邪馬台国論、同論争のもう一つの意義について続
邪馬台国研究のもう一つの意義について確認しておく。これが最新の気づきである。「邪馬台国論、同論争のもう一つの意義について」で、邪馬台国研究の意義について、邪馬台国と大和朝廷との皇統譜の解明と邪馬台国が存在していた紀元3世紀頃の日本の国体国勢状況を明らかにすることを確認した。「邪馬台国論、同論争のもう一つの意義について」で、「邪馬台国論証力」による論証能力練磨による果実を確認した。
(http://www.marino.ne.jp/~rendaico/kodaishi/yamataikokuco/furutaronco/yamataikokuronco/igico/top.html)
実は、邪馬台国研究にはもう一つの大きな意味がある。それは、紀元3世紀頃の邪馬台国までに形成されていた「原日本の解明」である。このことが如何に重要なことであるのかは、「原日本」がその後の日本史に脈々と今日まで続いていることにある。これにより、祖国日本論を唱える場合に、邪馬台国時代までの原日本と邪馬台国滅亡後の大和王朝時代以降のいわば新日本との識別をせずんば適切を得ないことになっている。このことがさほど重要視されておらず、為に祖国日本論上に於いて多大な混乱を招いているように見受けられる。そういう意味でも実践的な課題となっている。
思うに、戦前の皇国史観とは、祖国日本論上、「原日本」を邪として蔑視し、大和王朝時代以降の「新日本」を正として形成した偏狭な国体論にしてイデオロギーではなかったか。皇国史観は、とかく問題のある日本書紀を絶対教義とし、こちらもとかく問題のある古事記を相対教義とし、この記紀二書を核として他書の都合の良い部分だけを抽出して構築した独特の歴史観ではなかったか。特に、幕末維新、明治維新来の政争で最終的権力者となった長州閥を主とする国際金融資本帝国主義傀儡派による絶対主義的天皇制の確立、これによる好戦主義の御用史学として持て囃されたのではあるまいか。
そうとするなら、戦後史学は、皇国史観を崩壊させ、代わりに皇国史観が押しとどめていた大和王朝前の日本史解明に向かうべきであった。それにより、日本史内の原日本と新日本の内争と拮抗調和、あるいは同化と非同化を見つめての祖国日本論の形成に向かうべきであった。ところが、実際に為したことは、皇国史観を崩壊させたが、同時に祖国日本論そのものをも流産させてしまった。代わりに持ち込まれたのが国際金融資本帝国主義イデオロギーであるネオシオニズムに基づくいわゆる進歩史観であり、戦争と革命史観であった。それらに興味を持たない者には例えて言えば財テク処世法とでも云える経済ものハウツーのおしゃぶりおもちゃを持たせた。これにより、戦後日本人は、学んでも決して役に立たない情報過多のみの骨格のない無国籍型の歴史通経済通人間に化せられ今日に至っている。
ここまで書けば、邪馬台国研究のもう一つの意義としての新しい祖国日本論の必要が分かろう。日本の国体、日本の精神、日本の情緒、日本の感性、日本の伝統、日本の所作作法を尋ね、現代における日本人としてのアイデンティティを持つ国際人を養成せねばならない。このことが如何に重要かは、現代政治、現代政治家の貧相を見れば分かろう。日本の歴史を知らない、日本史の背骨を持たない政治家に日本の将来を託すことの無謀さが分かろう。饒舌しかはびこらないのも道理ではなかろうか。
最後に「原日本」解明の意義を付け加えておく。「原日本」は、大和王朝以前の更なる昔の日本である。その日本が、歴史をはるかに遡(さかのぼ)る故に未開の野蛮な日本であったと見なしてはならない。国際金融資本帝国主義の進歩史観テキストによればそうなるが、史実はさにあらず。「原日本」は、現代科学の物差しとは秤が違う故に単純な比較はできないが、我々が考えている以上に高度であり、合理的であり、何より今風の言葉で云えば地球環境と親和的共生的であった。或る意味で、現代人より相当賢い精神性の高い、開明的にして高度な文明社会を創っていたと窺うことさえ可能なのではなかろうか。れんだいこには、国際金融資本帝国主義の狡知の方がよほど未開で野蛮にして同心円的閉鎖的な生態を示していると見なしている。
そういうことを確認する意味もある。地球環境の危機局面を打開する知恵を授かると云う意味もある。世界一言語とも評せる日本語を生み出した知恵がある。その他その他「原日本」が持つ豊饒な良さをもっと知らねばならない。いろんな思いを込めて、日本のふるさとを訪ねるべきではなかろうか。
「邪馬台国論、同論争のもう一つの意義について」
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