産は5万9335票(同9088票減の6.45%)、社民は3万4176票(同2万6506票減の3.72%)。

 このどこがオカシイのかと云うと、軒並み低下した中で原発稼働派の維新の会が第2位の約16万3861票を獲得しているところである。福島でそれほど維新の会が人気を得ていたのか気になるところである。同様の疑惑で未来の党の票数が低過ぎる気がしてならない。嘉田代表が第一声を放った飯舘村でも237票(得票率8・7%)にとどまり10政党のうち5番目だった。福島県の小選挙区票は全部で922.763票、比例投票数は906.428票、票差は16.335票。この1万6千票の票差は許容範囲だろうか。どこの選管でもこういう万単位の票差が当たり前になっているのだろうか。福島の期日前投票は3万7913人で前回(4万4393人)に比べ14.6%減。

 れんだいこが不正選挙疑惑するのは福島県に限らず未来の党の票数が少な過ぎると思うからである。これを「未来の党の票数の怪」とする。小選挙区票でも然り、比例区票でも然りである。各党が立会人を出して監視しているからには不正はないと思われているが既述した通り機能していないことが考えられる。

 未来の党の票数の過少疑惑は、主として千葉、東京、神奈川、愛知の激戦区で際立つ。現職議員の得票数が異常に少ない。民主党候補と票を割るので前回より少ないのは理解できるにしても予想値より妙に少な過ぎる。例えば、神奈川3区の場合、自民現職の小此木八郎が85.451票、維新新人の高橋真由が39.781票、民主現職の勝又恒一郎が34.738票、みんな新人の毛呂武史が32.189票。未来現職の岡本英子候補は22.163票となっている。岡本候補は前回の2009衆院選では125.856票取っており新聞、雑誌予想でも当選確実視されていた。その現職の岡本候補が接戦にさえ持ち込めず維新、みんなの党の新人2名に遅れをとって5位となっている。解せないと云うしかない。

 埼玉7区現職の小宮山泰子も有望視されていたが、前回142.556票から今回は44.415票。票を大きく減らして新人の維新候補にさえ負けている。千葉3区現職の岡島一正も112.035票から31.161票。東京15区東祥三も105.131票から28.518票。下馬評の高かった岐阜1区の笠原多見子、愛知1区の佐藤夕子、愛知14区の鈴木克昌その他の得票数も予想より低過ぎる。誰一人として前回票を伸ばしていない。現職議員の場合、票を伸ばすことが通例で大きく減らすには相当の理由を要する。未来の党現職議員が民主を離党した故に考えられるとして済ませれているが釈然としない。

 未来党候補が僅かしか出ていない中国ブロック、四国ブロック辺りで票が出ないのは分かる。ところが、未来の党が重点的に候補を集中させていた岩手、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知でもさほどの票が出ていない。共通して当選にはるかに届かない票数辺りに止まっている気がしてならない。「票の怪」は未来の党候補だけではない。民主に残った小沢系候補の場合にも顕著に認められる。例えば、一新会会長代行にして滋賀県4区の民主現職の奥村展三の場合、44.231票で、自民新人の武藤貴也の57.049票、維新新人の岩永裕貴の47.715票に負けている。前回は113.801票であり、未来が対立候補を立てていないことを考えると票が割れることもないのに票減落差が大き過ぎる。逆に、千葉4区の野田首相の場合、163.334票(←162.153票)と微増させている。首相効果と云えばそれまでだが、野田首相の地元人気がそれほどあったのだろうか。

 しかし、これらは推測の域を出ないもどかしさがある。選管は、票の抜き取り、入れ替え、水増し等の不正がなかったことを証する為に投票者数と投票数、小選挙区票と比例区票、無効票につき精査して発表する義務があると云わざるを得ない。

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2012年12月21日 (金)

第46回2012衆院選考その5、小沢派一敗地にまみれるの巻

 ここで、「第46回2012衆院選考その5、小沢派一敗地にまみれるの巻」として未来の党の敗因を研究する。
 
 未来の党の前進を阻むもう一つの要因に、共産、社民に加えて、明らかに対抗的な維新の会がマスコミの支援を受けつつ登壇したことである。東の石原都知事、西の橋下大阪市長を押し立てて第3極として喧伝され、選挙の結果は堂々たる54議席を獲得している。未来の党は、この仕立てられた勢いに勝てなかった。今後の教訓として、この種のまやかしに惑わされない理論的戦闘的集団として党形成せねばならないのではなかろうか。

 敗因の戦術的要因として、前稿で述べたが未来の党への合流失敗が挙げられる。結果論になるが、こたびのみんなの党の善戦と比較した時はっきりするが、生活第一党で挑んだ方が却って戦闘力を増し、熱烈な支持を巻き起こしたのではなかろうかと思われる。そういう意味で未来の党への合流は失敗であった。如何なる経緯で未来の党への合流が決まったのか定かでないが、奥の院仕掛けの甘い話を持ち込み乗せられた謀略の臭いを嗅ぐのはれんだいこだけだろうか。

 数合わせで合流したものの代表の座を嘉田滋賀県知事に譲り、小沢どんは民主党の時と同じように一兵卒に戻らされた。これが果たして正しかったのだろうか疑問を禁じ得ない。この道を小沢どんが自ら選んだと仮定して以下苦言を申し上げる。

 小沢どんに期待されているのは小沢政権であるのに、小沢どん自身がいつまでも黒子癖に留まるなら次第に失望を生むであろう。これにつき、千葉4区で野田首相に戦いを挑んで敗退した三宅雪子は、「一夜明けての感想」として「稀有な個性と多数の支持がある小沢一郎を表に出さなかったことは残念でした」とブログしている。これが当然の正直な感想であろう。

 そもそも嘉田代表は、れんだいこの見るところ学者であり、政治的にはせいぜい地方自治の首長止まりの器でしかない。国政レベルで支持者を鼓舞し有権者の胸を震わせるような弁論弁証能力を持っていない。穏やかな口調そのものが政争には向いていない。その当人が代表の座を欲したところ、小沢どんを使いきると豪語する感性を疑う。小沢どんが性格的に黒子役を良しとするのであれば、誰か例えば森ゆうこを代表に据えて二人三脚体制を構築する方が賢明なのではなかろうか。嘉田が代表の座を譲らない限り未来の党に未来はない。いつそのこと生活第一党に戻って出直した方が良いと提言したい。

 嘉田代表にどこまで責任があるのか定かではないが、公示日当日の比例名簿提出を廻るゴタゴタもお粗末過ぎよう。そもそも選挙のプロである生活第一党側が名簿を作成しているものを、わざわざ提出日当日に強硬訂正させ、提出時間ギリギリに滑り込みセーフなどと云う不祥事があって良い訳がない。

 聞くところによると、嘉田代表肝いりの山口一区に立候補した飯田代表代行の比例重複順位を廻っての横槍であったと云う。それならそれで中国ブロックだけを訂正すれば良いだけのことであろう。それを全ブロックで現職議員と新人議員を対等に扱わせるとする改編指示を土壇場で為して大混乱させたと云う。あり得べからざる逆指揮であろう。そもそも「現職議員と新人議員を対等に扱う」なぞ非常識の極みであり聞いたことがない。生活第一党が練りに練った原案の方が正しいのは明らかであろう。

 かくて、比例名簿順位が滅茶苦茶なものになった。これにより、嘉田代表がわざわざ長崎2区から転籍させ近畿ブロック比例専任候補にさせた薬害肝炎被害者としての活動で知られる福田衣里子現職議員は比例名簿登載順位14位と云う絶体絶命の位置に登録させられた。小沢どんが絶対当選枠として用意していた比例専任候補が全員、選挙前に落選宣告されたことになった。恐らく選挙に臨んで一手一つにならねばならない時期の党に迷惑かけられないとの思いで我慢したのであろうが腹わたが煮えくりかえる暴挙であったに違いない。

 しかも未来の党のホームページ上に、その比例専任議員が登録されておらず雲をつかむようなことになっていた。残酷非情の仕打ちと云う他ない。こうなると嘉田代表の人間性が疑われると云うべきだろう。これについて嘉田代表の一片のお詫びも聞いていない。不自然な事この上ないと申しておく。

