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2012年12月19日 (水)

第46回2012衆院選考その2、投票結果総評の巻

 その2を「投票結果総評の巻」とする。第46回衆院選の議席結果は次の通り。

 小選挙区300、比例区180の全480議席のうち、自民294(←118)、民主57(←230)、維新54(←11)、公明31(←21)、みんな18(←8)、未来9(←61)、共産8(←9)、社民2(←5)、国民新党1(←2)、大地1(←3)、新党日本0(←1)、改革0(←0)、諸派0(0)、無所属5(←8)となった。再政権交代により与党となる自公は、参議院で否決された法案を衆議院で再び可決して成立させることができる衆議院議席3分の2を上回る325議席を獲得した。第46回衆院選の各党獲得得票数は別表に記す。

 かくて2009政権交代の逆政権交代選挙となった。まるでオセロゲームのように民主党から自民党へと札が変わった。政権与党の民主党が有権者に不信任されたことになる。民主党は、3年有余に亘ってごく一握りの幹部で閣僚ポストをたらい回しにするメリーゴーラウンドで政治を私物化して来た。政治に於ける政治家発言がこれほど軽はずみにされた例はない。政治責任がなく言葉のあや的弁明に終始する政治遊びに終始した。その挙句、自公政治の方がまだましとして元の鞘に納まった感がある。

 れんだいこが窺うのに、こたびの解散は胡散臭いものであった。三代目の野田政権が意図的故意に御党を壊滅させる猿芝居を打ち、自公と通じて党内を騙しながら抜き打ち解散に出ている。意図的故意に政権を元の自公に禅譲すると云う寸劇を執り行った気がする。そういう意味で、野田首相そのものの胡散臭さが疑われる。野田首相はそもそも反革命式に御党解体の使命を帯びて党中央の座イスに座るように根回しされ登場してきた人物だったのではなかろうか。

 この観点から見れば野田政権の為したこと全体が胡散臭い。孫子の代にまでツケを及ぼさないと云う名目で消費税増税法案を可決させたが、原発については再稼働を画策し続けた。孫子の代にまでツケを及ぼさないのであれば原発再稼働など言語道断のところ優柔不断対応で終始してきている。辻褄が合わないこと夥しい。これに伴い同法案に反対した小沢派の追いだしを完遂している。冤罪が確定した小沢どんに対する執拗なバッシングを続け党外放逐したのも胡散臭い。代わりに公然と自公民体制を打ち出した。この間、民主党三代政権は、2009政権交代時のマニュフェストを反故し続け、その他民主党に幻滅を与えるような意図的故意の施策と発言を続けて来た。決して自然な流れではなかろう。

 但し、自公政治に食傷し、民主政治にがっかりした勢力を糾合した未来の党を支持する投票一揆は不発となり、未来の党は一敗地にまみれた。その未来の党に対抗する維新の会が第3極政党に躍り出た。未来の党と維新の会の中間に立ち、維新よりのみんなの党も躍進した。かくて2009政権交代が大流産し、元の黙阿弥あるいはそれ以上に反動化した旧体制が復活した。

 この結果をどう受け止めるべきだろうか。3.11福島原発事故に遭い、現に対応がままならぬ中で原発再稼働、増税政策、憲法改正、TPP推進を呼号した自民党が圧倒的な支持を受け政権復帰したが、これにき歴史責任を負うべきであろう。

 こたびの選挙期間中、選挙報道が極力抑制され、総務省の選挙公報もなく、真の第三極であった未来の党絡みの情報がほぼ遮断されると云う或る種報道管制が敷かれた異常下で選挙が執行された。その結果としての自公、維新、みんなの大勝であった。これを地団太を踏んで口惜しがるのが未来、共産、社民、大地の党であるところ、少なくとも代表レベルでは不思議と楽しそうなコメントをしている。それが証拠に大敗乃至じり貧したと云うのに誰も責任を取らない。ただ一人、民主の野田が辞任を余儀なくされたが、これまた後釜が同一系から選出されるようで何とも政治のお遊びの度が過ぎよう。

 しかし、それを幾ら強調したとしても事態は何ら変わらない。であるが故にむしろ新たに形成されつつある自公民体制、これを支援するマスコミの報道管制を打ち破れなかった側の主体的能力をも反省すべきだろう。ちなみに朝のニュース番組ではモーニングが一切選挙報道をしなかった。特ダネもほぼ同様にスル―し抜いた。朝ズバは辛うじて取り上げたものの第3極としての未来の党隠しに終始していた。

 この腐れメディアは、選挙結果が判明するやお祭り騒ぎで報道合戦する醜態を晒している。これを思えば、情報を公平に伝達する新メディアの創出が歴史的課題になったと明確に受け止めるべきだろう。これを総評とする。

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