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2012年12月19日 (水)

第46回2012衆院選考その3、各党寸評の巻

  第46回2012衆院選の各党の議席は次のようになった。これを各党別に分析する。

  最初に申し述べておくことは、新聞各社の事前予想がまたしても当たったことである。2005、2009総選挙の時もそうだったが各新聞社の予想は非常に正確ということになる。世論誘導するから結果が当たるのか、空気を的確に読むから当るのかまでは分からないが、ネット世論調査よりよほど正確と云うことが判明した。ネット世論調査の方に信を置いたれんだいこ予想の今後の自戒としたい。投票不正、開票不正の疑いもあるが確たる証拠がないので匂わせるだけとする。

 れんだいこ予想は、2005総選挙の時に大外れ、2009総選挙の時にほぼ的中、こたびの2012総選挙では大外れした。もっとも未来の大健闘に期待した分を自民に上乗せすれば辻褄は合っている。但し、維新と公明党の健闘は予想以上のものとなった。原発再稼働反対の声なき声が存在し、未来の党に結集すると見立てたのが誤りだった。この辺りもっとリアリズムに徹しないといけないと反省したい。それにしても、日本人民大衆の頭脳が予想以上にスポンジ化ピーマン化されつつある気がしてならない。普段からの寺子屋式政治学習の場を日本列島津々浦々に創建せねばならぬのではなかろうか。

 自民党は、選挙前勢力118議席を大幅に上回る294議席(選挙区237、比例57)を獲得した。小選挙区では300議席の79%を占めたことになる。比例は前回55議席を2議席上回る57議席にとどまったが、これは「選挙区は自民、比例区は公明」の申し合わせの影響もあるものと思われる。2009衆院選では、212→300→119議席(小選挙区64、比例55)の歴史的な大敗北を喫したが一気に挽回した。この時、岩手、秋田、福島、埼玉、新潟、山梨、長野、静岡、愛知、滋賀、長崎、大分、沖縄の13県の小選挙区で全敗し「空白県」となったが、こたびは逆にそれぞれ1議席以上を獲得し「空白県」を解消した。安倍総裁―石破幹事長体制が信認され組閣に着手した。特記すべきこととして2009総選挙で落選した元職議員、小泉チルドレンの相当数が復帰した。

 同党の小選挙区得票数は25.643.309票、比例区得票数は16.624.457票、票差は小選挙区基準で9.018.852票減。つまり小選挙区の約900万もの票が公明ないしは他党に流れていることになる。2009衆院選(以下、前回と記す)の小選挙区得票数は27.301.982票、比例区得票数は18.810.217票。これによればこたびの選挙で小選挙区得票数、比例区得票数とも約200万票減らしていることになる。にも拘わらず空前の大勝利とは怪奇現象が起っているとしか考えられない。小選挙区制の恐さでもあろう。

 公明党は、小選挙区に擁立した9人の候補者全員当選、比例区でも22議席を獲得し合計10議席増の31議席(選挙区9、比例22)とした。2009衆院選で落選した太田元代表、北側元幹事長が共に比例区重複保険を掛けない背水の陣を敷きながら見事に返り咲きした。天晴れと云うべきだろう。どこかの党に煎じ薬を飲ませたい。

 同党の小選挙区得票数は885.881票、比例区得票数は7.116.474票、票差は小選挙区基準で6.230.593票増。これは小選挙区を全員当選体制9名に絞り込んだことによるものであろう。前回の小選挙区得票数は782.984票。比例区得票数は8.054.007票。これによればこたびの選挙で比例区得票数で約100万票減らしていることになる。こちらも約100万票を減らしながら10議席増とは怪奇現象が起っているとしか考えられない。

 民主党は、2009衆院選の308議席、小沢系が抜けた後の公示前の230議席からみても4分の1以下の57議席(選挙区27、比例30)に大凋落した。前回は177→115→308議席(小選挙区221、比例87)となり歴史的な大勝利を収めたが、1998(平成10)年に現在の民主党が結成されて以来最低となった。これにより野田首相は即刻辞任を余儀なくされた。

 留意すべきは、辛うじて当選したのは鳩山、菅、野田政権下で要職に就きスポットライトを浴びた議員ばかりであり、冷遇された小沢系居残り組はほぼ完全に潰えていることである。要職者の中でもかなりの人数が落選しているが、小沢系居残り組の殲滅を思えばそれほどのことでもなかろう。かような憂き目に遭わされるのであれば後の祭りではあるが筋を通して小沢系がひとまとまりになり新党を創出した方が賢明だったのではなかろうか。

 同党の小選挙区得票数は13.598.773票、比例区得票数は9.628.653。票差は小選挙区基準で3.970.120票減。つまり小選挙区の約300万もの票が他党に流れていることになる。前回の小選挙区得票数は33.475.334票。比例区得票数は29.844.799票。これによれば、小選挙区得票数で19.876.561票、比例区得票数で20.216.146票減らしていることになる。どちら2千万票減と云う恐ろしい数字が出てくる。野田政権は、これを痛苦に受け止めているのだろうか、却って少数精鋭になったとして居直っているのであろうか気になるところである。

 以下、第3極政党を確認する。

 日本未来の党は、選挙前の61議席から9議席(選挙区2、比例7)に大きく減らした。小選挙区得票数で2.992.365票。比例区得票数で3.423.915票。票差は小選挙区基準で431.550票増。つまり小選挙区票を基礎票とした場合、空白選挙区から約43万票しか増やしていないことになる。これが実際なのかどうか俄かには信じ難い気がするのはれんだいこだけだろうか。実際であったとすれば、嘉田代表の訴求力が如何に弱かったかの責任問題に繫がるべきだろう。未来の党ついては別サイトで確認する。 