 嘉田代表は、12.17日未明の党声明で、「結党から三週間足らずでの総選挙・投票日という戦いでした。準備不足が原因です 」、「今後、今日のスタートを第一歩として、同じ思いの人を広く求めながら、より大きな高みをめざして進んでいきたいと思います。参議院選に向けて、これからが、スタートです」と述べている。ここには、多くの落選議員を出したことに対する責任、落選議員に対する労りの弁はない。むしろ小沢系議員の落選につき清々した気分さえ伝わって来る。何か人間性の資質に欠陥を感じるのはれんだいこだけだろうか。

 嘉田代表は18日、滋賀県庁で記者会見し、大きく議席を減らした原因について「小沢ファンと嘉田ファンが分極化してしまった。戦略が不十分だった」と発言している。結成間もない党内で早くも代表自ら小沢派との抗争を宣言していることになるが、もうそういう矮小消耗な政争なぞ見たくもない。嘉田ファンの党を創りたいなら嘉田党として純化するのが筋だろうと申し述べておく。仮に嘉田党が立ちあがるとして、彼女の果たした役割は何のことはない小沢派壊滅シナリオに基づき掻きまわしただけだつたことになる。

 未来の党の前進を阻んだもう一つの重要な要因に、卒原発論一本槍で臨んだことも挙げておかねばならない。原発問題の重要性から見てシングルイシュ―にしたこと自体は間違いではない。但し、卒原発の扉から全ての問題をこじ開ける、あらわる政治政策がこれに絡んでいるとして「一点突破、全面展開」の見地から訴えなければ単にシングルイシュ―に終わってしまう。実際この手のシングルイシュ―に向かってしまった。それは負けの道である。

 こたびの自公の大勝利を見ても明らかだが、有権者は原発問題のみならず景気回復、適切な経済政策を望んでいる。これはいつの時代でもそうで、政治の要諦は国民を食わすことにある。国民は目下の生活と将来の生活に不安を抱えており、これに応える政策を打ち出さない限り関心を寄せない。単発の卒原発論では見向きもされない。そういう関係であるのに経済政策論を打ち出さないまま選挙に挑んだ未来の党の勝利は暗かったと見なすべきであろう。そういう意味でも生活第一の党の方が訴求力があったと考える。

 最後に確認したいことは、これは小沢どんの手になるものと思われるが刺客作戦の失敗である。こたび千葉に多くの女性候補が刺客として送りこまれ全員討ち死にしている。これは仮に当選しても良からぬ戦術であると云わざるを得ない。今後は厳に慎むべきではなかろうか。

 元々小泉が郵政選挙で打ち出したものであるが、東京等の大都市圏ならいざ知らず、議員は生まれ育った故郷で闘うのが筋ではなかろうか。仮に野田を落選させたいとしたら一番にはその選挙区に有能候補を見いだすべきであり、いなければ千葉県全域から探し、それでもいなければあきらめるのが筋だろう。こたびの刺客作戦は策士策に溺れるの感があった。

 本稿の最後に2009総選挙の教訓でも述べたが選挙の意義について再確認し書き直しておく。「選挙は、お祭りであり集団芸術であり現代的な合戦である。いずれもパフォーマンスこそが命である。そこには良き軍師、プロデューサー、ディレクタ―が必要とされる。良き指導者を持ち各持ち場がこれを自主自律的に補翼する時、闘いは勝利する。逆は逆である」。

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第46回2012衆院選考その4、自公大勝要因の巻

 ここで「自公大勝要因の巻」として自公大勝の要因を確認する。これは「民主大凋落、維新とみんなの健闘、未来大没落、その他弱小政党のじり貧」の裏表の関係にもなっている。特に未来の党に注目し、その実質主体勢力である小沢派が何故にかくも一敗地にまみれたのかに留意しながら考察する。選管発表が公明正大なものであったとの前提で以下論ずることにする。選挙疑惑については最後の章で論うことにする。

 かくなる結果になったことに対して数々の要因が認められるが、要するに自公側軍師の作戦勝ちと云うことになるのではなかろうか。なぜなら、「民主の大凋落、自公、維新勢力の大勝利、未来の党への大打撃」と云う用意周到な仕掛けを狙い通りに完遂しているからである。

 その最大の仕掛けは、小選挙区比例代表並立制の特徴を熟知した者による弱小野党連合の分裂工作であったであろう。2009衆院選で萌芽した野党共闘の動きを掣肘し、その推進体である生活第一党の動きを封殺することに主眼が置かれ、その作戦が図星で当たった。その手法として対抗馬的な維新が結成され、実際には国民生活第一党が第3極であり仮想でしかないのに第3極として喧伝され、これにより生活第一党が意図的故意にスル―されることになった。もう一つの仕掛けとして共産、社民を小沢連合に組みさせない仕掛けが講じられ、共産、社民指導部がこれを受け入れている。こう理解する時、局面がよく見えてくる。そういう訳で、小沢どんの野党結集の動きは失敗するように楔が打ち込まれていた。

 故に、野党連合結集失敗は小沢どんの責任ではない。小沢どんはむしろ早くより非自公系野党の結集を呼び掛けていた。しかし合流したのは嘉田滋賀県知事派、生活第一党、亀井―山田新党、減税日本の三党でしかなかった。今から思えば大地党、新党日本が参加すべきのところ躊躇し、選挙の結果は芳(かんば)しくないことになっている。合流しないまでも選挙協力を結ぶ余地のあるところ傍観した罪は大きい。社民党の一部では合流の動きが見られたが福島執行部そのものが右を向いており何の影響も与えられなかったこうして自公軍師による野党分断工作はまんまと成功した。

 対する小沢軍師はその対応にも致命的な誤りを犯している。生活第一党が主勢力なって未来の党を結成したものの嘉田滋賀県知事を代表に立て、小沢どんは幹事長として采配を振うのではなくまたしても一兵卒に戻された。現有61議席を持つ生活第一党が代表を立てず、国会議員でもない滋賀県知事の嘉田代表が2012総選挙の采配を振うことになった。こうして未来の党は本来のリーダーである小沢どんの指揮下で総選挙に向かうと云う機会を失わされると云う大きな代価を払わさせられた。

 このシナリオを誰が仕組んだのであろうか。よしんば未来の党結成の功は認めても嘉田代表とワンセットにすべきではないところ、嘉田代表ありきの未来の党結成となり、それを呑んだ形で生活第一党が合流した。この筋書きが臭い。生活第一党の未来の党合流が成った瞬間、自公軍師の思う壺となりほくそ笑んだのではなかろうか。

 ところで、少数派野党分裂問題にはいつも共産党が絡んでいる。云うだけ野暮かもしれないが言及しておく。共産党は、2009衆院選では選挙区候補を絞った。ところがこたびは再び全選挙区に立候補させている。それは、2009総選挙で候補を立てなかったところの票が民主候補に向かったことで政権交代の一助の役割を果たしたことへの逆反省として全選挙区立候補制に再シフトしたとしか考えられない。それは、奥の院の対未来の党迎撃用の少数野党分裂指令に呼応したものであろう。

 この党の党中央はそう云う風に飼われているのではなかろうか。その上で共産党そのものが体制側から見てガス抜き安全パイとして利用されていると思う以外にない。口先の政策はともかくも、実際にやっていることを見よ、明らかに自公政権を利する形で裏から補完している。これまでも古くでは角栄を、鈴木ムネオを、目下は小沢どんに対する咬ませ犬として利用されてきたし、今後もされ続けるだろう。この日共的党中央を打倒しない限りこの党の再生はあり得ないと何度も申し上げてきているところである。

 結果は、全員落選どころか比例票を約125万票減らしている。公明党の絞り込み9名全員当選に比して余りにも鮮やかなお粗末さではなかろうか。供託金没収もかなりの金額になるが、それも毎度のことであり、それを難なく切り抜けている党財政が気になるところである。この党の経理を真に見た者はいない。監査役がまともなら卒倒するような手品経理になっているのではなかろうか。何から何までこの党の胡散臭さは折紙つきである。

 共産党は選挙後次のように声明している。「私たちが出発点とすべきは、2010年参院選比例票の356万票」であることを銘記して、このたたかいにのぞみました。この出発点にてらすと、総選挙で、わが党は、比例代表で369万票に、得票・得票率をわずかですが前進させました。小選挙区での全区立候補に挑戦し、選挙区選挙で470万票を獲得したことも、積極的意義をもつものでした」(2012年12月17日 日本共産党中央委員会常任幹部会「総選挙の結果について」)。

