« なぜ日本がホロコーストされるのか考その8 | トップページ | 手塚説と江口説が矛盾していないなんてことがある訳がなかろうにその2 »

2014年11月 9日 (日)

「手塚説と江口説が矛盾していないなんてことがある訳がなかろうにその1」

 鈴木頌・氏の「"http://shosuzki.blog.jp/archives/11542673.html" 手塚英孝と江口渙は矛盾していない<」にネット検索で出くわした。同ブログは、「"http://6616.teacup.com/rendaico3/bbs/203" れんだいこのカンテラ時評№1111、補足・小林多喜二の妻・伊藤ふじ子、多喜二研究家・手塚英孝考」に反論している。れんだいこ立論1、多喜二虐殺通夜に於ける「手塚の伊藤ふじ子不在説」は偽証である。2、そういう変調記述の背後に宮顕の影があるに反論したつもりになっている。れんだいこが反論への反論をしておく。以下、鈴木頌・氏を仮にSとする。

 Sは云う。手塚と江口の両説は食い違っているように見えるが実は「ウソも方便的偽証」なのであり「手塚英孝と江口渙は矛盾していない」と云いなしている。Sは更に云う。「手塚の事実隠しを宮本顕治の陰謀だと持っていくのは、下衆の勘繰りとまでは言わないが、あまり趣味の良くない推論だろう」。Sはこの謂いを論証している訳ではない。レトリック文に終始しつつ結論を誘導しているだけである。こういう手合いを相手にするのは大変であるが斬り込んでおく。

 Sはのっけから「記事のはじめに、れんだいこさんが省略した部分がある」、「記事の終わりにもれんだいこさんの省略した部分がある」の物言いで、れんだいこ立論を落としこめようとしている。しかし、省略文のところを加味してもれんだいこ立論に何ら影響を与えない。つまり怪しげさを臭わそうとして持ち出しているだけの印象操作に過ぎない。 

 興味深いことはSのロジックである。手塚の不在説を偽証と認定した上で庇うという芸当を見せている。その種明かしは「偽証の背景事情を忖度せよ」なる論理論法である。これにより偽証故に評価するという変調話法へと至っている。次のように述べている。「以上で明らかになったことが二つある。ひとつは、どう考えても二人は熱愛関係にあり、ハウスキーパーごときものではないということである。もうひとつは、直接には組織防衛のためではあるが、後には彼女のプライバシーを守ろうという関係者の暗黙の了解があったことである」。

 この論旨自体が粗雑であるが、世の中にはこういう粗雑な論旨に合点する者が居る。類が類を呼ぶ粗脳同盟でしかない。これを論証しておく。この物言いの問題性の第一は、Sがハウスキーパーを格別に蔑視していることが分かるところにある。「二人は熱愛関係にあった故に伊藤ふじ子はハウスキーパーではない」と立論しているが、「熱愛関係の有無」をもってハウスキーパーかどうかの認定基準にするのはSの基準であって一般的なものではない。この辺りはSの同棲観、結婚観、妻妾観、ハウスキーパー観を聞いて見たいところであるが恐らく愚頓な弁を聞かされるだけのことになろう。

 Sの物言いの問題性の第二は、「組織防衛&プライバシー保護&関係者の暗黙の了解」の面からの意図的故意の偽証を正当化していることにある。こういうロジックを好むのが宮顕であるからして、Sには自覚がないだけで実は相当深く宮顕理論、論法に被れていることが分かる。本質的に御用理論であるところに特徴がある。

 この種のロジックによって日共史もソ連共産党史も何度も書き換えられたのではなかったか。こういう論法を認めると適用範囲が際限がなくなるのではないのか。そもそも「偽証の正当化」を誰が認定するのかと云う問題もある。Sはこの種の論法を未だに平然と肯定しているようであるが、陸上競技に例えればトラックランナーとして二周ほど遅れている気がしてならない。

 Sはどうやら今日においても宮顕を戦前共産党運動の英明な指導者と賛美しており、宮顕時代の日共史を極力肯定したがっているようである。この点で、れんだいこの認識と大きく食い違っている。れんだいこは、「宮顕英明指導者論は逆であり、宮顕こそがスパイM以降、スパイMに成り代わる形で登場した共産党史上最大のスパイ頭目である」と批判している。この観点の差が、手塚の意図的故意の偽証を生み、それを容認するSを生んでいると解している。

 断言しておく。Sは手塚の意図的故意の歴史偽証を容認できるものとしているが、宮顕が牛耳り始めた党活動史上に於いて、多喜二の通夜の席に実質的な妻であろうがハウスキーパー的地位であろうが、そういうことに関わりなく伊藤ふじ子が居たことを隠さねばならないほどの運動上の利益は何もない。偽証及びその偽証の正当化を促す動きが認められるが嘘の上塗りの居直り弁でしかない。伊藤ふじ子の多喜二通夜への来訪と激しい哀惜ぶりは、隠すより事実を史実として語らしめた方が歴史に対して真摯である。

|

« なぜ日本がホロコーストされるのか考その8 | トップページ | 手塚説と江口説が矛盾していないなんてことがある訳がなかろうにその2 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1453913/57932779

この記事へのトラックバック一覧です: 「手塚説と江口説が矛盾していないなんてことがある訳がなかろうにその1」:

« なぜ日本がホロコーストされるのか考その8 | トップページ | 手塚説と江口説が矛盾していないなんてことがある訳がなかろうにその2 »