 日本維新の会は、選挙前の11議席から54議席(選挙区14、比例40)に5倍増伸張した。比例代表で民主党を抑えて第2党の議席を獲得したほか全体の議席でも民主党との差が3議席に迫った。小選挙区得票数で6.942.353票。比例区得票数で12.262.228票、票差は小選挙区基準で5.319.875票増。つまり小選挙区票を基礎票とした場合、空白選挙区から約530万票増やしていることになる。未来の党との鮮やかな対比が確認できる。この党については興味がないので言及を轄愛する。

 みんなの党も選挙前の8議席から18議席(選挙区4、比例14)へと倍増した。前回の善戦に引き続き大健闘した。代表の渡辺が比例重複保険を掛けずに捨身で勝負した気迫が全軍を鼓舞したのではなかろうか。どこかの党の代表に煎じ薬を飲ませたい度胸であった。政策第一で安易な野合をせず単党主義で筋を通した結果の勝利であることを思うと更に興味深い。

 同党の小選挙区得票数は2.807.244票、比例区得票数は5.245.586票、票差は小選挙区基準で2.438.342票増。つまり小選挙区票を基礎票とした場合、空白選挙区から約240万票増やしていることになる。前回の小選挙区得票数は615.244票。比例区得票数は3.005.199票。これによれば、小選挙区得票数で2.192.000票、比例区得票数で2.240.387票増やしていることになる。どちらも約220万票増と云う数字が出てくる。こちらも未来の党との鮮やかな対比が確認できる。

 共産党は選挙前の9議席から1議席減の8議席(選挙区0、比例9)となった。この党は又も長期じり貧を繰り返す結果となった。捲土重来を呼号して且つ負け続けているのが既にお笑いの域に入っている。それでも宮顕、不破に続く同一系の志位執行部は続投意向を示しており党内権力を放さない。1955年以来60年有余、同一系執行部が続くと不倒最長記録を更新中である。これが党内で問題にならない特殊な党中央集中制タコ壺政党になっている。

 同党の小選挙区得票数は4.700.289票、比例区得票数で3.689.159票、票差は小選挙区基準で1.011.130票減。つまり小選挙区票を基礎票とした場合、約100万票減らしていることになる。前回の小選挙区得票数は2.978.354。比例区得票数は4.943.886票。これによれば、小選挙区得票数で1.721.935票増、比例区得票数で1.254.727票減らしていることになる。小選挙区で約170万票増加したのは候補者を増やしたことによるものであろう。しかるに比例区で約125万票減らしているのは由々しき事態であろう。

 社民党は、選挙前の5議席から2議席(選挙区1、比例1)となり、平成8年に旧社会党から現在の社民党に移行してから最少議席に転じた。こちらも福島執行部は続投意向を示している。福島代表の賞味期限はとうに終っているのに代表の座にしがみつくのは政治の私物化以外の何ものでもなかろうが、既にそういうことを問う活力さえ持ちあわせていないように思える。

 同党の小選挙区得票数は451.762票、比例区得票数は1.420.790票、票差は小選挙区基準で969.028票増。前回の小挙区得票数は1.376.739票、比例区得票数は3.006.811票。これによれば、小選挙区得票数で924.977票減、比例区得票数で1.586.021票減していることになる。社民党も比例区で約160万票減らしており、全国で140万票しか取れないと云う現実は既に解党的危機に陥っていることになる。

 新党大地は、選挙前の3議席から1議席(小選挙区0、比例1)となった。鈴木宗男代表が公民権停止処分を受けて活動できなかったとはいえ散々な結果となった。今後は分からないが案外と地力がないことを示した。小選挙区得票数で315.604票。比例区得票数で346.848票。票差は小選挙区基準で31.244票増。つまり約3万票しか増えていないことになる。前回の小選挙区得票数は0票、比例区得票数は433.122票。これによれば、比例区得票数で86.274票減らしていることになる。前回は代表の鈴木ムネオ一人が闘い約43万票取ったのに対し、6名の候補者を立てた今回は逆に約8万6千票減らしていることになる。理解し難い現象である。選管の再チェックをお願いしたい。

 国民新党は選挙前の2議席から1議席(選挙区1、比例0)となり、2005(平成17)年の結党以来、最少議席となった。去る日に亀井代表を追放した罰が当ったものと思われる。新党日本は、選挙前の1議席から0議席(小選挙区0、比例0)となった。党代表の田中康夫(兵庫8区)が落選し国会での足場を失った。改革クラブは、0→0議席。無所属は8→5議席。小泉龍司(埼玉11区)、中村喜四郎(茨木7区)他が健闘した。  

 かくて自公両党が325議席が出現し、自公体制だけで衆議院議席の3分の2の320議席を上回る議席を獲得することになった。これにより参議院で否決された法案を衆議院の3分の2以上の賛成で再び可決して成立させることが可能になった。この自公体制に民主、維新、みんなの党他の改憲勢力が加われば憲法改正も可能となった。この間、憲法改正要件緩和の動きがあるが、これも不要となった。日本国憲法第九十六条「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」を緩和せずとも少なくとも衆議員では可能となった。

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コメント

「野田を緊急逮捕憲法70条総理罷免せよ! 」

ショックドクトリンと言えば常に流血である。
日本で9条破壊派の安倍が大勝したことでシリアの自衛隊にいつジャッカルが攻撃をかけても不思議は無い程ショックドクトリンの危機がかつて無く高まっている。

ただちに野田を逮捕して総理罷免し、シリアの自衛隊に憲法違反の戦闘地域から即時武装解除撤収帰国するよう総理代行に命令を出させねばならないことは云うまでも無い。

投稿: 通りがけ | 2012年12月20日 (木) 23時15分

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