 共産党のこたびの小選挙区得票数は4.700.289票、比例区得票数で3.689.159票。前回の2009衆院選の小選挙区得票数は2.978.354。比例区得票数は4.943.886票である。衆院選同士の比較をせずに。2010年参院選比例票の356万票に比して「わずかですが前進」と総括している。これが科学的社会主義なるものに基づく分析であるらしい。嫌らしいと云うべきか姑息さにもほどがあろう。

 共産党の胡散臭さは以上の通りであるが、社民党がこれに倣い始めた感がある。福島執行部賞味期限切れを指摘せざるを得ない所以である。この党への言及は既に語るに値打ちがないので轄愛する。

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2012年12月19日 (水)

第46回2012衆院選考その3、各党寸評の巻

  第46回2012衆院選の各党の議席は次のようになった。これを各党別に分析する。

  最初に申し述べておくことは、新聞各社の事前予想がまたしても当たったことである。2005、2009総選挙の時もそうだったが各新聞社の予想は非常に正確ということになる。世論誘導するから結果が当たるのか、空気を的確に読むから当るのかまでは分からないが、ネット世論調査よりよほど正確と云うことが判明した。ネット世論調査の方に信を置いたれんだいこ予想の今後の自戒としたい。投票不正、開票不正の疑いもあるが確たる証拠がないので匂わせるだけとする。

 れんだいこ予想は、2005総選挙の時に大外れ、2009総選挙の時にほぼ的中、こたびの2012総選挙では大外れした。もっとも未来の大健闘に期待した分を自民に上乗せすれば辻褄は合っている。但し、維新と公明党の健闘は予想以上のものとなった。原発再稼働反対の声なき声が存在し、未来の党に結集すると見立てたのが誤りだった。この辺りもっとリアリズムに徹しないといけないと反省したい。それにしても、日本人民大衆の頭脳が予想以上にスポンジ化ピーマン化されつつある気がしてならない。普段からの寺子屋式政治学習の場を日本列島津々浦々に創建せねばならぬのではなかろうか。

 自民党は、選挙前勢力118議席を大幅に上回る294議席(選挙区237、比例57)を獲得した。小選挙区では300議席の79%を占めたことになる。比例は前回55議席を2議席上回る57議席にとどまったが、これは「選挙区は自民、比例区は公明」の申し合わせの影響もあるものと思われる。2009衆院選では、212→300→119議席(小選挙区64、比例55)の歴史的な大敗北を喫したが一気に挽回した。この時、岩手、秋田、福島、埼玉、新潟、山梨、長野、静岡、愛知、滋賀、長崎、大分、沖縄の13県の小選挙区で全敗し「空白県」となったが、こたびは逆にそれぞれ1議席以上を獲得し「空白県」を解消した。安倍総裁―石破幹事長体制が信認され組閣に着手した。特記すべきこととして2009総選挙で落選した元職議員、小泉チルドレンの相当数が復帰した。

 同党の小選挙区得票数は25.643.309票、比例区得票数は16.624.457票、票差は小選挙区基準で9.018.852票減。つまり小選挙区の約900万もの票が公明ないしは他党に流れていることになる。2009衆院選(以下、前回と記す)の小選挙区得票数は27.301.982票、比例区得票数は18.810.217票。これによればこたびの選挙で小選挙区得票数、比例区得票数とも約200万票減らしていることになる。にも拘わらず空前の大勝利とは怪奇現象が起っているとしか考えられない。小選挙区制の恐さでもあろう。

 公明党は、小選挙区に擁立した9人の候補者全員当選、比例区でも22議席を獲得し合計10議席増の31議席(選挙区9、比例22)とした。2009衆院選で落選した太田元代表、北側元幹事長が共に比例区重複保険を掛けない背水の陣を敷きながら見事に返り咲きした。天晴れと云うべきだろう。どこかの党に煎じ薬を飲ませたい。

 同党の小選挙区得票数は885.881票、比例区得票数は7.116.474票、票差は小選挙区基準で6.230.593票増。これは小選挙区を全員当選体制9名に絞り込んだことによるものであろう。前回の小選挙区得票数は782.984票。比例区得票数は8.054.007票。これによればこたびの選挙で比例区得票数で約100万票減らしていることになる。こちらも約100万票を減らしながら10議席増とは怪奇現象が起っているとしか考えられない。

 民主党は、2009衆院選の308議席、小沢系が抜けた後の公示前の230議席からみても4分の1以下の57議席(選挙区27、比例30)に大凋落した。前回は177→115→308議席(小選挙区221、比例87)となり歴史的な大勝利を収めたが、1998(平成10)年に現在の民主党が結成されて以来最低となった。これにより野田首相は即刻辞任を余儀なくされた。

 留意すべきは、辛うじて当選したのは鳩山、菅、野田政権下で要職に就きスポットライトを浴びた議員ばかりであり、冷遇された小沢系居残り組はほぼ完全に潰えていることである。要職者の中でもかなりの人数が落選しているが、小沢系居残り組の殲滅を思えばそれほどのことでもなかろう。かような憂き目に遭わされるのであれば後の祭りではあるが筋を通して小沢系がひとまとまりになり新党を創出した方が賢明だったのではなかろうか。

 同党の小選挙区得票数は13.598.773票、比例区得票数は9.628.653。票差は小選挙区基準で3.970.120票減。つまり小選挙区の約300万もの票が他党に流れていることになる。前回の小選挙区得票数は33.475.334票。比例区得票数は29.844.799票。これによれば、小選挙区得票数で19.876.561票、比例区得票数で20.216.146票減らしていることになる。どちら2千万票減と云う恐ろしい数字が出てくる。野田政権は、これを痛苦に受け止めているのだろうか、却って少数精鋭になったとして居直っているのであろうか気になるところである。

 以下、第3極政党を確認する。

 日本未来の党は、選挙前の61議席から9議席(選挙区2、比例7)に大きく減らした。小選挙区得票数で2.992.365票。比例区得票数で3.423.915票。票差は小選挙区基準で431.550票増。つまり小選挙区票を基礎票とした場合、空白選挙区から約43万票しか増やしていないことになる。これが実際なのかどうか俄かには信じ難い気がするのはれんだいこだけだろうか。実際であったとすれば、嘉田代表の訴求力が如何に弱かったかの責任問題に繫がるべきだろう。未来の党ついては別サイトで確認する。 

 日本維新の会は、選挙前の11議席から54議席(選挙区14、比例40)に5倍増伸張した。比例代表で民主党を抑えて第2党の議席を獲得したほか全体の議席でも民主党との差が3議席に迫った。小選挙区得票数で6.942.353票。比例区得票数で12.262.228票、票差は小選挙区基準で5.319.875票増。つまり小選挙区票を基礎票とした場合、空白選挙区から約530万票増やしていることになる。未来の党との鮮やかな対比が確認できる。この党については興味がないので言及を轄愛する。

 みんなの党も選挙前の8議席から18議席(選挙区4、比例14)へと倍増した。前回の善戦に引き続き大健闘した。代表の渡辺が比例重複保険を掛けずに捨身で勝負した気迫が全軍を鼓舞したのではなかろうか。どこかの党の代表に煎じ薬を飲ませたい度胸であった。政策第一で安易な野合をせず単党主義で筋を通した結果の勝利であることを思うと更に興味深い。

 同党の小選挙区得票数は2.807.244票、比例区得票数は5.245.586票、票差は小選挙区基準で2.438.342票増。つまり小選挙区票を基礎票とした場合、空白選挙区から約240万票増やしていることになる。前回の小選挙区得票数は615.244票。比例区得票数は3.005.199票。これによれば、小選挙区得票数で2.192.000票、比例区得票数で2.240.387票増やしていることになる。どちらも約220万票増と云う数字が出てくる。こちらも未来の党との鮮やかな対比が確認できる。

 共産党は選挙前の9議席から1議席減の8議席(選挙区0、比例9)となった。この党は又も長期じり貧を繰り返す結果となった。捲土重来を呼号して且つ負け続けているのが既にお笑いの域に入っている。それでも宮顕、不破に続く同一系の志位執行部は続投意向を示しており党内権力を放さない。1955年以来60年有余、同一系執行部が続くと不倒最長記録を更新中である。これが党内で問題にならない特殊な党中央集中制タコ壺政党になっている。

