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2013年3月 3日 (日)

れんだいこの特攻隊兵士の手記、遺書考その5、家族への思いやりについて

 次に、「特攻隊兵士の手記、遺書の肉親及び家族に対する思いやり論」を見ておく。これにつき、特攻隊兵士が目前に死を控えた際の遺書には共通して、死にきれない中を死んでいく者の気がかり、最後の訴えが記されており、目頭が熱くなる。時代の不条理、それを踏まえた慟哭が伝わって来よう。これを女々しく伝えた者、几帳面に伝えた者、勇ましく伝えた者、残された家族への思いやりを伝えた者等々百人百様の書きつけを遺しているが、透けて見えてくるのは「肉親及び家族に対する熱い思いやり」である。

 この思いを聞くにつけ、戦後日本の肉親及び家族の絆の緩みが逆に知れることになる。かの当時の日本には、かような絆が常態として形成されていたのだろうか、それとも凝縮した感概故にとりわけ熱く語られているものなのだろうか。れんだいこは、戦前日本の絆の強さの方を見てとりたい。してみれば、戦後日本は、敗戦国の哀れさで、家族の紐帯を意図的故意に弱めさせらたのではなかろうか。その代わりのものとして、猫も杓子も拝金主義のトリコにされるよう教育されてきた、現にそう教育されつつあるのではなかろうか。

 もとより、戦後日本人が一挙に金銭亡者にされた訳ではない。戦後式学問テキストの習熟に秀でた者が優先的にそのような教育を受け、いわば近代的個人主義のワナに嵌まり、そういう者が立身出世し、「我さえ良ければ」式の立身出世御礼奉公として「上からの金銭亡者教育」に一役買っている。そういう時代になった。

 そういう中で、多くの日本人は伝統的秩序を保ち、戦後日本の毒気に毒されず、時代の流れに棹さしながら家族の絆、地域の絆、国との絆を確かめつつ今日まで生き延びているのではなかろうか。それは日本人の極めて健全なDNAであり、もっと誇りにすべきではなかろうか。

 この目線から見れば、戦後民法の長子相続否定の均等相続規定も必ずしも善政のものではない気がする。本来であれば、諸々の財産の均等相続は是としても家族が共に過ごした親の本家相続は非課税にすべきで、そうであればくだらぬ揉め事は起こらないのに起るように仕組まれている気がする。

 日の丸君が代の国旗掲揚国歌愛唱問題も然り。重要儀式に拝するのは良いと思うが、一切拒否するか、のべつくまなく拝礼するのかを廻って不毛無駄な対立をしている。日の丸、君が代の原義を知り思いを馳せれば、それは左のものでも右のものでもなかろうに政争の道具と化している。

 無駄な対立ついでに云えば、話しがどんどん飛ぶが、天下り問題然り。我々が批判しているのは天下り自体ではない、天下りによる高給与待遇であり高額退職金のウグイスの谷渡りである。そうであるのに天下り自体の是非論にうつつを抜かし、事態は少しも変わらぬどころか却って悪化している。

 一票の格差問題然り。一票の格差を単に票数問題にして行けば都会の議員数が増えるばかりとなるのに、正義ぶった一票の格差違憲訴訟が相次いでいる。「一票の格差」は、議員選出区の有権者数、選挙区面積、選挙区の産業力等々の複合的見地から定められるものであろう。そうすれば「都会の議員数が増えるばかり」が是正され、「都会の議員数が増えるばかり」こそ憲法違反と云うことになるだろうに。

 もとへ。「肉親及び家族に対する熱い思いやり」を致しながら死地に赴いた兵士の心配に対し、残された家族はどのように報われたのだろうか。地域と国家に守られたのだろうか。戦後は何でも権利万能の世の中になったが、特攻兵士の遺族は、「無私無償の死」を選んだ特攻兵士に似て案外とひっそりと世に耐えて生きたのではなかろうか。、そういうことが気にかかる。以上を、「特攻隊兵士の手記、遺書の肉親及び家族に対する思いやり論」とする。

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