 同党の小選挙区得票数は4.700.289票、比例区得票数で3.689.159票、票差は小選挙区基準で1.011.130票減。つまり小選挙区票を基礎票とした場合、約100万票減らしていることになる。前回の小選挙区得票数は2.978.354。比例区得票数は4.943.886票。これによれば、小選挙区得票数で1.721.935票増、比例区得票数で1.254.727票減らしていることになる。小選挙区で約170万票増加したのは候補者を増やしたことによるものであろう。しかるに比例区で約125万票減らしているのは由々しき事態であろう。

 社民党は、選挙前の5議席から2議席(選挙区1、比例1)となり、平成8年に旧社会党から現在の社民党に移行してから最少議席に転じた。こちらも福島執行部は続投意向を示している。福島代表の賞味期限はとうに終っているのに代表の座にしがみつくのは政治の私物化以外の何ものでもなかろうが、既にそういうことを問う活力さえ持ちあわせていないように思える。

 同党の小選挙区得票数は451.762票、比例区得票数は1.420.790票、票差は小選挙区基準で969.028票増。前回の小挙区得票数は1.376.739票、比例区得票数は3.006.811票。これによれば、小選挙区得票数で924.977票減、比例区得票数で1.586.021票減していることになる。社民党も比例区で約160万票減らしており、全国で140万票しか取れないと云う現実は既に解党的危機に陥っていることになる。

 新党大地は、選挙前の3議席から1議席(小選挙区0、比例1)となった。鈴木宗男代表が公民権停止処分を受けて活動できなかったとはいえ散々な結果となった。今後は分からないが案外と地力がないことを示した。小選挙区得票数で315.604票。比例区得票数で346.848票。票差は小選挙区基準で31.244票増。つまり約3万票しか増えていないことになる。前回の小選挙区得票数は0票、比例区得票数は433.122票。これによれば、比例区得票数で86.274票減らしていることになる。前回は代表の鈴木ムネオ一人が闘い約43万票取ったのに対し、6名の候補者を立てた今回は逆に約8万6千票減らしていることになる。理解し難い現象である。選管の再チェックをお願いしたい。

 国民新党は選挙前の2議席から1議席(選挙区1、比例0)となり、2005(平成17)年の結党以来、最少議席となった。去る日に亀井代表を追放した罰が当ったものと思われる。新党日本は、選挙前の1議席から0議席(小選挙区0、比例0)となった。党代表の田中康夫(兵庫8区)が落選し国会での足場を失った。改革クラブは、0→0議席。無所属は8→5議席。小泉龍司(埼玉11区)、中村喜四郎(茨木7区)他が健闘した。  

 かくて自公両党が325議席が出現し、自公体制だけで衆議院議席の3分の2の320議席を上回る議席を獲得することになった。これにより参議院で否決された法案を衆議院の3分の2以上の賛成で再び可決して成立させることが可能になった。この自公体制に民主、維新、みんなの党他の改憲勢力が加われば憲法改正も可能となった。この間、憲法改正要件緩和の動きがあるが、これも不要となった。日本国憲法第九十六条「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」を緩和せずとも少なくとも衆議員では可能となった。

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第46回2012衆院選考その2、投票結果総評の巻

 その2を「投票結果総評の巻」とする。第46回衆院選の議席結果は次の通り。

 小選挙区300、比例区180の全480議席のうち、自民294(←118)、民主57(←230)、維新54(←11)、公明31(←21)、みんな18(←8)、未来9(←61)、共産8(←9)、社民2(←5)、国民新党1(←2)、大地1(←3)、新党日本0(←1)、改革0(←0)、諸派0(0)、無所属5(←8)となった。再政権交代により与党となる自公は、参議院で否決された法案を衆議院で再び可決して成立させることができる衆議院議席3分の2を上回る325議席を獲得した。第46回衆院選の各党獲得得票数は別表に記す。

 かくて2009政権交代の逆政権交代選挙となった。まるでオセロゲームのように民主党から自民党へと札が変わった。政権与党の民主党が有権者に不信任されたことになる。民主党は、3年有余に亘ってごく一握りの幹部で閣僚ポストをたらい回しにするメリーゴーラウンドで政治を私物化して来た。政治に於ける政治家発言がこれほど軽はずみにされた例はない。政治責任がなく言葉のあや的弁明に終始する政治遊びに終始した。その挙句、自公政治の方がまだましとして元の鞘に納まった感がある。

 れんだいこが窺うのに、こたびの解散は胡散臭いものであった。三代目の野田政権が意図的故意に御党を壊滅させる猿芝居を打ち、自公と通じて党内を騙しながら抜き打ち解散に出ている。意図的故意に政権を元の自公に禅譲すると云う寸劇を執り行った気がする。そういう意味で、野田首相そのものの胡散臭さが疑われる。野田首相はそもそも反革命式に御党解体の使命を帯びて党中央の座イスに座るように根回しされ登場してきた人物だったのではなかろうか。

 この観点から見れば野田政権の為したこと全体が胡散臭い。孫子の代にまでツケを及ぼさないと云う名目で消費税増税法案を可決させたが、原発については再稼働を画策し続けた。孫子の代にまでツケを及ぼさないのであれば原発再稼働など言語道断のところ優柔不断対応で終始してきている。辻褄が合わないこと夥しい。これに伴い同法案に反対した小沢派の追いだしを完遂している。冤罪が確定した小沢どんに対する執拗なバッシングを続け党外放逐したのも胡散臭い。代わりに公然と自公民体制を打ち出した。この間、民主党三代政権は、2009政権交代時のマニュフェストを反故し続け、その他民主党に幻滅を与えるような意図的故意の施策と発言を続けて来た。決して自然な流れではなかろう。

 但し、自公政治に食傷し、民主政治にがっかりした勢力を糾合した未来の党を支持する投票一揆は不発となり、未来の党は一敗地にまみれた。その未来の党に対抗する維新の会が第3極政党に躍り出た。未来の党と維新の会の中間に立ち、維新よりのみんなの党も躍進した。かくて2009政権交代が大流産し、元の黙阿弥あるいはそれ以上に反動化した旧体制が復活した。

 この結果をどう受け止めるべきだろうか。3.11福島原発事故に遭い、現に対応がままならぬ中で原発再稼働、増税政策、憲法改正、TPP推進を呼号した自民党が圧倒的な支持を受け政権復帰したが、これにき歴史責任を負うべきであろう。

 こたびの選挙期間中、選挙報道が極力抑制され、総務省の選挙公報もなく、真の第三極であった未来の党絡みの情報がほぼ遮断されると云う或る種報道管制が敷かれた異常下で選挙が執行された。その結果としての自公、維新、みんなの大勝であった。これを地団太を踏んで口惜しがるのが未来、共産、社民、大地の党であるところ、少なくとも代表レベルでは不思議と楽しそうなコメントをしている。それが証拠に大敗乃至じり貧したと云うのに誰も責任を取らない。ただ一人、民主の野田が辞任を余儀なくされたが、これまた後釜が同一系から選出されるようで何とも政治のお遊びの度が過ぎよう。

 しかし、それを幾ら強調したとしても事態は何ら変わらない。であるが故にむしろ新たに形成されつつある自公民体制、これを支援するマスコミの報道管制を打ち破れなかった側の主体的能力をも反省すべきだろう。ちなみに朝のニュース番組ではモーニングが一切選挙報道をしなかった。特ダネもほぼ同様にスル―し抜いた。朝ズバは辛うじて取り上げたものの第3極としての未来の党隠しに終始していた。

 この腐れメディアは、選挙結果が判明するやお祭り騒ぎで報道合戦する醜態を晒している。これを思えば、情報を公平に伝達する新メディアの創出が歴史的課題になったと明確に受け止めるべきだろう。これを総評とする。

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第46回2012衆院選考その1、投票率の巻

 以下、後日の資料とする為に第46回衆院選を確認、検証、総括しておく。その1を「投票率の巻」とする。

 期日前投票は次の通り。全国で1203万9570人(←1398万4866人)、全有権者数の11.37%(←13.40%)、過去3回の国政選挙で最も多かった2009衆院選時より169万3796人減ったことになる(前回比13.91%減)。期日前投票率が最も高かったのは秋田の22.31%。低かったのは**。前回から増えた都道府県はなかった。期日前投票は2004年の参院選で導入され、その後増え続けてきた。前回の2009衆院選が過去最高で今回初の減少に転じた。在外投票の投票率は小選挙区19.97%、比例代表20.38%。

 気になることとして、選管がこういう数値を発表することは良いとして、更に期日前投票、在外投票の投票内訳を発表せねばなるまい。選挙の不正が噂されている折柄、あらぬ疑いを掛けられない為にも発表すべきである。今後は投票数、投票率、投票内訳を三位一体として発表すべきである。

 投票率は次の通り。投票は、全国300の小選挙区と11ブロックの比例区(総定数180)の議員を選出する為、2012.12.16日午前7時より全国各地の凡そ4万9000か所の投票所で始まった。即日開票される。総務省発表によると、午前10時投票率は全国平均で7・46%(前回2009年は13・19%)。午前11時投票率は14・03%(々21.37%)。午後2時投票率は27・40%(々35.19%)。

 投票は午後8時で締め切られるのが慣例のところ午後6時終了、午後7時終了とする時間繰り上げ投票所が増えた。投票終了時間は、開票所までの票の搬送時間などを考慮し、各自治体の選管が投票所ごとに繰り上げることができる。期日前投票の利用が浸透し遅くまで開票所を開くメリットが減っている、その他天候の判断によったものと思われる。

 最終的に投票率は小選挙区計算で59.32%となった。男女別投票率は男性が60.14%(←69.44%←66.80%)、女性が58.55%(←69.11%←68.18%)。当日有権者数は1億395万9866人(男性5020万4503人、女性5375万5363人)、このうち6166万9473人が投票した。

 2003年以来の60%割れとなり、1996年の59.65%を更に下回る衆院選戦後最低を記録した。前回の2009年衆院選は69.28%であり、194万4515人減、47都道府県全てで下回った。前々回2005年衆院選は67.52%。前々々回2003年衆院選は59.86%。投票率が最も高かったのは島根県の65.74%、次に山形県の64.86%、山梨県の63.67%。低かったのは高知県の53.89%。次に青森県の54.20%、栃木県の54.71%。

 選管の即日開票分発表にも意見しておく。選管は、投票率のみならず投票者数と投票総数の誤差率をも発表すべきである。これは不正投票、ミス投票等を監視する為に必要である。最近、選挙区と比例区の票を間違って渡すとか、二度投票さすとか、投票用紙を二枚渡すとか、従来ではあり得なかった不用意な手違いミスが頻発している。厳に戒めて貰いたい。投票箱の管理、投票の集計、無効票の確認も同様である。立会人のチェック体制機能を十分に発揮して貰いたい。これも選菅の重要な任務である。

 気になりだすといろんな不十分さが見えてくる。今日ではコンピューター集計も可能であるので、人間による手作業確認とコンピューター確認の両集計により万全を期すことが望まれているように思う。付言すればコンピューター確認のみでは却って不正の温床となるので両確認すべきであろう。

 最後に。投票率の低下をどう考えるべきか。政治的無関心層が増大していると考えるべきで、かってのような政治的関心層の積極的棄権によるとは考えにくい。このまま逓減が続けば普通選挙制の根底が崩れることになる。こうなると普通選挙制下での選挙人事前登録者制をも考えざるを得ない。登録者名簿に基づき投票用紙を発送すれば良く投票率も確かなものとなるように思われる。経費節減にも資するので大いに検討に値するのではなかろうか。

 なお、こたびの総選挙に於いて、いつもなら行っていた筈の総務省の投票呼びかけテレビコマーシャルがなかったと思う。あったのかも知れないが、午前7-8時帯にしかテレビを見ないれんだいこには確認できなかった。視聴率の高い時間帯に効果的な選挙公報をすべきではなかろうか。仮にテレビコマーシャルがなかった場合、その理由を開示させねばなるまい。

 もう一つ。今回の衆院選の小選挙区の投票総数は約6166万票、うち有効投票は約5962万票、無効票が約204万票、投票総数に対する無効票の割合は3.31%だった。小選挙区を導入した1996年以降で最も多く、これまで最多だった2000年衆院選の約187万票、2.99%を共に上回った。都道府県別では無効票の割合は高知が5.23%で最も高く、次いで大阪が4.62%、熊本が4.43%、東京が4.20%、佐賀が4.05%だった。最も多かった高知県の選挙管理委員会によると、無効票約1万7千票のうち約9千票が白票だった。政党を選ぶ比例代表の無効票は約148万票。無効票の割合は2.40%で、小選挙区の無効票の割合を初めて下回った云々。

 こうなると一言せねばならない。選菅は、無効票の内訳をも開示せねばならない。高知県選管によると「無効票約1万7千票のうち約9千票が白票」だったと云うことであるが、白票外が8千票と云うことになる。どういう無効票だったのかはっきりさせるに越したことはなかろう。我々は、未来の党の重点区であった岩手、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知の無効票をこそ知りたい。ぜひ情報を開示させねばならない。

 2012.12.19日 れんだいこ拝

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2012年12月13日 (木)

第46回2012衆院選、終盤情勢考

 第46回2012衆院選は、いよいよ大詰めを迎えた。序盤情勢は、与党民主党野田政権の上からの反革命解散より旧政権側の自公にフォローの風を吹かせた。基本的にはこの構図が終盤に至っても変わらないまま投票日を迎えることになった。

 この構図安定化の為か、第3極の未来の党に対する関心を生まさせない為にか、特にテレビで顕著だが前代未聞の報道抑制が続いている。朝のニュース番組の三羽ガラスの朝ズバが少し触れ、特ダネがかする程度に触れ、モーニングが未だ無報道である。夕方、夜のニュース番組では採り上げているのかも知れないが異例中の異例な不祥事が続いている。当然のことながら恒例の激戦区、接戦区、面白選挙区等を廻る報道さえない。マスコミのこのような報道姿勢が厳しく問われるべきだろう。

 だがしかし、そういう報道管制を突き破り、未来の党が着実に支持を広げている。最終盤で当選見込みへと駆け込みそうな気配が認められる。この声がこだまとなるには時間がないが、切迫した時間に合わせて次第に響きつつある。

 逆にマスコミ鳴り物入りで登場した維新の会は急速に失速し、既に息切れしている。既に石原と橋下の二人の間のみならず、特に比例での天下り候補の不正を廻って党中央と立候補者間で内紛模様でさえある。マスコミ各社がなお幻想を振りまいているが、本物の未来の党が輝きを増しているのに比してニセモノのメッキが剥げつつある。

 思えばマスコミは2009総選挙でも人民大衆の選挙熱を冷まそうと躍起になって様々な事件、事故、芸能報道に明け暮れた。こたびも同様のそらし報道を続けている。申し渡しておくが日本人民大衆はそうは馬鹿ではない。既に目くらましの術を見破り未来を見据えている。

 残念なことは、未来の党が勝利の方程式までは生み出していない。しかしこれは何も未来派の責任ではない。未来派は、小沢系生活第一党、亀井・山田系新党、河村系減税党、社民の阿部を合同せしめ小選挙区選挙制対応した。しかるに合同すべき余地が十分に考えられる共産、社民が相も変わらず背を向け、それどころか投票分裂を誘う乱立戦略に打って出た。共産の場合には2009総選挙にも増して選挙区候補を立て相変わらずの唯我独尊に耽っている。度重なる供託金没収を意に介さないこの党の財政の仕組みが解せない。いずれこの仕掛けも検証せねばなるまい。

 共産、社民の対応は単に党利党略では説明できまい。投票分裂を企図する奥の院の働き掛けがあり、共産、社民の党中央がこれに呼応していると云うことではあるまいか。この闇こそ指弾されねばなるまい。大阪維新の会、東京石原新党の合同による日本維新の会の役割もそのようなものであり、野党側の投票分裂シナリオに沿うものとして了解すべきであろう。それが証拠に、日本維新の会の石原代表、橋下代表代行の舌鋒は自公民に対してよりも未来の党攻撃の際に激化する。推して知るべしであろう。みんなの党は、大阪維新の会との共闘に失敗し、且つ未来の党とのそれをも拒否し共産、社民並の単党主義を貫いた。吉と出るか凶と出るか分からないが渡辺代表の責任が重い。

 そういう結果として、旧政権派の自公大勝の構図となっている。これを突き崩すには我々の投票一揆しかない。2009衆院選の投票一揆は民主党フォローに向かった。2012総選挙では未来の党に向かう。今のところ爆発的なうねりにまでは至っていないが恐らく最終盤で未来の党へとなだれ込むことになるのだろう。その結果、未来の党の中核である小沢派が日本政治の一角に引き続き橋頭保を築くものと思われる。2009政権交代は当たり前の政治に戻す元年と為すべきところ、なり損ねた。その宿題を果たすべく未完の挑戦に向かうことになるだろう。

 以上の判断に従い2012衆院選の最終局面のれんだいこ予想をしておく。選挙区比例区総合で自民230(←118)、未来100(←62)、民主60(←230)、維新30(←11)、公明24(←21)、みんな15(←8)議席前後が予想される。小政党は、大地6(←3)共産5(←3)、社民5(←3)、日本1(←1)、国民新0(←2)、改革0(←0)、無所属3(←10)議席見当が予想される。

自民、未来、大地が大健闘したことになる。相関関係的には未来の議席が減ずれば自民に加算される。自民の議席が減ずれば民主か維新に加算される。自民の大勝の原因は、小沢派を欠いた民主候補者のタマが悪過ぎることにある。興味深いことは、民主党内に残存した親小沢系候補に限って善戦していることである。菅、野田派は閣僚級を除き全滅するように思われる。

 この予想が当るか当らないか。当るも八卦当たらぬも八卦となる。その意味では参考でしかない。脱原発ベクトルが大きく働くとして未来100議席を予想したれんだいこ評が胸を張ることになるのか恥をかくことになるのか。マスコミ各社の意図的故意の自公+維新誘導報道よりは正確ではなかろうかと自負している。さあて、16日には早朝に連れ合いをけしかけ投票に行き、夜にはテレビ漬けとなってみよう。

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2012年12月 8日 (土)

第46回衆院選の選挙情勢考

 「第46回衆院選の構図考」を受けて、本稿では選挙情勢を解析する。選挙運動も後一週間になった。げんこつを振り下ろす先は民主。ここまでは決まっている。その先を間違ってはいけないのに早くも「「自民、驚愕の293議席獲得」なる」卦が出ている。こうなると元の黙阿弥に戻ったことになる。振り下ろしたげんこつを開いてエールの手を振らねばならない。その先はマスコミの云うが如くの維新なのか。みんななのか。未来ではないのか。これを論ずる。

 2012衆院選は、小選挙区300の殆どの区で主要6党が争っている。主要6党とは、議席数順に民主、自民、未来、公明、維新、みんなを云う。立候補者数では共産党も入るが当選見込みのない出ただけ候補なので加えない。2012衆院選は2009衆院選の政権取り対決に比して大きく様変わりしており、政権取った民主側からの政権返しとなっている。野田と云うのはそういう役割で首相の座に送りこまれた奥の院エージェントと思えば良い。民主党の相当数が飼われていると見て良い。通りでよく国内では財源がないと云う舌の根の乾かないうちに国際絡みにお供えする訳だ。

 予想として自民280、民主55、未来50、維新30、みんな15、公明24のそれぞれ前後と推定される。これは序盤情勢であり終盤には幾分変動があろう。

 自民は、2009衆院選の大敗北に対して捲土重来した。棚から牡丹餅式のヤラセ勝利にせよ結果が見事である。元職も新人も相当数が恩恵に浴している。他方、大敗北を期した民主には立ち直す意志も能力もない。恐らくこのまま消失していくことになるだろう。野田派はお役目ご苦労さんでなでなでしてもらうのか用済みにされるのかは分からない。

 踏ん張った未来は次期総選挙の足がかりを作り、次期の飛躍を期すであろう。維新は反小沢、未来潰しの役目を終え自民に先祖返りするだろう。みんなはかっての民社党のような役目を果たしていくことになるだろう。共産、社民は現党中央体制が続く限り歴史博物館入りして行くことになるだろう。大地は地域政党として生き残り、新党日本、新党改革はなくなるだろう。政局の溜まり場として無所属数名と云う構図になろう。

 政党連合を検証するのに、小選挙区制の特徴を科学的に分析し、自民と公明がうまく提携している。その他の政党は中選挙区時代と何ら変わらない相変わらずの子供の対応に終始しており、選挙協力どころか激しく鎬(しのぎ)を削っている。強い方が結束し、弱い方が分裂して勝てる試しはないのに、そうなっているからには、そう為すような奥の院の糸の操りがあるからだろう。かくて自公の勝利が約束されている。

 小選挙区制の意味をリアリズム的に認識し逸早くオリーブの木連合を呼び掛けていたのが小沢どんであったが、オリーブの木連合の産みの親であるイタリア共産党と最も近い政党である日本共産党が鼻であしらい、そのオリーブの木連合に対抗的に生み出された日本維新の会がマスコミに持て囃されると云う按配で、これでは勝てない。今後は自公民連合になるであろうから余計に勝てない。そういうことがはっきりしたのが2012総選挙であり意義であろう。

 この構図はもはや覆せないと云う意味で勝負の帰趨ははっきりした。ならばせめて一太刀と云うのが人情だろう。そこで、こたび投票要領を記す。誰に入れて良いか分からないと云う泣き言を云う人の為に提供する。
 1、必ず投票に行く。投票に行かずに開票速報見ても面白くない。やはり一票の投票一揆してから開票速報見るべし。
 2、期日前投票は票の入れ替え等の不正が考えられるので、極力投票日の投票にする。
 3、選挙区が自民党、共産党の場合。どちらの党に入れるも良し、あるいは任意の尊敬する政治家を記すのも良し。
 4、選挙区が自民党、民主党、共産党の場合。民主党候補者が小沢どんに近い履歴を持つ場合、彼に投票する。他は前項同様とする。
 5、選挙区が自民党、民主党、第3極、共産党の場合。未来の党の候補者が居る場合には一も二もなく投票する。   

 いない場合には、生活第一党から見て近い候補に投票する。あるいは反自公民体制側の当選見込みある者に投票する。維新対みんなの場合、みんなに投票する。
 6、極力死に票にならないよう状況判断する。
 7、比例区は、無条件に未来の党に投票する。

 有権者が上記のれんだいこ式投票要領を守ってくれれば、マスコミの事前予想を覆す痛快な投票一揆ができる。これが、世界的に稀な従順なる資質を持つ日本国民の平和革命の道である。残念ながらこたびは政権取りではない。

 これが、福島原発被災民が現に泣いている傍で原発再稼働を唱えて恥じないこの国の為政者を懲らしめる方法である。原発なければ電力が供給できない論に対しては、原発事故直後に脱原発を決めていれば今頃はエコエネによる供給体制ないしは見込みが立っている筈、手をこまねいていて何を云うか、眠い眠い帰れこの外道め、この原発賊めがと云い返してやれば良い。他の書き方もあったが、こういう論になった。日本列島津々浦々に、この声が届くよう念じる。

 2012.12.08日 れんだいこ拝

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2012年12月 6日 (木)

日本未来の党の比例名簿提出混乱考

12.4日、日本未来の党の選管に対する衆院比例選の候補者名簿提出が遅れ、出鼻を挫(くじ)かれると云う大失態を演じている。これは偶然か意図的故意のものなのか、残された選挙戦に微妙な影響を与えると思われるのでスッキリさせておく。選挙区名簿と比例名簿の差異が分からないが、事件は比例名簿を廻って勃発している。

 日本未来の党は、公示日前日の3日までに119人の候補者を選定していた。立候補届出には、候補者名簿と候補者本人の同意書や供託証明書などが必要で、事前に選管のチェックを受けるのが慣(なら)わしである。通常、届け出は事前審査を選管側と何度も繰り返し、当日は即受理できるようにあらかじめ書類を整える。公示日を迎えた4日の受付開始の8時半、各党は、東京・霞が関の総務省の地下2階の受付会場へ出向き名簿を提出している。比例名簿はブロックごとに提出される。ほとんどの政党が午前中に手続きを終える。立候補届出受付が締め切られるのは4日午後5時。

 ところが、日本未来の党がこの当たり前の手続きができず大混乱する。そもそも嘉田代表サイドには経験がなく、為に生活第一党グループが名簿を作成していた。それによれば 前職と参院からのくら替え組を上位で優遇し、比例単独候補の順位にも細心の配慮をした上で1~3位の順位を付けて記載していた。この順位を廻って議論があったものと思われるが、北海道、北陸信越両ブロックは3日の時点で事前審査を終えていた。残る9ブロックでは調整が続いていて事前審査まで進まなかった模様である。総務省は、「主要政党が事前審査を終えずに公示日を迎えるのは異例」としている。

 当日の経緯は次の通りである。4日朝、北陸信越ブロックが比例名簿を持って受付会場を訪れた。審査の最中、飯田代行が中央選管に電話をかけ、「名簿を変更したい。小沢氏サイドが名簿を持って行っても嘉田代表は了承していないので受理しないでください」と伝えた。

 この背景には山口1区から出馬する飯田代行の事情が絡んでいた。原名簿では、中国ブロック内の亀井氏ら前職2名が1位で、飯田氏は3位に記載されていた。これに対し嘉田代表が反発し、重複候補は新人も含め横並びの惜敗率名簿にして平等に扱うべきだとして変更を迫った。代表派が、小沢裁定による名簿に異義を唱え、公示日当日に急きょ書き換えを迫った形である。普通、これを横槍と云い暴挙と云う。

 生活第一派は混乱を避ける為、比例名簿の書き換えに向かった。この為に提出が大幅に遅れ、あわや受付時間に間に合わない事態まで陥ることになった。この間当然、審査は中断される。北陸信越ブロックが名簿を作成し直し再提出したのが午後2時頃。その後順次提出されたが、8ブロックが修正、東北、北関東、九州の3ブロックは原名簿のまま提出した。

 一つ目のブロック名簿が受理されたのは午後3時40分頃。締め切りの午後5時を迎え未提出のブロックもあった。「受け付け会場を閉鎖します」というアナウンスが流れる中、最後の書類を持った党関係者が会場に滑り込んだ。この滑り込みが有効かどうかの協議が為される中、森ゆうこ副代表が5時45分頃駆け付け、「ちょっとお話をさせていただきたい」と調整に乗り出す。川島智太郎幹事が駆け付け審査手続きに加わる。

 書類の審査が続けられる中、東北、中国、四国ブロックの名簿が見つからないトラブルが発生した。届け出が受理できるかどうかの協議が続く中、名簿が見つかった。締め切り後に持ち込まれたとの疑惑に対し、総務省幹部が「受付テーブルの束から出てきた」と説明し一件落着させている。書類の記載漏れなどの審査を終え全てが受理されたのは締切5時間30分後の午後10時半。マスメディアの一覧に掲示されたのは午後11時を回ってからとなった。

 総務省によると、4日午前8時半から始まった衆院比例選の立候補届け出受け付けで、日本未来の党が全ブロックで、自民党は四国ブロック、日本維新の会は東北ブロックで届け出が遅れたと云う。自民党は名簿の差し替えを検討しており、維新の会は立候補予定者が出馬を取りやめたため調整に手間取った。

 この混乱に対し、嘉田代表は、「混乱をもたらしたことは、私の党首と しての調整不足。おわび申し上げたい。できるだけ多くの方の声を受け止めようと事前審査も不十分のままで動き出さざるをえなかっ た。私の責任だ」と陳謝した。飯田代表代行は、5日、山口氏の街頭演説で、「小沢さんのかいらいではなく私と嘉田さんでしっかりリーダーシップを取ってやろうとした証しだ」と述べている。代表サイドは、「8ブロックでひっくり返したのだから、第一ラウンドは小沢氏を押えこんだ」と述べている。生活第一サイドからは早くも、「飯田氏は自分のことしか考えていない」などと不快感を示している。

 この事件をどう評するべきだろうか。マスコミは「国民生活第一派と嘉田派の主導権争い」と評している。仮に主導権争いだとして、党の活力を生むようなものであれば歓迎だが、こたびの介入は単に迷惑至極な子供の横槍ではなかろうか。不満があるなら事前に調整すれば良いものを公示日当日に選管に電話を入れて受付差止めするなどは非常識とみなすべきではなかろうか。書き換えが間に合わず受付時刻を過ぎた場合、代表と代表代行はどう責任をとるつもりだったのだろうか。辛うじて受けつけられたが、思えば冷や汗もののドタバタ劇だったことになる。

 これについて、日本未来の党は、選挙後に厳しく総括し、代表権限を厳しく定めるべきだろう。これができなければ、維新の会の石原、橋下と何ら変わらないチャンバラ政治遊びの類に堕することになろう。先が思いやられる。

 嘉田―飯田体制にはもう一つの重大責任がある。ホームページ上、選挙区の議員名簿はブロック別に表示されているが単独比例候補の名簿が未記載である。前代未聞の不祥事である。公選法によるインターネット規制が厳しいが、これができない訳がない。仮に難しい問題があるとすれば選管に頭下げてでも了承を取り付け単独比例候補をサイトアップせねばなるまい。その他数え上げれば既に数々の問題がある。れんだいこが指針する待遇の仕方は功績第一で祀り上げ、実権を小沢派と亀井派のタッグで握ることであろう。例によってマスコミが批判するだろうが、エエイかまやしない、知愚愚頓の類の評論として真一文字に政策第一に向かうべきだろう。

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2012年12月 5日 (水)

第46回衆院選の構図考

 2012.12.4日、現行憲法下で23回目となる第46回衆院選が公示された。16日投開票までの12日間、全国300の小選挙区と比例代表11ブロック(180議席)の計480議席を争う。現行制度で過去最多となる12党が候補者を擁立し1504名が立候補している。これを、本選挙戦で問われているものは何か及び政党構図、選挙情勢、選挙検証に分けて分析してみたいと思う。本稿はその1、本選挙戦で問われているものは何か及び政党構図を探ることにする。

 早速だが、公示日翌朝の今朝のテレビニュースについて触れておく。NHK、朝ズバは第46回衆院選をそれなりに報道していた。ところがモーニング、特ダネは逝去した中村勘三郎とトンネル事故報道その他に終始し何と衆院選は全く無報道であった。許されることであろうか。容易に新規参加できない免許制として存在するテレビ局は半ば公共的存在であろう。このことを考える時、民放と雖も無報道は容認できない。制作スタッフ、現場責任者は始末書を要しあるいは更迭されるべきだろう。

 モーニング、特ダネが何故に第46回衆院選を報道しなかったのか。これまで大阪維新の会、東京太陽の会につき第3極の動きとして提灯報道に明け暮れ、逆に現実に第3極である生活第一党、その発展的結党である日本未来の党については批判的報道もしくは関心が高まることを恐れるかのようにスル―させて来た。この経緯を思えば、モーニング、特ダネが報道しなかった良からぬ思惑が透けて見えてくる。それを思うと余計に本総選挙の意義と意味について語らない訳には行かない。

 本総選挙の主な政策的争点は1・原発再稼働、2・消費税増税、3・TPPである。これに関連して景気対策、公共事業振興、財政再建、社会保障、憲法改正等々諸政策が絡んでいる。各政党の政策は絵に描いたように連動している。全体的に極右翼的に対応するのが日本維新の会であり、それに準じて右翼的に対応するのが自民党、公明党、民主党、みんなの党、国民新党、改革党、その他である。これを簡略にいえば自公民連合と見なすことができる。対するに左翼的に対応するのが日本未来の党、大地党、社民党、共産党、日本新党である。

 ここで問題は、共産党が政策的には最も近いはずの未来の党の実力者・小沢どんに対して最も戦闘的な訴追派として立ち現われており、ここ4年間執拗に展開されている小沢バッシング派の先鋒的役割を果たしていることにある。大地の党の代表である鈴木宗男バッシングの仕掛け人でもあったことは衆知の通りである。社民党がこれに追随していることも衆知の通りである。これにより、反小沢反鈴木包囲網では、自公民、維新の会、みんなの党、改革、共産、社民が連合していることになる。政策的に自公民連合と対立する部分がかく分裂させられており、これが為に極めて分かりにくい政界構図となっている。

 もとへ。本総選挙の眼目は、2009衆院選で政権与党になった民主党三代政権の信認を問うことにある。次に、衆院解散時に15党前後が乱立し公示日現在で12党に収斂している乱立の帰趨にも注目が集まる。維新の会とみんなの党の撹乱変数があるので現時点で選挙結果を予想するのはいつになく難しいが敢えて挑んでみる。但し票読みは投票直前情勢に譲り遠景から俯瞰することにする。

 民主党は、政権交代後の鳩山、菅、野田の三代政権で示した民主党政治の審判を受ける。三代政権で最も奇妙なことは、政権交代の立役者でありマニュフェスト推進派であり党内を二分する勢力を持つ小沢派を政権に寄せつけなかったことである。むしろ排除し続け、与野党連携して小沢バッシングに勤(いそ)しみ、最終的に離党せしめた。そういう片肺政権たる反小沢政治を敷いてきたところに特徴が認められる。民主党政治は、党内のマニュフェスト遂行派である小沢派を掣肘することにより、政権交代前に国民に約束したマニュフェストを次から次へと反故にしてきた。それどころかマニュフェストでは行政改革後とされていた消費税増税が菅政権時代に指針され、野田政権に至っては政治生命を懸けるとして自公民連合で法案を可決させた。これにより2009政権交代の意味と意義が海の藻屑とされてしまった。そればかりか、三代首相の言葉の軽さ、要職閣僚の資質と能力のお粗末さが次から次へと露呈しており完全に食傷されている。

 これにより「自公こりごり、民主がっかり」なるまことに的確な評が生まれている。2009総選挙では自公がお灸を据えられたが、2012総選挙では民主に大げんこつがお見舞いされることが必至である。この流れはもはや如何ともし難い。これにより、本総選挙の最大構図は、民主党壊滅により消えた議席がどこへ向かうのかに移っている。民主三代政権初代の鳩山は引退を余儀なくされ、菅は落選の危機に喘(あえ)いでいる。共に辞任前の往生際の悪さが評判を落としており同情する者はいない。現首相の野田は千葉4区での当選がおぼつかず重複立候補で当選を図ろうとしている。現役の首相が比例担保するのは2000年の森首相以来であり、前例がない訳ではないがブザマなことには変わりない。

 民主党三代首相に共通する惨(みじ)めさに象徴されるように民主党は崖淵から奈落の底へ落されようとしている。それも尋常の敗北ではなく党そのものが壊滅する自体まで予想される。通常これは党中央の責任であるが、奇妙なことに野田政権派は一向に痛痒に感じていない節が見受けられる。むしろ自公民政権を企図しており、その為の道筋として歓迎している風がある。紛れもない上からの反革命であるが党内は不思議なほどに穏やかである。そういう訳で得心しながらこぞって死の船出に出向いている。滅多と見られない集団自殺劇となるであろう。

 こうした民主の歴史的大敗北が自公を政権復活させることになる。問題は、自民が何議席まで回復するのか、公明党がじり貧傾向を止めることができるのかにある。これを読むに、自民の政権奪還は民主の自滅によりもたらされる棚から牡丹餅式の僥倖であり、自民の党的能力が再評価された訳ではないと云うことである。自民は、2009衆院選で大敗北を期した当時の公約をそのまま提げて臨んでおり、常識的にはあり得ないがあり得ている。それどころか更なる親国際金融資本、対米御用聞き路線を露骨化させている。2009衆院選大敗北を何ら教訓化していないことが分かる。

 公明は既に長らく自民と一蓮托生運動して来ており改めて功罪の審判を受けることになる。ひと頃の全員当選はおぼつかずひき続き退潮することになるだろう。これにより、この党が賢明であるなら、このところの保守化路線の総括を迫られることになろう。

 民主の喪失議席の過半が自民に流れるとしても残りは第3極に向かうことが予見される。そういう意味で第3極に注目が集まっている。現在の第3極は、生活第一、減税日本、亀井新党、みどりの風を合同せしめたオリーブの木運動派の日本未来の党である。順調に推移すれば2極になる可能性が高い。してみれば、こたびの総選挙は第1極として自公民、第2極として日本未来の党と云う新たな政界構図を生み出しそうである。これを日本未来の党から云えば、こたびの選挙は第2極を賭けた闘いであり、生き残ることで次回の政権取り戻しを視野に入れる為の党の橋頭保化の闘いであると云うことになる。そういう意味で負けられない選挙になっている。

 衆院解散以来、マスコミによる鳴り物入りで登場した第3極騒動の主役の日本維新の会はどうだろうか。大阪維新と東京太陽が合同して日本維新の会が生まれたが、公示日前に既に自公民連合より更に右翼的な親国際金融資本体質を露呈して食傷されている。口では愛国を云うが国際金融資本御用聞きの先取りを打ち出しており、単に子供じみた政権狙いだけの野合であることが露呈している。選挙戦でこのことが更にはっきりし取らぬ狸の皮算用に終わるものと思われる。

 もう一つの政党としてみんなの党が存在する。この党は当初は大阪維新の会との連合を策して失敗し、その後、未来との合同も考えられたが拒否し、結果的に単党的に小選挙区制の壁に挑むことになった。善戦するのか埋没するのか帰趨が注目される。

 共産党、社会党は相変わらずの独りよがりの正義運動に耽っている。もはや政権展望そのものを放棄しており、口先だけの正義弁で政治責任事足れりとしているように思える。云うからには政策を実現する責任があるとする観点が微塵もなく、政策の元祖的地位を云うことで他党との差別化を図っている。加えて、自公民体制の裏からの補完に過ぎないガス抜き的本質が認知されつつあり更に退潮を余儀なくされるであろう。その他の諸党として国民新党、新党日本、改革等があるが、衆議院からは姿を消す可能性が強い。北海道に特化して候補者を擁している大地は未来と提携しており着実に議席を伸ばすであろう。

 各党議席は、こういう按配(あんばい)が予想される。その要因をどこに求めるべきだろうか。この本筋が解明されるべきであろうが、マスコミ各社はこれを論評することなく、徒に議席予想、面白選挙区を取り上げてお茶を濁すこのところの傾向がこたびも続くであろう。既にそれぐらいの能しかないということである。以下、れんだいこが素評しておく。

 こたびの選挙戦の貧相さは二大政党の争点のなさに起因している。与党の構図で云えば、民主党の政策が自公のそれと同化してしまっており、政権交代を求めた2009衆院選と比較してみて面白みに欠け単にイス取りゲーム化している。それも民主の方から旧政権派の自公と連合して自公民政権作りに向かおうとしており、そう云う意味で何とも奇妙な構図となっている。これに反発する動きとして第3極が生み出されているが、勝ち上がるのは日本未来の党であろう。歴史の女神は弱き正しき側に微笑む習性を持つからである。

 マスコミはこの間、その日本未来の党を殊更スル―させ、未だ政党としての態を為していない日本維新の会を持ちあげ第3極であるかのように囃してきた。今もその傾向が続いているが、本来なら選挙後に然るべき報道責任が問われることになるであろう。甚だ簡単ではあるが以上を本選挙戦で問われているものは何か及び政党構図考とする。

 補足として、こたびの選挙戦で見えてきたもう一つの興味深い点に言及しておく。小選挙区比例代表並立制の経験則によりもたらされたものであろうが、比例保険による惜敗率による復活当選狙いが全盛化している。これがこたびの選挙の特徴である。但し各党に微妙な違いが認められるので確認しておく。

 全体に現役議員全員が比例保険を掛けている。一見合理的であるように思われるが現役優先、新人不利の新陳代謝を抑制する対応でしかなかろう。その昔は党の代表ないしは閣僚的要職の者、実力者は選挙区候補としてのみ登場し、当選に自信を示していたが様変わりしている。政権与党の民主党は、首相、閣僚始めとして全員が比例保険に加盟している。首相の比例担保は例がない訳ではないが珍しい。

 これに対して自民総裁の安倍、幹事長の石破、小泉青年局長ら5名が重複立候補を辞退している。自民党の比例単独候補は49人に上るのに対し民主党はわずか3人であり、民主党が現役優先に大きく傾斜していることが分かる。他にも未来の一兵卒の小沢どん、みんなの党代表の渡辺が選挙区のみ候補として落選の危険を引き受けている。

 栃木3区から立候補する渡辺みんなの党代表は次のように自負している。「重複立候補はしない。生きるか死ぬかの選挙だ。落ちれば当然、政治家を辞めるし、落選して党首もやってられない」。こういう美学に選挙民が応えるであろう。

 公明党は選挙区議員と比例区議員を分け、選挙区議員全員が背水の陣を敷いている。公明が重複を認めないのは03年以降、4回連続となる。敢えてそういう厳しさを引き受け伝統化させていることが分かる。これに対して何とも甘い対応をしているのが維新の会代表の石原と共産党の志位である。維新の会は他にも中田前横浜市長、東国原前宮崎県知事を比例ブロック単独1位にしている。これらの者は比例区専任で選挙区に出馬しない。端から御身安泰を図っている姑息さが分かる。党の要職者が選挙区からはいあがり、当選するかどうかの危険を賭けて率先垂範する美風はない。妙なところで悪知恵が一致しているが、選挙通から見ると咬ませ犬の裏の習性が透けて見えてくる。

 http://www.marino.ne.jp/~rendaico/jinsei/

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